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映画・舞台の感想や俳優さん情報等。基本各種メディア込みのレ・ミゼラブル廃。近頃は「ただの日記」多し。

『センゴク天正記』11

2011-08-05 23:34:04 | 歴史雑談・感想
センゴク天正記(11) (ヤングマガジンコミックス)
宮下 英樹
講談社



今日は久しぶりに夏らしい晴天となりました。

さて、これまた久々に、このシリーズを取り上げます。本日発売、宮下英樹さんの「センゴク天正記』(11)です。
秀吉の播州攻めも大詰めを迎え、要となる上津城主、井上一蓮坊への権兵衛(仙石秀久)の調略は成功するか?

主人公ゴンベエから見てのストーリー、また歴史の流れではそれが中心となりますが、11巻の主眼は実はそこではなく、このたびの表紙の人、竹中半兵衛の最期を描くことにあるのです。
この巻では、初めから終わりまで、秀吉と半兵衛がこれまで築いてきた友情、半兵衛が秀吉に託した夢、そして悲しい別れまでが丁寧に、とても繊細に綴られて行きます。
半兵衛さんの「死」それ自体の場面は出て来ません。その後も一軍の大将として気丈に振る舞っていた秀吉が、長年彼らの側にいた権兵衛が戻って来て、やっと泣くことが出来た──その展開に、こちらも思わず貰い泣きしてしまいました。
武士も大名も嫌い、民衆も嫌い、人間が嫌い。そう言って引きこもっていた半兵衛さんに、「不合理の塊」である人間の面白さを教え、生きることの意味を伝えてくれたのが秀吉ならぬ「籐吉郎さん」でした。
そんな半兵衛さんを、ずっと「家来じゃない。友人(ダチ)だ」と言ってた籐吉郎。そして秀吉はこの後、半兵衛さんの夢みた理想の国──合戦(いくさ)のない平和で安定した「惣無事の国」を実現すべく、天下統一を目指すこととなるのでしょう。
彼らがどれほど互いを大切な存在と思っていたか、それが胸に迫って、涙なくしては読めませんでした。

──有難う 人を好きになったは 籐吉郎さんのおかげです──


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