そもそも論者の放言

ミもフタもない世間話とメモランダム

復刻・GDPギャップの話

2010-06-07 23:18:10 | Economics
菅新首相の経済政策ブレーンと言われている小野義康・阪大教授、数日前の日経新聞にインタビュー記事が出ていましたが、不況時に供給側に対策を打っても効果が無い、増税して政府が雇用を創るべし、と確かに菅サンが言ってるのと同じことを語っていました。

不況時に供給側の云々…という話に関連して、池田信夫氏が以前ブログにエントリしていたのを思い出し、掘り出してみたので備忘を兼ねてリンクしておきます。

構造改革はGDPギャップを拡大するか(池田信夫blog)

「不況で構造改革をして生産性を上げると、供給が増えてGDPギャップが拡大する」のは誤りだという内容ですが、この記事はどっちかというとGDPギャップの定義に対する誤解を正しているだけのようにも読めます。

より詳しく説明されているのは、一年以上前の記事ですが、アゴラの以下エントリ。
こっちを合わせて読むと少し理解が深まる気がします。

「GDPギャップ」の過信は危険だ-池田信夫(アゴラ)

TFP(全要素生産性)が下がると、潜在GDPも実質GDPもどちらも下がる。
一方で、TFPは実測できない値なので過去のトレンドからの慣性が働きがちである。
したがって、不況期には潜在GDPが過大評価され、ひいてはGDPギャップも課題に見積もられるために、それを埋めようと財政出動すると無駄遣いになる。
…といった感じでしょうか。

このへんは経済学的に正しいのかどうかはあずかり知らぬのですが、アゴラの記事の後半にある「長期の問題と短期の問題を区別して考えるべき」という話は分かります(ただ、これが前段のGDPギャップの話とどう繋がるのかはイマイチわかりづらい)。
菅氏あるいは小野氏の主張するように、政府が増税して無理矢理仕事を作ったところで、それで日本経済の潜在能力が高まるというのは感覚的にも全く信じ難い気がします。
コメント
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