そもそも論者の放言

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『クリエイティブ・マインドセット』 トム・ケリー&デイヴィッド・ケリー

2014-10-12 22:30:52 | Books
クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法
トム・ケリー、デイヴィッド・ケリー
日経BP社


Kindle版にて読了。

本書の著者、デイヴィッドとトムのケリー兄弟は、かつてアップルの初代コンピューターのマウスもデザインしたというデザイン・ファーム「IDEO」の創設者と共同経営者。
多くの人々(特に日本人)は自分自身にクリエイティビティが備わっていないと思い込んでいるが、創造力に対する自信(Criative Confidence)を身につける(取り戻す)ことさえできれば、誰でもクリエイティブになれると言い切っている。
大事なのは、アイデアを生み出すために行動を起こすこと、生み出したアイデアを実行に移す勇気。

人に会い、デザイン指向で考え、プロトタイプを作って多くの人に意見を求める。
人の助けを求めることを厭わず、新鮮な思考を保つために常に新しい情報源を探し、アイデアが生み出される場面に多く触れる。

そう、行動することだ。
そんなことはよく分かっている。
が、それがなかなかできない。

スターウォーズのヨーダの言葉が紹介されている。
「やるかやらないかだ 。〝やってみる 〟などない 」

行動や思考を変えるための簡単なテクニックやコツも紹介されている。
印象に残ったものを列挙しておこう。

質問に命を吹き込むための方法の一つは 、遊び心を加えるというもの 。単に「なぜこの本がそんなに好きなの?」と聞く代わりに、「この本を読むよう友だちを説得するとしたら、何て言う? 」と聞き 、質問をゲ ームに変える 。

問題の枠組みをとらえ直すテクニック
・明白な解決策から離れる 。
・焦点や視点を変える 。
・真の問題を突き止める 。
・抵抗や心理的な否定を避ける方法を探す 。
・逆を考える。

「バグ・リスト」(問題点のリスト)を作れば、創造性を活かす機会がもっと見つかるようになる 。

すばらしいものを作りたければ 、まず作りはじめなければならない。創造プロセスの初期の段階では、完璧主義が邪魔になることもある。だから、計画段階で立ち止まってはいけない 。自分の中にいる完璧主義者に足を引っ張られてはだめだ。必要以上の計画、先延ばし、おしゃべりはみな、自分が恐れているというサイン、つまり心の準備が整っていないというサインだ。本格的に努力したり何かをほかの人に見せたりする前に、何もかも〝完璧〟にしたいと思っているのだ。そうなると、行動せずにもう少し様子を見ようと思うようになる 。

みんなからの支持を得て、新しいことを始めたいなら、変革を実験として位置づけ直してみよう、ということだ。もちろん、失敗する実験もあるだろう(だからこそ「試行錯誤」というわけだ ) 。だが、実験の多くは、実験と呼ばれることで心理的なハ ードルが下がり、成功率が高まるだろう 。

自社のイノベ ーション文化 ─ ─を向上させる 5つのコツ
●ユーモアのセンスを忘れない。
●ほかの人のエネルギーを活用する。
●上下関係をなるべくなくす。
●チームの仲間意識や信頼を重視する。
●評価を(少なくとも一時的に)後回しにする。

ネガティブな会話パターンに代わる表現として、「どうすれば ~できるだろうか?」(How might we . . . 、直訳すると「私たちはどのように~しうるだろうか? )という言葉を使ってみる。

思いつくアイデアの関係性を線で結ぶ「マインドマップ」を描いてみる。


ピカピカにクリエイティブなアイデアがいきなり浮かんでくるような神業があるわけではない。
とにかく、考え、行動すること。
それを繰り返していくうちに少しずつ自信が生まれ、それがまた前に進む原動力となる。
そのうちに(それをやらない)他人との差ができていく。
そういうことなのでしょう。

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