3D CG, CAD/CAM/3Dプリンタ な日常でつづる クルスの冒険ブログ

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3次元CADを、学ぼう

2008年08月21日 | □CAD/CAMな日々
 
時々涼しい日があると、とても助かるこの季節…
残暑の頃、皆さま如何お過ごしでしょうか?
 
今日はね、アフィリエイトを上に持って来た。この本は二回目だけれども。
そして、今日は完全に読者限定で書きますね。
 
CAD/CAM/CAE、PLM、NC工作機械、RP機器、3Dスキャナ…
いわゆる「設計・製造ソリューション展」に出展するような企業にお勤めの皆さま限定だ。日本の会社もガイシケーも共通ね。
 
デジタル匠の誕生~「ものづくり日本」を再生せよ~
岸 宣仁
小学館

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なぜこの本をしつこく紹介するか?というとですね…アフィリエイトで儲けるとかそんなんじゃなくて、
(こんなマイナーな内容のブログで、そもそも儲かるもんかぃ)
 
「みんな!買って読んでくれよぉ!」
 
と、思う本だからだ。
 
どうしてそう思うのか?というと…
 
<以下、同書籍からの引用>

日本のモノづくりは欧米製CADソフトに首根っこを押さえられている
 
 輸出入のアンバランスが100倍にも達する日本のソフト開発だが、匠のデジタル化にとって最も機軸になるCADソフトは、さらに目を覆うばかりの惨状を呈している。
 この分野のソフトは、先述の仏ダッソー・システムズと米ユニグラフィックス・ソリューションズ(UGS)の2社が世界市場を押さえてほぼ寡占状態にある。前者は世界的な軍事関連企業であるダッソー、後者のUGSもマクドネル・ダグラスを母体にしており、もともと軍需産業としての色彩が濃いソフトウェア会社である。
 日本の自動車産業もこれら2社のどちらかのソフトを採用してクルマづくりを進めているが、ITパワーはわれわれの想像を超えてはるかにすさまじい。

<引用終わり>
 
気付かない人は、全く気付かない。
 
でも、反応する人は、ピンとくるんじゃないだろうか?
 
…この本、書店に普通に置いてあるハードカバーっすよ。
出版社も小学館… メジャーだ。
 
そこに、だ、
 
“先述の仏ダッソー・システムズと米ユニグラフィックス・ソリューションズ(UGS)の2社が世界市場を押さえてほぼ寡占状態にある。”
 
とか、3次元CADの記述が普通に、そして豊富にされてるんだよ。
 
これって、スゴくないか?(スゴいと思わない人は、もういいよ)
 
考えてもみてほしい。3D CAD/CAMを本当に仕事として売って、それを専門としている人たち(ユーザじゃないよ)って…多分我が国に3万人も居ないはずだ。数千~1万人…まぁ、そんなものだろう。就業人口として、それだけだ。
 
たった!!!たったそれだけしか就業人口が居ない職業がどれだけマイナーでニッチなものか、考えたことがあるだろうか?
 
こんなにマイナーで、ニッチな仕事なのに、この本では 
 
我が国の製造業の今後を考える上で重要な要素だ、として実に真面目に記述してくれている。
 
で。
 
CADとかCAMとかを本当に生業としている皆さんからしてみたら、
 
「これ、古い話」 とか
「あー、この人知ってるよ」 とか
「…そんな訳ないよ、本当はねー…○×○×…」 とか、
 
いっくらでもツッコミ所はあるだろう(あぁ、そりゃあるだろうさ)。
 
だけどね、本ってそういうモンだ。
 
この著者は、CAD/CAMを生業にしているわけじゃない。 
 
でも、この本を書くための調査はとてもとても真摯なもので、正確だと思う。
 
ついこの前、とある銀行系シンクタンク的なお仕事のヒトと話した。
 
そのヒトは、製造業について色々と支援もしており、かなりの数にのぼる製造現場を歩いているのは間違いなかった。
 
そのヒトが言ったのだ。
 
「3次元とモノづくり企業の関係に、実感がわかない」
 
ホントにホントにそう言った!!!
 
もぅね、嫌になった。ちょっと涙が出そうになった。
 
この人、一体何を見てんだよ! ちゃんと見て来いよ!
 
とも、思った。
 
そして、またしても反省した。
 
その人が、あまりに観察眼に欠ける… とも言える。だけど…
 
世間様に語る言葉を、我々はあまりに持っていない…
 
こっちの方が、より深刻だ。
 
私たちが見てきた、今見ている、知っている、そして何より実際にできることを…
 
それらを、世間様に対して語る言葉を、私たちは持っていないんだ。
 
こんなんで、株価が上がるワケがねぇよ。
 
そう、思ったね(あー別にワタシのとこは上場してないけどさ)。
 
もぅね、3次元のツール(まぁ、CADとかCAMとかだ)を学ぶ時には、オペレーション(ソフトの操作)なんかと同じくらいの重要度で、
 
「このソフトウェアの本質・存在意義」
 
ってものを知らしめるべきなんだ。
 
ただ、あまりにそのための本や媒体が無さ過ぎる…
 
絶望的に、ない。
 
説明できる人も居ないだろう。試しに3D CAD/CAMのメーカーさんに聞いてみるといい。
 
「ところで、3Dってどうして必要なんですか?」
 
って。そこらへんの説明能力は呆れるほど落ちているはずだ(やってねぇからさ)。
 
そんな中にあって、この本の存在はなんてありがたいんだろう、と思った。
 
さぁ、読もう。
 
少なくとも、CAD/CAMでメシ食ってる人は、読むべきだ。
 
知識なんてのは、一瞬で古くなる。イカンことに古くなってる、ってことを意識することも、これはまた困難だったりする。
 
そして、広いと思っている手前の顔が、意外と狭いんだってことを知ることなんて、なかなかできない。
 
だから、間接体験(読書とかだ)を甘く見てはいけないんだよね。
 
でもね…
 
毎回々々同じことをしゃべり続けるのも疲れたりするから、ひとつ道具を買った。
 

 
これで、事務局の前でエンドレスにプレゼンテーションを流してやる(笑)
 
四六時中スライドショーをしてくれて2~3万なんだから、安いもんだ。
 
世間は広い。広いから、繰り返し繰り返し、繰り返し言うこと、
 
分かってもらうために、伝わるように努力すること、

怠らないように、努力し続けて行こうと思う。

こうすることでしか、世界は変わらない。…たぶん。
 

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
買いました (拓海)
2008-09-06 09:59:50
昨日、本購入しました。
月曜日の出張の新幹線の中で
読んでみます!
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おひさですー (クルスの冒険)
2008-09-07 00:55:49
拓海さん、

どもです、クルスの冒険です。
拓海さんだと、「あー知ってる知ってる」という事の多い内容だとは、思いますよ。むしろ、ツッコミ所も見つかる位でしょう。

ただ、本文にも書きましたが、こういった事を一般の報道の中、書籍の中で書いてもらえるのは非常に稀なので、とてもありがたいなぁ、と思っています。

出張のお帰りが東京駅の場合には、ぜひ秋葉原にお立ち寄りください~。
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