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防衛省、振興予算凍結へ/内閣府の北部1次配分

2007年08月01日 | スクラップ
2007年7月31日(火) 朝刊 1面




 【東京】内閣府沖縄担当部局が二〇〇七年度予算で計上していた「年間百億円」の北部振興事業の第一次配分に、防衛省が難色を示していることが三十日までに分かった。内閣府は配分額が固まる八月初旬の執行を目指していたが、防衛省は米軍普天間飛行場移設に伴う環境影響評価(アセスメント)を県や名護市が受け入れていないことを問題視。同省幹部は同日、普天間移設に関する協議会で決定した配分の条件が崩れたとした上で「(予算は)出さない」と強調、執行を当面、凍結する考えを明らかにした。
 北部振興事業は内閣府の所管だが、普天間移設に関する協議会を共催する防衛省も予算執行への影響力を持っている。昨年五月の閣議決定では、防衛省の強い意向で北部振興事業がいったん「廃止」とされた経緯がある。

 県は、仲井真弘多知事が今週半ばに〇八年度予算概算要求の国庫要請で上京する機会に、小池百合子防衛相と会談し、打開策を模索する意向を示している。

 北部振興策をめぐっては、〇六年八月の普天間移設に関する協議会で、小池沖縄相(当時)の「普天間飛行場の移設に係る協議が円滑に進む状況の下、(略)着実に実行する」との発言が、政府の統一見解として承認された。

 同年十一月の知事選で普天間飛行場の県内移設を容認する仲井真弘多知事が当選したことで、政府内に移設の進展への「期待値」が上昇。協議の場が確保される環境であれば北部振興事業の継続が可能との判断から、〇七年度の予算計上が認められていた。

 内閣府は県や名護市が協議会への参加を拒否していないことなどを理由に「協議が円滑に進む状況」の条件は崩れていないと判断。本年度の北部振興事業の配分を進める考えだ。

 一方の防衛省はアセス方法書が送付できない現状では「協議が円滑に進む状況にあるとは言えない」(幹部)と受け止めており、県や名護市の譲歩がなければ執行できないとしている。

 内閣府によると、政府予算の執行に決定権を持つ財務省は「両府省の調整を見守りたい」と静観しているという。

 県の仲里全輝副知事は「県としては協議会の開催とは関係なく、政府の方針決定に基づいて最終年度分まで実施されるという認識だ。沖縄振興に対する政府の誠意ある姿勢を望む」としている。

 また、政府が県などに早期に提出したい意向を繰り返し示しているアセス方法書について仲里副知事は「県などが求めている(滑走路の沖合移動と普天間の三年内閉鎖)前提条件に対する政府の回答はまだない」とし、現段階で受理は困難との立場をあらためて強調した。




2007年7月31日(火) 夕刊 1面


防衛相、凍結を示唆/北部振興事業/ 沖縄相は配分に意欲

 【東京】小池百合子防衛相は三十一日午前の閣議後会見で、内閣府沖縄担当部局が二〇〇七年度予算で計上している北部振興事業の第一次分の取り扱いについて、配分に関する条件を満たすかどうか「判断していきたい」と述べ、明言を避けつつも予算執行凍結の可能性を示唆した。一方で高市早苗沖縄担当相は、北部振興事業の執行条件は崩れていないとの認識を示し、同事業の一次配分実行に意欲を示した。
 小池防衛相は、普天間移設の環境影響評価(アセスメント)について、「現時点で(県のアセス)方法書の受け取りがなされていない。まずは方法書から始まるということだ」と述べ、県や名護市が早急にアセスを受け入れるよう求めた。

 その上で、北部振興事業の配分に関して昨年八月の普天間移設に関する協議会で了承された「普天間飛行場の移設に係る協議が円滑に進む状況の下、(略)着実に実行する」との自身の発言を紹介し、「協議を円滑に進ませていただきたい」と指摘。アセス受け入れを県が拒んでいる現状は「円滑に進む状況」にはないとの認識を示した。

 一方、高市沖縄担当相は「地元で代替施設の受け入れ、現況調査に同意しているので、私は関係者間の調整は継続していると思っている」と述べ、北部振興事業の執行条件は崩れていないとの認識を強調。「関係省庁と調整しなければいけないが、適切な時期に配分したいと考えている」と述べた。

 防衛省幹部は沖縄タイムス社の取材に対し、県がアセス受け入れを拒否している現状に「『協議が円滑に進む状況』とは言えない。(予算は)出さない」と述べている。





2007年7月31日(火) 夕刊 5面



北部、一斉に反発/振興策凍結/「あまりに勝手すぎる」強硬姿勢に不信感

 【北部】内閣府所管の北部振興策事業に関し、防衛省が米軍普天間飛行場移設に伴う環境影響評価(アセスメント)を県や名護市が受け入れていないことを理由に凍結する考えを示したことに三十一日、名護市幹部や市民団体から一斉に反発の声が上がった。「札束でほおをたたくやり方で許されない」「地元の配慮に欠ける」。代替施設の移設について賛成、反対の立場の違いを超え、反発と不信感が広がっている。
 名護市幹部は、防衛省が難色を示している状況を把握しているとした上で、「あくまで防衛側の意向で政府の方針ではないはずだ。内閣府は予算執行する方向で進めている」との認識を示した。防衛省の強硬姿勢については、「まさに札束でほおをたたくやり方で紳士的じゃない。お互いの信頼性も損なう」と痛烈に批判した。

 島袋吉和市長の後援会長を務める荻堂盛秀市商工会長は「勝手なことを言っている。地元への配慮もなく、思い通りにならなければ振興策を打ち切るなんて冗談じゃない。こんなやり方なら移設作業すべてをやめてしまえ」と声を荒らげた。

 北部市町村会長の儀武剛金武町長は、北部振興策の凍結は聞いていないとしつつ、「振興策がなくなるとは思っていない。北部としても今後継続を求めていく」と従来の姿勢と変わらないことを強調した。

 一方、ヘリ基地反対協の安次富浩代表委員は「政府は、(代替施設の)二〇一四年完成を目指し強圧的な姿勢をとろうとしている。参院選の結果でも県民は基地を造らせないという意思を示した。このまま強圧的に進めると、仲井真県政にも影響が出てくる」と指摘。平和市民連絡会の当山栄事務局長は「振興策を振りかざし、合意に持っていこうとする政府のやり方は許されない。県は建設に反対して振興策を返上すべきだ」と語った。





沖縄タイムス
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