南十字星からアジアQZSS(日)/IGSO(中・印)を眺める

グローカルイースト視点
アジアQZS/IGSO軌道モニタ
高橋冨士信 fj鷹@gmail.com

2024.1.11 NHK フロンティア 「中国・アメリカ 月への夢」

2024年01月11日 | 中国嫦娥5号の月面への挑戦
昨夜録画しておいた以下のNHK BS1の番組を見ました,
https://www.nhk.jp/p/frontiers/ts/PM34JL2L14/episode/te/8MKQ1N85R5/
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中国・アメリカ 月への夢 2024年1月10日 NHK BS1

1960年代から世界の宇宙開発をリードしてきたアメリカ。21世紀に入ってから急激に伸びてきた中国。今、2つの大国が目指しているのは月だ。一体月には何があるのか?
両国が次に着陸を狙っているのは月の南極。そこには氷が大量に眠っていると考えられている。氷を水に変え飲料水や植物の栽培に活用。さらには水素と酸素に変え、ロケットや機械の燃料に。月面に基地を作り、資源の採掘を目指しているという。両国のフロンティアに立つ人物にインタビューし、目指しているものは何かを明らかにしていく。
(C)CNSA/CLEP
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あまり期待せずに見始めましたが,中国の嫦娥月ロケット計画について,かなり詳しく紹介してくれました.
そもそも嫦娥(じょうが)という名称が,米国の半世紀!前のアポロ計画での,月面活動中の米国宇宙飛行士とNASAとの会話中に話題となった地上から月面へ跳んで逃げた中国の昔話の姫さんの名前が「嫦娥」であったため,中国はそれを記憶しており,月面ロケット計画に「嫦娥」と命名したという話は,面白かった.

21世紀に入ってからの,北斗GNSS計画でもそうだが,宇宙ロケットの打上げの順調な成功の連発ぶりには,驚かされてきた.米国と並ぶ宇宙強国になりつつあるのは事実である.20世紀後半に,中国は米国NASAやロシアなどから,しっかりと学習できたためと思われる.そして中国は経済力の成長を宇宙開発分野に集中的に投資してきた.特に北斗とスマホのGNSS分野での連携技術の先進的な成功は非常に大きな自信となり,並行しての嫦娥計画がいよいよ月面へ人間を運び基地を作ってゆく段階へ進みつつあるわけです.

日本の宇宙開発経験もイロイロと役に立ったことでしょう.

NHKも国内世論などに気を遣ってか,この番組の宣伝はあまりしなかったようですね.

2020 12/02 中国嫦娥5号、月面軟着陸に成功

2020年12月02日 | 中国嫦娥5号の月面への挑戦
2020 12/02 以下の産経記事にありますように中国嫦娥5号の着陸船は月面軟着陸に成功しました。
https://www.sankei.com/world/news/201202/wor2012020005-n1.html
https://www.mbs.jp/news/zenkokunews/20201202/4140814.shtml


この嫦娥5号の件での日本での報道ぶりは、毎日・TBS系と産経系が熱心で、一方NHKニュースなどは、ほとんど報道しないようです。月面岩石などのサンプルリターンまで成功すれば大ニュースですが、現在の日本のマスコミは、意図的に低く扱っているようです。

当ブログは月面探査関係は、脱MEOの先頭を行く日本QZSSによる新分野でのイノベーション・有効活用にも寄与できる大きなエベントであるとの立場です。フォローしてゆきます。

2020 11/28 中国月面探査衛星 嫦娥5号(NORAD ID:47097)の飛翔軌道状況

2020年11月28日 | 中国嫦娥5号の月面への挑戦
アジアの宇宙強国中国の月面探査衛星 嫦娥5号(NORAD ID:47097)の飛翔軌道状況を状況に応じて記録しておきます。
https://www.n2yo.com/?s=47097

日本や欧米の多くのマスコミは、こうした挑戦的な月面を探査する衛星について、科学的に報道する余裕をなくしています。

当ブログとしては自動化ミスの修正が増えてきておりまして、手を広げすぎのきらいはありますが、嫦娥5号の軌道状況だけでもウォッチして、時折は記録しておきたいと思います。
以下から分かりますように、アポジーは40万km近くまで伸びてきています。月軌道に届くところにきています。近々、月周回軌道に遷移してゆくことになるでしょう。

2020 11/24 中国の嫦娥5号 月面探査衛星の打ち上げに成功

2020年11月24日 | 中国嫦娥5号の月面への挑戦
2020 11/24 何故かNHKニュースは無視をしているようですが、時事通信やTBSなどは、以下のURLのような中国の嫦娥5号が月面探査衛星の打ち上げに成功したとの速報ニュースを流しています。
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4134413.html

昨年の秋はインドの月面探査衛星ChandraYarn計画が、最後の最後で着陸をクラッシュしてしまった残念な記憶が残っています。今日からは同じアジアの中国の嫦娥5号の月面探査衛星の活躍に大いに注目したいと思います。アジアの宇宙開発が欧米を凌ぐということには、日本勢にとっても脱MEOの軌道をもつQZSSの活躍にとって非常に重要なことです。

以下の中国メディアの科技日報からの翻訳記事(翻訳・編集/如月隼人氏)を記録させていただきます。
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中国メディアの科技日報は19日、11月下旬に打ち上げ予定の中国の月探査機、嫦娥5号を紹介する記事を発表した。嫦娥5号は月の土壌や石を地球に持ち帰る「サンプル・リターン」を目指している。

打ち上げ場所は海南省の文昌航天発射場で、長征5号(CZ-5)ロケットを用いる。長征5号は2016年11月から現在までに、衛星の打ち上げを5回実施し、うち4回を成功させた。

人類として初めて月から土壌/岩石サンプルを持ち帰ったのは、米国が1969年7月に打ち上げたアポロ11号だった。米国はアポロ計画でその後、累計で約382キログラムのサンプルを地球に持ち帰った。一方、ソ連は1970年9月に打ち上げた無人探査機のルナ16号で、月面の土壌/岩石サンプルを持ち帰り、その後も含め無人探査機計3基により約330グラムのサンプルを持ち帰った。

嫦娥5号は、2キログラムのサンプルを地球に持ち帰る計画だ。同じく無人探査機だったソ連のルナ探査機と比べて、地球に持ち帰る重量が著しく大きいことが特徴だ。

往年のソ連は、無人ドッキング技術を獲得していなかったため、ルナ探査機全体を月に着陸させねばならなかった。月面での活動には関係ない地球に帰還するためのロケットや燃料もいったんは月面におろした。これらの重量を再び月面から離陸させるためには、燃料などが余分に必要となる。そのため、月面で採取できるサンプルの量は厳しく制限された。嫦娥5号の場合、月面での活動に必要な部分だけを切り離して着陸させ、その後に月周回軌道上でドッキングさせる。そのため、サンプルの搭載量を増やせることになった。

また、米国やソ連は、これまで持ち帰ったサンプルを分析した結果、月の火山活動は今から35億年前にピークを迎え、その後は衰えて火山は「死滅した」との考えを示した。

しかしその後、月面の一部では火山活動が長く続いており、20億年から10億年前に、新たに形成された火山の溶岩が存在するらしいことが分かってきた。

嫦娥5号が着陸を予定しているのはまさに、月面で火山活動が比較的遅くまで続いていた場所であり、月の「より新しい活動」の痕跡を残すサンプルを回収することで、研究対象としての「空白期間」を埋め、月の歴史を書き直すことも期待できるという。(翻訳・編集/如月隼人)
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日本宇宙陣も今後の中国の月面探査衛星計画を注視すべきでしょう。