ざっきばやしはなあるき  

雑記林花或木 Since 2005-01-01 
美術とか映画とかなんとなくぶろぐ 

網膜剥離裂孔

2012-05-30 21:49:12 | Weblog
 目玉を動かすと蚊が飛んでいるような浮遊物を感じることがある。飛蚊症というやつだ。以前からあったけれど、ここ2週間くらいでなんとなく浮遊物が増えたような気がしていた。黒いヤツではなく透明な膜のようなヤツが目の動きに合わせてチラチラする。気になったので眼科に行ってみた。緑内障予防のための視野検査(光が見えたらボタンを押す)をしたあと、瞳孔を開く薬を点眼して眼底検査。すると眼底右上部を見た先生が、

 「あっ!もうまくはくりれっこうがありますね」

 「網膜剥離裂孔」は網膜に裂け目ができたり、はがれたりする状態。早期発見ならレーザー治療ができる。すぐに治療することにした。4年前に「網膜裂孔」のレーザー治療をしたことがあるので、だいたいの勝手はわかっている。右目だけ局部麻酔をしてレーザーではがれた周りを焼き付ける。ただその時に眼底を傘の先でつんつん叩かれたような鈍痛があって、ちょっとつらい。そんなこんなで治療は終わった。1週間したら術後確認に行く予定。
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トーマス・デマンド展

2012-05-28 22:51:42 | 美術[た]
「トーマス・デマンド展」@東京都現代美術館

 この人はフォトグラファーだが、写っているのは、厚紙を使って自作したほぼ実物大の模型、あるいはジオラマといったたぐいの立体物で、それを写真撮影したものを作品とする。その後、せっかく作った模型は壊してしまうという。もったいねぇおばけが出てきそうでマネできない。

 最初は、自作した作品を撮影しておくだけだったのが、いつのまにか逆転してしまい、写真そのものが作品になってしまったのだそうだ。

 写真に写っているものは、ちょっと見ただけでは単なる部屋の写真にしか見えないほど精巧にできている。厚紙で作ったものだと言われて、改めて目を凝らすと、なるほど確かに紙っぽい折れ目が見えたり、材質に違和感を感じたりすることになる。

 トーマス・デマンドが切り取った情景は、単なる景色ではなく、ニュースやYouTubeで流れた写真や映像などをモチーフとしている。たとえば311震災後の福島原発制御室であったり、嵐に襲われたクルーズ船の監視カメラの映像であったり、さまざまなエピソードとともに記憶に残るシーンが使われている。

 映像作品も4点展示されていて、それもやはり紙素材を使用した模型などをストップモーションで撮影したもので、違和感を感じたくて見入ってしまうような面白い作品となっている。

 手作りのフォトグラファーってかっこいいと思った。
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『MIB3』

2012-05-25 23:42:12 | 映画[ま]
『MIB3 メン・イン・ブラック3』

 エイリアン監視エージェントのJ(ウイル・スミス)とK(トミー・リー・ジョーンズ)がエイリアンを相手に地球の危機を救うべく戦ったりなんかしちゃったりするSFコメディ第3弾。今回は諸事情でタイムスリップまでしちゃうのだ。エイリアンにUFOとタイムスリップまで付けちゃったら鬼にうまい棒である。でもあんなタイムマシンができたら絶対使いたくはない。不思議な能力を持ったエイリアンは出てくるが、へんてこエイリアンの化け物感がやや薄れた感じもする。とはいえ前作同様の馬鹿馬鹿しさは相変わらず高濃度で含有していて、無駄に笑いたい人にはお薦めの映画だ。
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うちの神仏全員集合2012

2012-05-24 08:46:17 | 美術全般
 展覧会とかなんやかやで買った神仏フィギュアを並べてみた。たいして集まってはいない。常日頃から通りすがりの街角でガチャガチャやる人ならどんどん溜まっちゃうだろうが、残念なのが出ると悲しいので滅多矢鱈にはやらないし、コンプリートする気は毛頭ないので、弥勒菩薩が唯一の街頭ガチャなのだ。うちのどっかを探せば、修学旅行で行った時の金属性の小さな鎌倉大仏もいるはずだが、さてどこに行ったものか。

阿修羅 : 仏像マニアックス(イSム)
阿弥陀如来 : 牛久浄苑
誕生釈迦仏 : 東大寺大仏展(海洋堂)
多聞天 : リボルテックタケヤ
ガネーシャ : ナマステ・インディア
聖観音菩薩 : 鎌倉の土産物屋
ホルス神 : トリノ・エジプト展のボールペン
豊穣の神ハピ : 海のエジプト展のガチャ
弥勒菩薩 : ガチャ
なごみ地蔵 : 長谷寺
帝釈天騎象像 : 空海と密教美術展
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「庭をめぐれば」

2012-05-22 09:22:23 | 美術[な]
「開館10周年記念展 庭をめぐれば」@ヴァンジ彫刻庭園美術館

 静岡県長泉町のクレマチスの丘、ヴァンジ彫刻庭園美術館の開館10周年ということで、「庭」をテーマとした現代アートの展覧会を開催している。何が「庭」なのかわけわからん作品もあるが、クレマチスの咲き乱れる広い裏庭の真ん中に草間彌生の《明日咲く花》という立体がぽっこりと置いてある。

 須田悦弘のミニ木像作品は相変わらずうっかり見落としそうな場所にひっそりと展示されている。作品一覧を見ていないと98%見落とす。初めて行くような美術館では木彫りの雑草が展示されていても99%見落とす。あるいは存在に気づいても、最初からそういうものだと思ってしまう。直島ベネッセハウスで見た時がそうだった。館内のコンクリートの隙間に生えた雑草を見たが、違和感を覚えなかった。安藤忠雄の設計に含まれているものだと思ってしまった。


 草間彌生 《明日咲く花》


 ジュリアーノ・ヴァンジ 《壁をよじ登る男》 をひとまわりしてみた




「荒木経惟写真集展 アラーキー」@IZU PHOTO MUSEUM

 ヴァンジ彫刻庭園美術館の横にできたIZU PHOTO MUSEUMで荒木経惟の展覧会を開催中。これまでに400冊以上の写真集を製作してがっぽり稼いだ荒木のエロワイルドな写真集が展示され、MOVIEが流れ、大きなテーブルに置かれた写真集は手にとってページをめくることもできる。通常なら参考資料のような立場で隅っこに展示されている写真集が主役を務めるという珍しい雰囲気の展覧会。
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『バトルシップ』

2012-05-19 19:42:14 | 映画[は]
『バトルシップ』

 こともあろうに地球人は、自分の星がどこにあるのかを遠い宇宙に向けて知らせてしまった。その電波を傍受した宇宙人が巨大な宇宙船で舌舐めずりしながらやってきて地球人がえらいことになる映画。ストーリーの流れはよくあるエイリアンものと大した違いはなく、あれは何だ? 宇宙人だ! 攻撃してきたぞ! 地球のために戦おう! というパターン。そして宇宙人はとても太刀打ちできそうもない圧倒的な力で攻撃を仕掛けて来て、地球人を絶望のどん底に突き落とすのだ。しかしその圧倒的な強さはなぜか最後まで続かない。続いちゃったら映画が続かないから痛し痒しである。物凄いパワーで攻めてきたと思ったら、地上の大気に触れた途端死んじゃった宇宙人やら、コンピュータウイルスごときにやられちゃった宇宙人やらも過去にいたので、まぁ、だいたいの宇宙人は2時間持たないということはわかっている。浅野忠信も艦長ナガタとして目いっぱい出演している。ミズーリのシーンはクサいけれどかっこよかった。宇宙人好きな人と軍艦好きな人にお勧め映画。
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『テルマエ・ロマエ』

2012-05-16 21:28:17 | 映画[た]
『テルマエ・ロマエ』

 コミックは第一巻だけ買った。古代ローマ人が銭湯に出現とかいう話で、最初はハチャメチャギャグ漫画だと思っていたが、そうでもなく割と生真面目なコミックだった。映画ではその古代ローマ人ルシウスを阿部寛が演じている。そしてケイオニウスが北村一輝、濃ゆい日本人を無理矢理ローマ人に設定してしまう無茶ぶりが潔い。しかしハドリアヌス(市村正親)は、あれはホントにガイジンだ。これらの古代ガイジンを迎え撃つのが、上戸彩を大将とする、平たい顔族である。さまざまな風呂を舞台に繰り広げられる熾烈なバトル、なんていう話ではないが、適度に笑いを散りばめた楽しいコメディになっている。風呂に気を取られてつい忘れがちだが、これは古代と現代を行ったり来たりするタイムスリップ話だった。でも、タイムパラドックスとかパラレルワールドとか歴史が変わるとかいう難しいことは97%すっ飛ばして、タイムスリップした原因も深く追求しないで、肩までゆっくり浸かって、ただ風呂を楽しむように映画を楽しもう。
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空からの眺め ~大江戸八百八町~

2012-05-14 21:41:41 | 美術[さ]
「空からの眺め ~大江戸八百八町~」@浮世絵太田記念美術館

 ブラアキラでお馴染みの謎の学芸員アキラさんが解説する、浮世絵・空からの眺め。この展覧会企画もアキラさんの発案だそうで、きっかけは「空から日本を見てみよう・・・くもじぃじゃ!」が好きだったからというパクリ企画だそうで。とに~さんとの軽妙ゆるゆるな掛け合いも楽しめた。

 ちょっと前に話題になったスカイツリーが描いてある国芳の版画、似たような井戸掘りの櫓が描かれた浮世絵も続々。でも確かに国芳の櫓だけちょっと形態が違っている。

 鍬形斎の《日本名所の絵》はまさに「空から日本を見てみよう」そのものである鳥瞰図。見事にひねりあがった日本列島にそりゃもう小さな文字で市川、相模、沼津、下田、朝鮮などの名所や地名が書かれている。単眼鏡・双眼鏡必携。この絵に影響を受けた北斎が描いた中国全土の鳥瞰図《唐土名所之絵》こちらのほうが文字も大きめで読みやすいが、もうどうでもいいや。
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山種・根津・新美

2012-05-14 21:33:02 | 美術[あ]
「桜・さくら・SAKURA 2012 -美術館でお花見!-」@山種美術館

  恵比寿駅から途中で巨大なダビデを見ながら徒歩10分、山種美術館に到着。桜の季節は過ぎたけど、桜の絵の展覧会は5月20日まで。加山又造、石田武、橋本明治、松岡映丘、小茂田青樹、日本画のさくらがいっぱい。石田武《吉野》のさくらも綺麗、橋本明治の《朝陽桜》がいい感じだった。

「KORIN展」@根津美術館

 山種美術館を出たら大通りをそのまま北上15分、南青山七丁目の交差点を首都高をくぐって渡ると、岡本太郎記念館がある。さらに2分ほどで根津美術館に到着。尾形光琳の 国宝「燕子花図」とメトロポリタン美術館所蔵「八橋図」を100年ぶりに並べて展示。裏の庭園にはカキツバタの現物が花盛り。この展覧会も5月20日まで。

「大エルミタージュ美術館展 世紀の顔・西欧絵画の400年」@国立新美術館

 根津美術館を出たら目の前の通りをさらに北上、青山墓地を横切ると10分程度で国立新美術館が見えてくる。「美術館通り」なんて命名されているだけあって、交通費をかけずに美術館縦断するには便利な道。エルミタージュ展とセザンヌ展を同時開催しているので館内はにぎやか。

 エルミタージュは宗教画ばかりではなく、風景画、肖像画、20世紀近代画家までさまざまな作品が並んでいる。誰ひとり笑ってないパーティの絵とか、胸にナイフが刺さっているのに気付かないお姉さんの絵とか、ダ・ヴィンチ派の裸婦とか、ユベール・ロベールとか、マティスの《赤い部屋》とか。きれいな月明かりの港が描かれた作品は、クロード=ジョゼフ・ヴェルネ 《パレルモ港の入り口、月夜》
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マックス・エルンスト - フィギュア×スケープ

2012-05-06 11:17:36 | 美術[あ]
「マックス・エルンスト - フィギュア×スケープ」@横浜美術館

 フロッタージュやコラージュなどで妙なモノを描くエルンストの「像」と「風景」に的を絞った作品を約130点展示。フロッタージュは美術の授業とかでやったことがあるだろうが、石や木やいろいろなものの上に紙を置いて、鉛筆などでガァ~シガシガシガシガシと擦ってデコボコ模様を刷り出す技法。そういった方法で描かれた樹木や人や馬が、ぞりぞりした模様になっていてキモい。

 かと思えば、鳥やらわけわからん動物っぽいやつが、ちょこっとかわいく登場してたりする。でもトータルにはなんだかわからないモノが多い。幼いころにオウムの死と、妹の誕生を、因果関係で結びつけてしまったという、エルンストの脳の中から湧き出てきた不思議ワールド。前期・後期で展示替えあり。

 むかしテート・ギャラリーで「セレベス」を見た時はゾクゾクした。それは教科書や図書室でよく見ていた作品だったが、この異様な物体はなんなのさ? その隣にはダリの「ナルシスの変貌」が並んでいたんだからなおさらゾクゾクダブルマックスしたわけだ。で、川崎市民ミュージアムのトーマス転炉を初めて見た時は「あっセレベスだ」と思った。今回の展覧会でゾクゾクするかどうかはあなた次第です。


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