ざっきばやしはなあるき  

雑記林花或木 Since 2005-01-01 
美術とか映画とかなんとなくぶろぐ 

ヴィンタートゥール展

2010-08-30 00:00:38 | 美術[あ]
「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール
 スイス発―知られざるヨーロピアン・モダンの殿堂」@世田谷美術館


 ヴィンタートゥールというスイスの小都市にある美術館。スイス第4の規模を誇る近代美術コレクションから、美術館の改修工事に伴う巡回のため、日本初公開90点を出品。ゴッホ、モネ、ルノワール、ピカソ、ルソー、クレーなどの珍しい作品も展示している。ヴラマンクやユトリロも1点ずつ出ていたが、今回はいまいちだったかな。

 写真は、フェルディナント・ホードラー《自画像》 多彩に塗り込んである顔面の物体感が凄い。ところでこの人は誰かに似ているのだが・・・誰だっけ?

 この展覧会は神戸、長崎に巡回予定


 同時開催の「ミュージアム コレクション展 建畠覚造―アトリエの時間」は、面白い抽象彫刻作品が立ち並び、意外にハマる。

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浮世絵動物園

2010-08-22 21:35:40 | 美術[あ]
「浮世絵動物園」@浮世絵太田記念美術館

 浮世絵にはさまざまな動物が描かれていることが多い。遊女と戯れるネコやら、道端でうろちょろしているイヌ、勇ましいウマ、空を舞うツルや小鳥などはごく普通で、かわいいものだ。「バスカヴィル家の犬」みたいな怪しげな子犬のタイトルが《狆(ちん)》。江戸時代は子犬を総称して狆と呼んだらしい。だからチワワでもポメラニアンでもチンなのだ。チャウチャウの子供もチンなのだ。シベリアンハスキーの子供もチンなのだ。チンの子供はチンチンなのだ←ちが~ぅ

 中には、黒い斑点のヒョウを描いて《トラ》というタイトルをつけてしまったり、ヒクイドリを描いて《ダチョウ》と名付けてしまったりと、勘違いしているものや、半分想像で描いているので、やたら違和感のあるクジラがいたり、空高く跳びあがる恐ろしく違和感のある恐ろしいワニがいたりして、ちょっと不思議な雰囲気のものもある。

 しかし浮世絵には駄洒落や縁起担ぎが付きもので、チャントシタチンやコワイワニでは済まなくなる。すると擬人化された妙ちきりんな生き物が登場する漫画風な絵もたくさん出てくる。タコが刀を振り回したり、スズメの遊郭が賑わっていたり、サルとウサギが相撲を取ったり、鳥獣戯画の世界だ。

 ここまで来ると、実在する動物では飽き足らず、事態はますますヤバイ方向へと向かい始める。そして化け猫、カッパ、巨大ガマ etc・・・とうとう化け物絵になってしまった。《蝦蟇手本ひゃうきんぐら》・・・がまでほんひょうきんぐらって駄洒落じゃんか。 《百種怪談妖物双六》・・・ばけものすごろく、あがりは化け猫、う~ん、ちょっと欲しいかな。

 今回の展示でいちばん好きなのが《家内安全ヲ守十二支之図》・・・12種類の動物の一部分を組み合わせて、世にも困った謎の動物を作り上げてしまった。もちろん、おめでたい象徴としての逸品だが、鶴は千年、亀は万年、金は百歳、銀も百歳とかいろいろある中でも、ずば抜けておめでたい、描いた歌川芳虎もおめでたい人だ。なにもネズミの顔にしなくてもいいではないか。もっとかっちょいい顔もあるだるさ。ヘビの尻尾も困ったものだが、ヘビは尻尾にでも使わないと、もっとおぞましい結果にもなりかねないのでOKとしよう。龍なんて身体使ってないし、サルは赤い尻くらいにして、後足は立派なウマとかさ。せっかく鳥なんだから、トサカじゃなくて羽根生やせばいいのに、空も飛べるはず♪
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没後25年 鴨居玲展

2010-08-22 00:25:56 | 美術[か]
「没後25年  鴨居玲 終わらない旅」@そごう美術館

 2か月前には鴨居羊子の前衛下着展を見たが、今度はその弟、鴨居玲の絵画展に行ってみた。鴨居玲の作品はほとんど知らなかったけど、鴨居玲好きな知り合いの日記で「観てはいけない絵」というお勧めもあって ←お勧めじゃなくて、見るなって言ってるようだが・・・

 《私の村の酔っぱらい》なんていう絵が8点もある。そのどれも赤くて黒くて100年風呂に入ってないような顔をしている。酔っぱらいのくせに歯が痛い奴もいる。酔っ払っているのか痛がっているのか、もはやわからない。

 《静止した刻》、《かるた》などは、サイコロやトランプが空中に浮かんでいる瞬間を描いた、とても面白い構図なのだが、サイコロやトランプで遊んでいる人々の表情が、なんともいえない奇妙な雰囲気を醸し出している。抜群の胡散臭さ。

 いろいろな作品に描かれている人物描写の異様さは、好きな人なら病みつきになるのかもしれないが、私は病の床につきそうだった。もし手に入れても部屋に飾りたくない絵がズラリと並んでいる展覧会だった。
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束芋 「ててて」

2010-08-14 21:32:05 | 美術[た]
束芋 「ててて」@ギャラリー小柳


 アーティストブック『惡人』出版記念 & 第54回 ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館出展決定記念という個展を銀座のギャラリー小柳で9/11までやっている。

 毛髪を使ったミクストメディア作品や妖しくエグそうなドローイング作品、アーティストブック『惡人』などが展示されている。また、原美術館で半分外側上映された『ギニョラマ』が、再構成されて屋内作品として上映されている。

 『惡人』の文庫版絵本が売っていたので買ってきた。朝日新聞に連載された「悪人」の全挿絵が、あの浮世絵カラーで300ページくらい、こんもり入っている。そして吉田修一著「悪人」から引用した短いフレーズが挿絵のあちこちに差しこまれていて、絵本のような雰囲気を醸し出している。束芋ファンにお薦めの逸品。持っているだけで病みそうだ。
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ぐるっとパス2010

2010-08-01 22:13:21 | 美術全般
ぐるっとパス2010収支報告

01. 三鷹市美術ギャラリー【ミュシャ展】(¥800 → ¥0)
02. 井の頭自然文化園(¥400 → ¥0)
03. 武蔵野市立吉祥寺美術館(¥100 → ¥0)
04. 町田国際版画美術館【挿絵本の世界】 (¥800 → ¥0)
05. ブリジストン美術館【印象派はお好きですか】(¥800 → ¥0)
06. 日本科学未来館【ドラエもんの科学みらい展と常設展】(¥1300 → ¥1000)
07. 船の科学館(¥700 → ¥0)
08. 東京都庭園美術館【ロトチェンコ&ステパーノワ展】(¥1000 → ¥0)
09. 石洞美術館(¥500 → ¥0)
10. 北区飛鳥山博物館(¥300 → ¥0)
11. 紙の博物館(¥300 → ¥0)
12. 恩賜上野動物園(¥600 → ¥0)
13. 台東区立下町風俗資料館(¥300 → ¥0)
14. 三井記念美術館【奈良の古寺と仏像~会津八一のうたにのせて】(¥1200 → ¥0)
15. 損保ジャパン東郷青児美術館【トリックアートの世界展】(¥1000 → ¥800)
16. 江東区深川江戸資料館(¥300 → ¥0)
17. 東京オペラシティアートギャラリー【アントワープ王立美術館展】(¥1000 → ¥0)
18. 泉屋博古館分館【近代日本画に見る東西画壇】(¥520 → ¥0)
19. 大倉集古館【ピュアランドを求めて~ 欣求浄土】(¥800 → ¥0)
20. ニューオータニ美術館【友永詔三 木彫の乙女たち】(¥500 → ¥0)
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ぐるっとパス購入額¥ 2000
トータル回収金額 ¥11420
差し引き金額     ¥ 9420+


 この2か月間、ぐるっとパス消化月間で、やたらあちこち出没してきた。2006年には25件廻って14180円回収したが、今回はそこまではいかなかった。

 今回初めて行った所は、三鷹市美術ギャラリー、井の頭自然文化園、武蔵野市立吉祥寺美術館、石洞美術館、北区飛鳥山博物館、紙の博物館、江東区深川江戸資料館と、7か所あった。

 井の頭自然文化園では北村西望の彫刻園が印象深かった。江東区深川江戸資料館はMOTに行くたびに通るので気になっていた。日本科学未来館は常設展示がたくさんあって面白い。

 今回はトリックアートの世界展とミュシャ展の日程に合わせてパスを買った。1000円程度の所に2箇所行く予定があれば元が取れるので、買う前にどことどこに行きたいか調べておけば、いいタイミングで買えるだろう。あまり興味の無い展覧会が目白押し(←っていうのか?)の時に買うと元を取り損なったりするかも。
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