香りは小さな旅 

つれづれなる呟き

美味に会う

2016年09月29日 | 観る 聞く 読む 味わう etc.
9月もやっと涼しくなってきたこの頃

今年は梅雨が長く(東京の話ですが)、8月炎天が続くかと思いきや
なが~い台風シーズンなどなどで曇りや雨が多く
それは今でも続いています。

一体、太陽の顔がのぞいたのは何日間?と言いたいくらい
どんより、じめじめ 蒸し暑かった。

が、暑さ寒さも彼岸まで・・・

さすがにこうしてパソコンに向かっていても
窓をあければ、ややひんやりとした空気が入ってきて
一息つけます。

夏は何をしていたのかといえば、先月にも書いたような
観たり、聞いたりが続き、なぜか、きつ~い季節に行きたくなる能にも
脚を運び、ぐったりして(満足してw)帰ってきたり。
毎回、あの体験をふしぎと思いますが、じっと耐えて(!?)
そのあかつきに来る、シャワーのような謡の高揚には、
あ・・遠路はるばる、酷暑酷寒なんのその
来てよかったとふかぶかと感動するのです。

もちろん、物語の作られ方の解説がしっかりとある
普及公演などですと、演目を丁寧に説明してもらえるので、わかりやすい。
能のあらゆる面が魅力的ですが、私は特にラストと、
最後までが一連のドラマであるような、
あのみなさんが正に去っていく静けさがたまりません。



ふとフェリーニの映画を思い出したり・・・



大陸的なのかも。



と、連想があちこちに飛んでしまいますが、今月のタイトルは
「美味」でありまして、親戚のお祝い事で北海道に帰った際の
さまざまな味について・・・なのです。

それらはフレッシュで、豊かで、バランスが取れていてやさしい味。

オホーツクに面する場所からはるばるやってきた方の庭のトマト、枝豆。
手作りのほくほく感。

祝いのためにはるばる1000キロ近くロードサイクルしてきた若者が
送ってきた各地の果物。あっという間に熟れて甘くなる。

一家のご主人がさばいた、それこそ海の美味たち・・・
沖で取れたという魚介の新鮮さ!よ


そこに私がその日ドライブ先で購入したご当地ワインも参加。

馳走とはよく言ったもの。
馳せ、走り集める・・・そして囲む食卓。もうこれだけが集まることは
ないかもしれない。世代は交代しているだろう。



時がすぎるのは、結構いいことだなぁと今回つくづく。
余裕をもって、上の世代の言葉が聞ける。
若い世代から元気がもらえる。

いい位置まで来たのかも。




そして

いいものは限りなく、親和力がある。

ふわっと迫り、侵入してきて脳をチカチカさせたのち、それこそサッと去っていく。

後味よく・・・そして二度と巡り合えなかったりする。