風とおるみち

ふとおもうこと。

「少年たちの密室」

2006-02-27 | その他
古処 誠二 作

担任の先生がキーパーソンと思っていたけど
そこまでの犯罪を犯していたとは。
あたりさわりのない正論ばかり言って
のらりくらりと子どもや親の言葉を牽制するタイプの教師には
イヤと言うほど会ってきた。
この本を読んでいる間ずっとそういう人たちのことを思い出して
またどんよりと気持ちが曇ってきた。

春に向けて

2006-02-25 | その他
そろそろ動き出したい。
いつも2月いっぱいは「充電」と言えば聞こえはいいが
ほとんど「冬眠」状態で、やらねばならない仕事と読書中心の生活になるが
これからは「やっていきたいこと」にエネルギーを使おう。

それにしてもみんなどんなふうに時間を使ってるのかなあ。
仕事も家事も趣味も、学校や地域の役員も、ボランティアもパソコンも
スイスイこなしている人をみると、つくづく自分が不器用でイヤになってくる・・
一歩一歩しかないかぁ。

今週で生徒にはソロとデュオ全ての曲を渡せたので
これからは演奏のこと、みんながんばろう!
曲を気に入ってよく練習してくる子が増えている。ウレシイ。

「三月は深き紅の淵を」

2006-02-22 | その他
恩田 陸 作

まずタイトルがいい。
不思議な小説だったけど
ものすごく惹かれた。
もういちどゆっくり読みたい。

装丁もよかったので写真付き。

第一章の「待っている人々」では
ある一軒の家に集まった5人が、思い思いに読書をしたり
ひとつの小説について語り合ったり、
なんだか昔の読書会のような雰囲気を思い出して懐かしかった。
読書は個人的なものだけど、読後感を語り合うというのも
その仲間によってはとても面白いものになったことを思い出した。

「朽ちた木々の枝の下で」

2006-02-19 | その他
真保裕一 作

これを読んだすぐあとから読み始めている本に
「読書経験を積めば積むほど、本に対してすれてくるし
感動も鈍ってくる。時間を忘れてむさぼるように本を読む幸福、
そういう喜びを知ってはいるけれど、なかなか体験できない」
というセリフが出てきたんだけど
そういう意味では自分も少しミステリー小説に対して「すれてきた」ような気もするし
「感じる」より「評価」しがちになっているかも、と思った。

この小説も、ページをめくっていくワクワク感はとてもあるのに
主人公の推理がピタピタはまりすぎることとか
味のある脇役が何人かいるのに最後のほうはほったらかしだったとか
そういうことが気になって「むさぼるように」とはいかなかった。

でも、きっと出会えると思う。
なかなか出会えないからまた次の本を読む。
「おはなし」は面白い。活字も、人が話す「おはなし」も。

これも今読んでいる本から。
「暖かい家の中で、テーブルを囲み、見知らぬ物語の粗筋をきいている。
この、遥かなる記憶を呼び覚まされるような感覚。
おそらく、大昔から世界中で、なされてきた行為。
やはり人間というのはフィクションを必要とする動物なんだな。
まさに、この一点だけが人間と他の獣を隔てるものなのかもしれない。」

これと関係あるのかどうか。
2度の出産を経験したが、
2度とも、その前後1年くらいは「小説」を全く読む気になれなかった。
一番「獣」に近かった時なのか・・。

KISSA の靴

2006-02-17 | すきなもの
今朝の新聞に靴デザイナーの高田喜左さんの訃報が載っていた。
学生のころに出逢って
もう20年以上「キサ」の靴を履き続けている。
布の靴が大好きで、夏はサンダル、
冬は写真のような革紐の靴。これは気に入って黒と茶の色違いで持っている。

64歳。惜しい人です。
今回の記事で、お母様が詩人の高田敏子さんと知り、
親子2代のファンであったとわかった。

「レベル7」

2006-02-16 | その他
宮部みゆき 作

続けてミステリーを読んでいると内容が入り混じって混乱してくるけど
宮部みゆきのものはやっぱり格別「よくできている」と感じる。
そして、面白い。

それはそうとこの小説、以前に読んだかもしれないと思いながら
最後まで結局読んだことあるのかないのか、わからないまま終わった。
とにかく忘れ方が尋常じゃなくなってきた。
どれもいつも新鮮に読めていいかもしれないけど
こわいことだ。

「柔らかな頬」

2006-02-15 | その他
桐野夏生 作

結局最後まで犯人を特定せず
夢の中でいくつかの可能性を示して終わった。
正直ちょっとすっきりしない。
こういうのがあってもいいとは思うけれど。

子どもというものは親が思っている以上に
親のことをよく見ている、というのは今日も感じたこと。
車を車庫に入れようとしていたら、
ちょっとニガテな近所の人が通りがかったので
挨拶程度ですませようとゆっくり車庫入れしてたら
後ろに乗っていた息子が
「お母さん、今日はえらい慎重な入れ方するなぁ、
いつもはもっと大胆やのに。」と指摘されギクッ。
「子ども騙し」という言葉があるけど
実際は子どもほど騙しにくいものはないと思う。

それから、子どもが何人かいると「気に入ってる子」「かわいい子」が
できてしまう、ということについて。
この小説のお母さんはかわいがっていた長女がいなくなったために
その悲しみから立ち直れず、結果次女を捨ててしまう。
これは今の自分には理解ができなかった。
どちらの子を失うことがより辛いか、今の自分には答えは出ない。

選曲 2

2006-02-13 | その他
生徒発表会のソロやデュオの曲を渡しはじめている。
曲を気に入って「弾けるようになりたい!」と
瞳を輝かせて帰って行く子たちがいた。
すごくうれしいし、最後までその気持ちを持ち続けて欲しい。

選曲の作業はとても大変。
その子にあっているか、課題がうまい具合に盛り込まれているか、
早くにでき上がって本番まで間延びしたり、反対に間にあわなかったりしないか、
長さは適当か、前回までに演奏した曲の感じと重なりすぎていないか、
そして発表会全体のまとまりとしてどうか・・・・・・etc.

あれこれ考えて選んだ曲を本人が喜んで取り組み
こちらが想像する以上の演奏を聴かせてくれたときは
こんなうれしいことはないな、と思う。

「猿の証言」

2006-02-09 | その他
北川歩美 作
これもかなり面白かった~。
チンパンジーについて「賢いサル」くらいの知識しかなかったので
色々勉強になったし、これからチンパンジーを見る目が変わりそう。

推理が二転三転するのでめまぐるしいけど
最後の「証言」はやはり衝撃的だった。

選曲

2006-02-09 | その他
夏に予定している生徒発表会の分と
自分のコンサートの選曲時期が重なって
山積みの楽譜に埋もれながら作業している。

生徒のほうは一応小6以上の子たちに選曲からかかわってもらっている。
「これを弾きたい」と具体的な曲を言って来る子もいれば
「わからん」「特にない」という返事の子もいる。

何年か前に最近のヒット曲も含めて希望をとったら
浜崎あゆみとか安室奈美恵とかポルノグラフティとか
そういうのがプログラムに並んだことがあったけど、
ピアノでは表現しにくいものや、弾きづらいわりに聴き栄えがしないものもあって
「弾きたい」気持ちは大事にしたいけど
アレンジの選び方などよく考えないと、と思った。

前回、すごくよく練習して早めに仕上げたのに、本番で最初からつまづき、
ずっと右手のメロディだけをなんとか最後まで弾いた子がいる。
そういう形にしろ、最後までよくやったと思ったし
この経験はきっと大きな力になる時が来ると思ったけど
彼女の心の傷は・・?とずいぶん心配していた。
でも今回、年賀状にも「今年はぜったいちゃんと弾きたい!」と書いてあったし
選曲にも意欲的で、本当にホッとした。
今回もこの道のりの中でみんなたくさん成長すると思う。





深夜に涙

2006-02-05 | その他
1時35分からNHKで平原綾香のライヴがあった。
うたた寝してしまって30分見過ごしてしまった。
その30分を地団太踏んで惜しく感じるくらい
ライヴはよかった。
深夜にひとり涙つつぅとなりながら聴いた。

ブレスについて語っているのもよかったなぁ。
クラシックではなるべくブレスの音をさせない訓練とかあるけど
「どんな」ブレスを聞かせるかも大事なんだと思った。
全部同じ「はっ」もおかしいし、無音というのもやっぱりおかしい。

先週だったか、これもNHKで徳永英明の
「こわれかけのラジオ」と「輝きながら」を聴いたけど
これもよかった。
きのうのもそうだけど、弦とか贅沢なバンドで
アレンジもいいと、うたのよさを何倍も引き立てる。
でも、それでも、うた自体がよくないとなんにもならない。


「オルファクトグラム」

2006-02-04 | その他
先週ヤマハで新しい楽譜をみつけて何冊か買ってきた。
ざっと譜読みを始めているんだけど
うたのことはまた後日。

昨日は息子が吐き気や頭痛で熱も上がってきたと
学校から連絡があったので迎えに行く。
体温は朝36度6分、昼37度6分、夜に38度6分と1度ずつ上がるので
これは明日まで待たない方がいいと8時まで開いている病院へ。
心配したインフルエンザは陰性でひとまずホッ。
夜中には39度5分まで上がったけど一日ひたすら休ませたら
順調に熱は下がり、夕方には36度6分。食欲も出てきた。
快復力がスゴイ。

「オルファクトグラム」は井上夢人作。
これは面白かった~。
においに関するお話は前から好きなんだよね。
ずっと前に読んだ原田宗典の「スメル男」も面白かった。
今回は自分がにおうのではなく
においが「見える」ようになる話。
読んでいる自分にもそのにおいが見えてくるかのような描写で
ホント楽しかった。


「家族狩り」

2006-02-01 | その他
天童荒太の作品。
これは正直気持ちのいい小説ではなかった。

ああゆう殺人にいたる理由は、かなり歪んだものだが理解できなくはない。
けれどそんなにも「酷い殺し方」をする理由はわからないままだった。

皮膚を少しずつ剥いでいったり
灯油をかけては少し焼き、すぐに消し、それを繰り返す。
とにかく「少しずつ殺す」という一番苦痛を与えるやりかた。
そういう殺人を実の子が犯しているようにみせかける。
実際は別の人間がしていて、その一部始終を子どもに見せ、
最後に子どもも自殺に見せかけ殺してしまう。

それでもこの酷い犯罪を犯す夫婦の言うセリフには、
考えさせられることが多かった。
特に「親はどんな天候(状態)の我が子にも『愛している』ことを
伝えねばならない。命にかえて我が子を守る愛情を示さなければ。
親にとっての晴れの日(『いい子』『やりやすい子』)のみを愛するから
家族の悲劇は起こる」・・というようなこと。