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高橋冨士信 fj鷹@gmail.com

次世代Snapdragon 820のAutomotiveの王手は厳しいのでは?

2016年06月21日 | GNSS/QZSS情報
[余計なお世話ですが「Automotive」と「王手」は慣れない親父ギャグのつもりでした]

ASUSは、現在のZenfone2のインテルのSoC(System on Chip∋CPU)から、この秋にも発売される次世代のZenfone3ではSoC(System on Chip∋CPU)も次世代Snapdragon 820に変更する。
Snapdragon 820で使用される予定のLocationチップは:
https://www.qualcomm.com/products/snapdragon/processors/820
の中の記述によれば
Qualcomm® IZat™ Gen8C
とだけ書かれている。

一方の移動体向けと思われる次世代のSnapdragon™ 820 Automotive processorは
https://www.qualcomm.com/products/snapdragon/processors/820-automotive
の仕様によると
Location:
Qualcomm® IZat™ Gen8C
GPS, Glonass, BDS, Galileo
SBAS & QZSS
Dead Reckoning
と追加表現になっている。

Qaulcommの戦略はスマホなどスマートデバイスでのナビ用はIZat™ Gen8CによるGPS, Glonass, BDS, Galileoと欧州ガリレオまでカバーするとして、QZSS対応はお休みとし、

移動体向けには820 Automotive processorを積極投入して、スマホに続いてのQualCommのSoCシェア拡大を、次世代カーナビや高速鉄道、航空機や衛星搭載用まで、SBAS & QZSS Dead Reckoning(自律航法)も含めて提供しようということなっているようだ。

特にスマホにおけるSoCの圧倒的シェアをキープするにはガリレオは必要だが、QZSSは不要と判断したこととなる。そして、これからシェア拡大のため攻めこむ対象である移動体分野用SoCにはSBAS & QZSSを含めて行こうということであろう。

確かに優れた戦術判断ではある。現状、日本国内的にはスマホでの受信衛星種別を気にする状況は、内閣府の公式QZSSページを除いては、このブログぐらいなものであり、一方、欧州市場のスマホではガリレオは必須である。わが国ユーザは軽く見られたものではあるが。

わが国が得意とする移動体関係の残された分野に食い込む姿勢が明確に現れたと思われる。QualcommのスマホSoC制覇にはGoogleとの緊密な連携が基盤にあったはずであり、Googleは見事な自動運転AI活用の実績があるので、移動体向けに次の激しい闘いが待っているといえよう。

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