1932年 アメリカ作品 113分 配給会社?
原題:GRAND HOTEL
STAFF
監督:エドマンド・グールディング
脚本:ウィリアム・A・ドレイク
CAST
グレタ・ガルボ ジョン・バリモア ジョーン・クロフォード ウォーレス・ビアリー
「THE 有頂天ホテル」を観てからずっと気になってた作品。一つの場所に偶然集まった人物たちの描写をすることを「グランド・ホテル形式」と言うそうで、その語源になったこの作品。今ではよく見る形式だけど、始まりはこの作品だったんだね。「THE 有頂天ホテル」は登場人物も多くてドタバタコメディだったけど、この作品は登場人物もざっと数えて5人といたってシンプルです。
昔の映画を観るとよく思うのだけれども、キャラクターの心情や過去を事細かに深く描かずに、サラッと軽く見せる事が美徳だったのかな?おかげでなかなか感情移入はしづらいけど、モノクロのクラシックな雰囲気も手伝って上質な作品に思える。共感したり反発したり何かを学んだりというよりは、一つの芸術作品として愉しむ事が映画鑑賞の醍醐味だったのかなと思います。この作品も主要キャラの5人は、おちぶれたバレエダンサー、男爵を名乗る泥棒、会社の合併話が危機にある社長、その従業員で健康を害して生い先の短い独身男、社長が雇ってる速記係の娘。と、どのキャラを主人公にしても一つの長編が成り立ちそうな濃いキャラクターなのに、一人に重点的にスポットを当てることなく、5人のやりとりをサラッとコメディタッチで描かれてるんだよね。特に男爵の顚末にいたっては「あっけない!」と思わず笑ってしまいました
たまには頭で考えずに芸術作品として愉しむ映画鑑賞、いいですね~
【字幕翻訳:?】
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オープニングで、何事もないようにホテルに入っていく人たちは、実はとてつもない悩みをそれぞれ抱えていて、ラスト、再び、何事もなかったかのように(本当は大きな悩みがあるのに)ホテルから出て、どこかへ行ってしまうのが巧いです。
さらに、ラストでホテルから出て行く登場人物を尻目に、ホテルに入ってくる新たな客がいる。彼らもまた、何か抱えて生きているのだろうか、と思い、今夜もグランド・ホテルは何事もないように営業していく…。とかいう洒落たオープニングとラストをした本作が、わたくしは大好きなのです。
それにしても、
サイレントからトーキーに変わって、わずか4、5年という1932年という時代に映画が登場すること自体驚きですもの!!!
現代からすれば、一つの密室空間に複数の人物が交差するというグランド・ホテル形式は『スピード2』だとか『ポセイドン・アドベンチャー』だとかで、ありきたりですけど、こんな年代をチェックして、「こんな時代にこんな映画があったのか」とかいった視点で古典映画を楽しむのもいいかもしれませんね。
そうですね、古典映画を鑑賞して、今では当たり前になっている形式の元を辿るのも面白い映画鑑賞ですね♪
年内は引越しやら結婚やらでドタバタしそうなので、映画鑑賞はなかなかしにくい状況なのですが、来年こそもっと幅広めた鑑賞していきたいと思います!
…毎年同じ事言ってる気がしますが。(笑)