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東芝(TOSHIBA) 「かなりやFS」 5UL-548
昭和29年(1954年)から40年(1965年)頃までの約10年間に約30種類以上製造された「かなりやシリーズ」中期の機種である。
かなりやシリーズの機種名は、発売された順番に中波専用機には『かなりやA』 『かなりやB』・・・といった1文字のアルファベットを、中波/短波2バンド機は『かなりやAS』 『かなりやBS』・・・といった2文字のアルファベットを付加し、リリースしている。
メーカー:東京芝浦電気(TOSHIBA)『かなりやFS 5UL-548』
サイズ : 高さ(約13.5cm)×幅(約28cm)×奥行き(約12cm)
受信周波数 : 中波 530KC~1650KC/短波 3.9MC~12MC
使用真空管 :12BE6(周波数変換)、12BA6(中間周波数増幅)、12AV6(検波&低周波増幅)、30A5(電力増幅)、35W4(整流)
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東芝(TOSHIBA) 「かなりやFS」 キャビネット内部
オークションで落札後、届いた段ボールを開梱しまず外観からチェックを開始した。
キャビネット、裏蓋、フロント透明パネルのいずれも経年による汚れはあるものの酷いダメージは無く、40数年前のラジオとしては比較的キレイである。
裏蓋を開けると、キャビネット内にはクモの巣、シャーシやバリコンには40年間の埃が堆積している。
通常は底板にある取付けネジまたはキャビネット内のネジを外してシャーシーを取り出すのだが、この機種はシャーシー上の部品とキャビネットの隙間の一番奥にナットで固定してあるため、ナット用ドライバーが必要である。またいつものことながらイヤホンジャックの取り外しには苦労する。
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取り出したシャーシーには埃が堆積している
やっとの思いでキャビネットからシャーシーを取り外したが、シャーシー上の部品、シャーシー内部に年代相応の埃が溜まっていたため、刷毛とダスト除去用エアースプレーを使い埃を除去したあと、エレクトロニクスクリーナーで洗浄すると、新品に近い輝きをとり戻した。
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マジックリンで洗浄したら・・・トホホな結果に・・
今回はキャビネットをマジックリンを使い洗浄したところ、フロントパネルの塗装が一部剥げ落ちてしまい大いに焦ったが、プラモデル用ラッカー塗料を吹きつけ無事修復できた。 (ホッ・・・・)
諸先輩方のホームページにも「マジックリン洗浄を行なうときは、塗装の剥離に十分注意し・・・」と警告されています。
『皆さ~ん、マジックリンを使った洗浄は慎重に行なってくださ~い!』
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シャーシー内部を点検
シャーシー内部を目視点検。若干埃が溜まってるものの修理された形跡はない。
ACプラグ、OPTの導通などを確認し、通電してみた。何度行なっても緊張する一瞬だ。
PLが点灯し、真空管のヒーターが灯ると音が流れ始めた。おもむろにチューニングダイヤルを回し受信を確認する。 オォ・・・感度も良好、アンテナ線を延ばさなくてもたくさんの放送局が受信できる!! バーアンテナを内蔵していない機種でこれだけ受信できればIFTやトラッキングの調整も必要ない。
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友人に借りたソケットレンチはホント便利!
ただボリュームを最小値にしても音を絞りきれず、かなり大きな音がするため、ボリュームを取り外し交換した。ガリ音も無く、リニアに音量調整できると心なしか音質も改善された気になってくる。
またパイロットランプのソケット部分が金属でシャーシーに取り付けられている。ほんの数ミリの部分に100Vを超える電圧が流れており、案の定試験中にちょっとしたはずみでショートしてしまった。
金属製ソケットを取り外し、サトーパーツのS-4110を装着したところPLショートの不安を完全に解消することができた。
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レストアを完了した東芝(TOSHIBA) 「かなりやFS」 5UL-548
各チェックポイントの電圧、電流も問題ないため、今回はペーパーコンデンサの交換も行なわずオリジナルのまま保存することにした。
しばらくテストした後、シャーシをキャビネットへ組み込み、ボリュームシャフトにツマミを差し込む際に、またまたツマミを1個破損させてしまった。最後の段階でこういった下手を打ってしまう自分の詰めの甘さに自己嫌悪・・・・かなりやOSの修復時にも同様の事故をおこしましたが、二度あることは三度ある。
割れた部分を掻き集めアロンアルファにて接着・修復し事無きを得たが、大いに反省した次第である。
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Voice of America 50周年記念ベリカード
レストアを完了したかなりやFSのバンドをSW(短波)に切り替え、チューニング・ツマミを回していると、雑音を押しのけて「アルプス一万尺」の軽快な演奏が聞こえてきた。
アメリカ合衆国政府が公式に運営する国営短波ラジオ放送局VOA(Voice of America:アメリカの声放送)のインターバルシグナル、『Yankee Doodle』である。
16世紀、マンハッタンを中心としたオランダのニューネザーランド植民地における小作農達によって、小麦などの収穫時に「Yankee Doodle」のルーツとなる曲が口ずさまれていたときく。
ニューアムステルダムは1664年にイギリス軍によって占領されると、ニューヨークと改称され、オランダはアメリカ新大陸における植民地争いから脱落することとなった。
「Yankee」と「Doodle」の部分については、ヨーロッパでの海上貿易や当時の北米殖民地化競争なと様々な点で何かと争いの絶えなかったイギリス人を「まぬけなイギリス野郎」と揶揄(やゆ)する意味があるようです。
ちなみに「Yankee Doodle」のメロディーには、確認されているだけでも190以上の様々な歌詞が付けられていると言われています。
一方日本では、「アルプス1万尺」として慣れ親しまれ、その替え歌というのは伝統的に
アルプス1万尺♪ 小槍の上で ⇒汽車の窓から♪ ○ンチ○出して
アルペン踊りを 踊りましょう♪ヘイ! ⇒汽車賃出したと 大威張り♪ヘイ!
だと思っていたのですが、先日の飲み会で披露したら、その場からつまみ出されそうな雰囲気になってしまいました。