香りは小さな旅 

つれづれなる呟き

8月15日

2017年08月16日 | その他
この日があったから、父は生き残り、帰還。
やがて家族と再会そして一家再興ののち、次世代を又作った。
その一人が私であり、今はその次世代も存在している。
終わることで繋がったいのち。
戦後の人生を余光と言っていたが、
すでに戦地で過去の自分がどこかへ行ってしまったと
ぽつりのちに言っていた。

戦地へ行く前から、昨歌をたしなんで
昭和万葉集に戦争の歌が残ることになる。


作歌は命が光る貴重な時だっただろう。


鉛筆と紙さえあれば、いいのよと
同じ歌の会で知り合い、結婚した母も60年
亡くなるまで歌を続けた。
亡くなったのはその歌の会の席で倒れて9日後。


父は20数年いた場所を捨てて
東京へ戻ってきて又歌の中心で切磋琢磨したかったが、
この街では生き延びられなかった。
享年60歳。職場で倒れてそのまま逝った。


20代に煌めく作品を生み出したのだから
やはり余光だったのかもしれない。
今更ながら30年もよく頑張った。



やっと両親の近くまで、このごろ来た、と
感じられる。
何を思ったか、感じたか・・・わずかながら
想像できるようになった。



そして8月15日は二人を思い出す大事な日にも
なって来ている。