相次ぐ児童施設でのわいせつ事件 倫理観まひし恋愛感情
2007年5月27日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20070527/CK2007052702019427.html
横浜市内の民間児童自立支援施設で女子中学生にわいせつ行為をしたとして5月、元職員(29)が県青少年保護育成条例違反の疑いで県警に逮捕される事件があった。市内では昨年10月にも児童養護施設で職員がわいせつ事件で逮捕されたばかり。児童福祉施設で働く職員の信頼を失墜する不祥事だが、2人とも倫理観をまひさせたものは、少女たちへの「恋愛感情」だった。「現場では、職員によるわいせつ事件はめずらしくない」と指摘する識者もおり、施設側の苦悩も浮かぶ。 (木村留美)
「悩みを聞くうちに、お互いに恋愛感情を持ってしまった。申し訳ありませんでした」。元職員は施設側の聞き取り調査にこう話し、謝罪したという。
児童自立支援施設は、非行や虐待で一時的に保護された子供たちが、その後、保護者のもとで生活できない場合に入所して、自立に必要な支援を受ける施設だ。事件があった施設は、緑に囲まれた敷地内に四棟の寮が並ぶ。ここで小学六年から十八歳までの少女約三十人が生活している。
元職員は住み込みで働き、数学と理科、体育を教えていたが、十四歳だった中学二年の少女に特別な好意を抱き、今年三月、施設内の相談室でキスしたり、胸を触ったりしたとされる。そこに至る経緯について、施設側は「少女から相談を受け、話がわい談化していくうちに職員が少女のペースに引き込まれてしまった」(理事長)と話す。
また、元職員は少女と同学年の別の少女に対しても、わいせつ行為を行っていたが、「少女から職員との仲を聞かされたもう一人の少女が対抗して、本当かどうか暴くため、職員を何度か誘う『試し行動』を行った。職員はその意図を見抜けず、ばかなうぬぼれもあって、誘いに乗ってしまった」と説明する。
ただし職業倫理を踏み外した元職員の行為は許されるものではなく、施設側は「こんなことが起きるとは想像だにしなかった」と衝撃を隠せない。
市内では市立児童養護施設で、十六歳だった高校二年の少女にみだらな行為をしたとして昨年十月、職員の保育士=当時(25)=が逮捕され、その後、罰金二十万円の略式命令を受けた。
同施設は、経済的な理由や虐待を受けるなど家庭環境に恵まれない児童が多い。保育士も当時、「少女の相談に乗るうちに、恋愛感情を持った。守ってあげたかった」と話しており、入所者への接し方の難しさを浮き彫りにする。
児童虐待や少女たちの性の問題に詳しいフリーライターいのうえせつこさんは「児童福祉施設での職員によるわいせつ事件は、全国的に起きている」と話す。
いのうえさんによると、入所者は家庭などに問題を抱え、コミュニケーションが苦手な子が少なくない。「性を通じてしかコミュニケーションを取れない子、大人への不信感から職員を試そうとする子もいる」という。
県内では二〇〇六年、横浜市中央児童相談所でアルバイト保育士=同(26)=が、六歳から十歳の女児六人にわいせつ行為を繰り返したとして逮捕されたほか、〇四年に学童保育施設の元指導員=同(35)=が教え子の少女二人に継続的にみだらな行為をしたとして逮捕される事件もあった。
この二つは、少女愛好癖のある者がターゲットを求めて児童施設に入り込み、自身の欲求を満足させようとした犯罪といえる。だが、いのうえさんは、まじめに身を粉にして働く職員でも理性を忘れて過ちを犯す危険性がある、と指摘する。
「施設の職員は少人数で夜勤もあり、友人と会う時間もなく、社会性を身につけにくい。研修だけでなく、人員を増やし、いろんな人と付き合い、社会常識を身につけさせるよう職場の環境づくりが必要」と強調する。
一方、施設側は「職員の募集を出しても、すぐには集まらない。財政的な問題もあって、現状の職員の体制を変えることは、なかなか難しい」と窮状を打ち明ける。 |
虐待をしているわけではなく、まじめな恋愛をする。
今も障害者施設では性的虐待が多く行なわれています。ですが普通の児童施設ではそんなことはなくなりつつあるのでしょうか。
時代は変わりました。児童職員においては、質が変わってきたわけですね。
大人としての自覚はいい意味でも悪い意味でももはや消えうせました。