昭和三丁目の真空管ラジオ カフェ

昭和30年代の真空管ラジオを紹介。
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往年の名盤を紙ジャケCDで聞く

2007-01-05 | 三流オトコの二流品図鑑
男の『超』一流品図鑑 (番外編①)  街のCDショップを覗くと、ここ1~2年の間に、ビニール袋に入った2,000円前後のプラケースに入ってない廉価なCDを見かけることが増えた。かつてLP盤レコードとしてヒットしたレーベルを当時のデザインのまま、CDサイズに復刻したものであり、紙製のジャケットに入れて販売していることから「紙ジャケット(CD)」もしくはさらに短縮して「紙ジャケ(CD)」と呼ばれる。
LP盤のジャケットは一辺が31cmの正方形だが、これをCDのサイズに合わせて縮小して製造し、縦・横ともに13.5cmと一般的なCDよりもやや大きいサイズになる。

          

 よく見かけるのは、サンタナ、ボストン、ピンク・フロイドなど往年の欧米ロックやソニー・ロリンズ、マイルス・デイビスなどのジャズも多く、吉田拓郎など日本のフォークソングや昭和のアイドルが歌う歌謡曲(私語!:笑)も増えてきた。

 このブログにも忘れかけた頃にコメントをくれる、お坊ちゃま氏も最近、この紙ジャケを買い漁っているそうだ。
不労所得で生活できるリッチな彼は、金にモノを言わせキャバクラ通いと紙ジャケ集めが高じ、アキュフェーズのプリメインアンプE-308、SACD対応CDプレーヤーDCD1650AE、JBL4316Mをポンっと50万で購入。
(店長は5千円のラジオでブツブツ言ってるのに・・・)

          

 氏の豪邸のプレイ・ルームには、フェンダー U.S.A.エリッククラプトン・モデル、通称“ブラッキー”やギブソンのレスポールが居並び、時価十数万のイタリア製革張りリクライニングチェアにふんぞり返り、紙ジャケを眺めながら自分の時間をまったり過ごす、羨ましい限りのお大尽様である。
(こう書くと何だか貧坊っちゃまの店長が、すげぇ~ジェラシってるようで嫌なんですけど、ホントの話・・・笑)

          
          キャバ嬢と お坊ちゃま氏

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 紙ジャケCDの人気の理由を考えると、次の3つに大別できそうだ。

まず第1は、消費者の「懐古趣味」
 80年代にCDが誕生するまでの’60~’70年代は、今と比べて趣味の選択肢が乏しく、音楽に夢中になる若者が多かった。レコードそのものへの「憧れ」や「特別な価値」が確かにあった。その彼らが「懐かしい」と手を伸ばしていることは間違いないのだが、紙ジャケットCDの購買層に多い年代はなぜか30~40代らしい。不思議と同時代的に聴いていた年齢層よりやや若い。
音質面においてはほとんどのCDが紙ジャケ化に際してリマスターを施されている。しかも時代的に20bit、24bitといったハイビットリマスターが主流だ。 多くの方式がLP同等かそれ以上の音質になってきており、(オイオイ昔のCDはLPより音悪かったのか?)ジャケットともどもLPのリプレースに最適である。 レコード会社各社とも、このリマスタリング方式には独自の努力を続けており、 この方式の違いを楽しむこともできる(わかんないって)。

          
          DSDマスタリングで見事に甦るジェフ・ベックの名盤

第2の理由は、日本人の「箱庭的趣味」
 各社から発売される紙ジャケの復刻精度は上がる一方で、ジャケットにとどまらず、帯やラベル、同梱されるライナーノーツまで当時のままを縮小して復刻される。ダブルジャケットや仕掛けジャケットなどもLP同様に再現されることが多く、これも楽しみの一つである。食玩の収集ブームと似た消費者の嗜好がありそうだ。
また紙ジャケはプラケースと異なり厚みが薄く、圧倒的に収納能力が高い。通常プラケースのCD1枚の幅で、シングルジャケットの紙ジャケなら3枚 (もしくはダブルジャケットの紙ジャケ+シングル1枚ずつ、って当たり前か・・・笑)並べられる。これは家屋のせまい日本人にとっては大変素晴らしいことである。

          
          SANTANA・ロータスの伝説 22面ジャケット

そして第3の理由が「投機的趣味」
 低価格で販売するために売り切り方式を採用し、1タイトルあたり3,000~5,000枚程度しか製造しないため、品薄感が出て、オークションでの転売の購入層も少なからずいるようだ。1969年に発表されたジェスロ・タル二枚目のアルバム、「スタンド・アップ」のジャケットだが、写真を見れば一目瞭然、アルバムタイトル通り、ジャケットを開くとメンバーの四人が文字通り「スタンド・アップ」するのである。再販にもかかわらずプレミアがついた紙ジャケの一つである。

          

 これだけたくさんの紙ジャケが出てくると、珍しさやなつかしさ、「限定」の二文字に釣られて うっかり買ってしまっていてはキリがない。 だから買うときの注意を少々。
所謂、世間的に名盤といわれているものほど 早めになくなっていく。 まず名盤であるかどうか考えよう! (そうでなければあわてて買わなくても売れ残っている)。
 あと自分の好きなものかどうか、もう一度自問してみよう!(これは紙ジャケに限らないス) もし買おうと思っている紙ジャケの、LPもCDも持っているなら、 ちょっと考え直してみよう。 このLPとCDの両方を持っているなら紙ジャケは不要。(CD聴きながらLPを眺めていればいいのだ)

          

 紙ジャケは所詮ミニLPなので、本物のLPにはかなわない。もちろんLP・CDを売っぱらう気があるなら別である。(でもこういうのに限って愛聴盤ってやつでさ、結局LP・CD・紙ジャケと揃ってしまうんだよな。 えっ、CDはもういらないだろうって? いやボーナストラックが紙ジャケに入ってなくて・・・・)

 今や音楽は、中古CDショップで売買したり、個人的にCD-Rにコピーしたり、パソコンや携帯電話を使って簡単に配信されるなど、ぞんざいに扱われる時代だ。そんな中、リアルタイムでレコードを聴いていた世代より若干若い年齢層に「紙ジャケ」ブームが起きているのは、「対価を支払ってモノを手に入れる」という消費者の喜びが少なくなった昨今の潮流へのアンチテーゼとして、店長的には大いに歓迎したいトレンドである。

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2 コメント

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はじめてみました。 (くらげ)
2007-01-07 19:20:54
紙ジャケットってはじめてみました。
おしゃれですよねー。場所もとらないしいいですねぇ。
でも、中のCDジャケットもLP版のデザインだったら面白いですねー
LPみたいだけど、CDみたいな。
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はじめまして☆ (yu-)
2007-01-09 20:45:54
>くらげさん

はじめまして。
こんなカフェにようこそおいでいただき、ありがとうございます。
私も紙ジャケットってはじめて見ました。
LPみたいだけど、CDみたいなデザインってかわいいですね☆ 
ご来店いただく方は、いい人ばかりです。お気軽にお立ち寄りください。
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