Carpe diem

最近は、とある欧州の島での多国籍な日々。

アーミティッジの愛読書3

2012年01月08日 | リチャード・アーミティッジ
この度『ホビットの冒険』でトーリン・オーケンシールドを演じる、俳優リチャード・アーミティッジ(アーミテージ)さんのロング・インタビュー(続き)


VL:少しの間、『スパークハウス』に話題を戻してもいい?(ご存じない方のために;『スパークハウス』は冷酷であるが魅力的な三部構成のシリーズで、エミリー・ブロンテの『嵐が丘』に漠然と触発された―主要な二人の役割は逆転してはいるが
・・・【ヒースクリフ】の役割はサラ・スマートによって演じられ、【キャシー】の役割はジョー・マクファディンによるーサリー・ウェインライトによって書かれた作品である)貴男のキャラクター―ジョン・スタンドリング―は、ある意味イザベラとヘアトンが混ざり合ったものだ。『嵐が丘』は事前に読んだ?もしそうなら、それは役立った、それとも妨げになった?
RA:私はその小説を読んでいた、実際、事前に何度も読んでいた。それに、ケイト・ブッシュだって聞いていたしね!この実例においては、キャラクターの期限はさほど興味深いものではなかった。より有用だったのは、字義通りの或いは、暗喩としての情景に対してのブロンテの視点、この小説の主題である野生と狂気だ。小説から齎される根源的な感覚、それが私にもっとも影響を与えた。

VL::貴男の経歴をざっと見たところ、愉快で陽気なキャラクターがちょっと少ないと言わざるを得ない。ジョン・スタンドリング、ジョン・ソーントン、ガイ・オブ・ギズボーン、ルーカス・ノース。この中の誰も、誰も日の当たる人たちではない。最近の唯一の例外は、-ディブリーの牧師と結婚したハリー・ケネディーだか。そう、今私は、ルーカスというよりむしろハリーのように貴男が極めて陽気な魂を実際持っていると信じているけど、貴男が影のあるキャラクターに惹かれるのは、彼らを演じるのがより面白いから?それとも単に、陽気な役のオファーが来ないから?
RA: 私が陰のあるキャラクターに惹かれるのは、自分がとても陽気な人間だからだと思う。(ほ、ほんとですか…そのお顔で?)そういうキャラクターには、もっと疑問がわくからね。ハリー・ケネディーを演じていたときでさえ、私のバイオグラフィーは極めて暗いと思う。彼は何かから逃げていた。暗闇から光の中へ。そして彼はジェラルディンを見つけた!
役者が一度、とあるジャンルで比較的成功を収めると、それを繰り返すよう要求される。私は出来るだけそうしないよう努めているけど、もしそのキャラクターが魅力的だったら、冒険するだけの価値はある。私はいつも悪の中に善を見出そうとするし、逆もまた然りだ。それこそが、リチャード三世が私を魅了するところだ。
悪党で、せむしで、子供殺しで、簒奪者の怪物-私は、子供の頃から死ぬまで情熱的にアン・ネヴィルを愛した男を、唯一の息子を失ったとき癒せぬ悲しみにくれた男を、今日私たちが享受している公正な裁判制度を整備した男を、そしてロンドン塔で二人の王子を"虐殺した"といわれる男を見出したいと思っている。それは、矛盾ということの全てだ。

VL:少し、ガイ・オブ・ギズボーンについて話せる?二年間もの間、彼がその極めて長大な件を持って何某かをするのを待った挙句に、彼はまり案の基に言ってそれで刺し貫いた。控え目に言っても、それは少し驚くべきことだった。貴男はその時に、この出来事ののちに彼はいずれにしても死ぬべきだといい、そして彼は死んだ。彼の旅立ちに満足している?そして彼をいずれ懐かしく思う?
RA:私は、ギズボーンは彼が望むものを得られていない時にのみ興味深いと、常に主張していた。彼が必要とするものを与えたとき、それは終わる。
簡単に言うと、元凶の悪役の一人として、本質的に若者に的を絞って、彼は自身が元となった苦痛に対して実際に苦しむべきだった。彼の為した行為の重荷から、彼自身を自由にし、高潔な死を迎えられたことを私は嬉しく思っている。
私は彼を懐かしむだろう。だが、それは何故終焉を迎えるべきであったということでもある。私はそのキャラクターへの疲労が高まることを嫌っていただろう。彼は演じることがとても困難で、多くの「譲歩」を必要とした。このキャラクターの裡の矛盾について、数多く批判的に言及された。しかし、劇的なキャラクター、とりわけテレビのためにかかれたキャラクターへの私たちの当然だと予期することの多くは、逆説的な意味で非現実的だというのが、私の信じるところだ。私たちは彼らを完璧に形成されたものとして、あるべきだと期待する。どういうわけか直線的に、たとえば彼らは「常に邪悪だ」と。
私はこれこそが、このキャラクターのステレオタイプな認識を導くものだと思う。もし私たちが現実主義として、【人生】へ率直な眼差しを向けるのならば、私たちは、激情の果ての犯罪として、男が自身の愛している女を殺すことも有り得るのだと受け入れなくてはならない。彼が死ぬその日まで後悔し、愛惜し、彼女が真に愛していた男を嫌悪し、にもかかわらず尚も彼との友情を築く術を見出すことを。以前にも言ったように、私は連続殺人鬼が家庭に戻り、妻を深く愛して、生まれたばかりの娘に優しいお休みのキスをすることができる信じるのは、非現実的だとは思わない。それはただ、私たちにとって酷く受け入れがたいことなだけだ。
私の偉大な呪文のひとつは、「キャラクターはそれ自身のキャラクターから外れた行いをするときが、最も面白い」というものだ。だから役者が次のように言う場合「私のキャラクターはそんなことはしない。」、私は常に「貴方たちがそれをキャラクターに「させる」場合、何が起こるか想像してみてくれ!」と言っている。私は、自分にとってそういった意味で興味深い存在となったガイ・オブ・ギズボーンを演じる際に、自分自身に頻繁にこのように指導しなくてはならなかった。彼は、そういう意味で、私の役者としての成長を助けた。

VL:リチャード・アーミティッジはどこに向かっている?これからのラインナップについて、教えてもらえる?
RA:新しい6部構成のテレビシリーズ、映画が一本、それから60年代に映画化された古典的な小説を基にした舞台劇。(解答は、はがきでお寄せください!)できれば、『Spooks9』
VL:「舞台劇、60年代に上映された古典的な小説に基づいた」・・・ああ、好奇心をそそり立てるものでなければ、なんということもないのだけど・・・もし-ただの議論ための議論なら-明日にはバブルが崩壊し、貴男の電話は鳴り止むでしょう・・・貴男は第二、第三の代案は持っている?貴男はミュージシャンでしょう、そう思っていたけど?
RA:私は、電話を鳴り止ませるために万全の準備をしている;実際は私はおそらく「鳴らない」というチャンスを電話に与える前に電話を切断しているかもしれない。私は監督を必要としている、でもプロデュースもしたいと思っている。もし私が時を戻せるのならば、カメラの後ろに立つだろう。

VL:5つの最も好きな本の名前-とその理由をゲストに挙げてくれるよう頼むのは、Vulpusの習慣になってきているの。話して。さあ、この場は貴男のもの。ただ、必ず戻してくれれば・・・。
RA:『ロード・オブ・ザ・リングス』(『指輪物語』):12歳の少年にとって、最高の冒険物語。【ロード・ムービー】だね。私は、その時に学芸会でエルフの一人を演じた。(当時でさえ、研究していたよ。)
『ダニーは世界チャンピオン』:私が、自分は文字を読んで理解しているのではなくて、心の中で物語を創造しているだけだと気づいた初めての作品だ。
『The Sunne in Splendour』:些か大げさだけど、シェークスピアの悪党へ対抗すのに非常に必要とされるものだ。
『North & South』:なぜこれを選んだかを言う必要はないと思う。
『犯罪と罰』:これは知的な向上心で読み、それは昏いキャラクターへの魅力への変化した。(演劇学校において『マクベス』を演じるための準備としてこれを読んだ。罪を犯す心性の本質の研究と、その後本格的な暴力的反抗へと進展していく、悪事を犯した善良な人間の解明のために。)
VL:いい選択で、面白い理由だった・・・本当にどうもありがとう。それから、リチャード三世のこと、幸運を祈っている。

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