楽天経営主義

経営コンサルタントが経営とは関係なく
日常を気ままに綴ります。

普天間基地移設2

2010年05月05日 | 日記
結局ビックリするような腹案は出てきませんでしたが、
そのことについては予想済みでした。
でも、別のことでビックリさせられました。
それは首相の「海兵隊を抑止力として考えていなかった。」という
コメントです。

これとよく似た発言を月曜日のTVタックルという番組で、ある
経済評論家が言っていました。
「海兵隊は外国に派兵する軍隊だから、日本にはいらない。」だったと
思います。この人も「抑止力」の意味を知らないんですね。

このM氏については、「年収300万円時代・・・」という著書を読んで、
看板倒れというか役に立たないことをおおげさに書く人だなと思って
いました。
それが、クリントン前大統領が米国人記者解放交渉のために
北朝鮮に訪問した時「同盟国なんだから、ついでに日本人拉致者を
何人か連れて帰ってくれたらいいのに」という、信じられない幼稚な
発言をするのを聞いて、「早くテレビから消えて!」と見るたびに
思っています。

そんなアホな評論家はどうでもいいんです。
テレビを消すか、チャンネルを変えればいいんですから。
でも、一国の首相が同じ見解だったとは・・・

私は不思議で仕方がないのですが、鳩山首相の家系は政治の
名門です。
そのような環境で育てば、小さい頃から「国家観」や「平和観」に
ついての英才教育を受けていると思うのです。
それなのに、日本の防衛について、米国駐留軍の役割について
首相になるまでよく考えたことが無かったのでしょうか。
そうだとすれば、情けなさをとおりこして悲しくなります。

まぁ、これは鳩山首相だけでなく、その前の自民党首相についても
同じ事は言えるわけですが。

これらの2代目、3代目政治家首相を見ていると、そのご先祖も
今では歴史に名前を残してはいるが、「たいした人達じゃなかった」
のかもなんて、思ってしまいます。

普天間基地移設

2010年05月04日 | 日記
今日はやっと鳩山首相が沖縄を訪問して、県知事をはじめ関係者との
会談を行うようです。
せっかくの連休をつぶしてまでの訪問ですが、これだけ期待感の薄い
訪問も無いのではないかと思います。
新聞も一面で扱っていません。

政治の話はここではしたくありません。でも、軍事オタクとして私の
持っている知識では、マスメディアで流れてくる普天間基地移設
修正案というものは頭をかしげることばかりです。

移設修正案も鳩山首相が「腹案」をなかなか正式発表しないので
色々な案が漏れ聞こえてきますが、主なところは
1.辺野古への移設は当初計画より縮小する
2.その結果として、当初の湾を埋め立てるV字滑走路は止めて、
杭打ち滑走路を施設する。(これも、沖合とか地上滑走路に延長とか
色々な案があるみたいです)
3.基地の縮小にあわせて、部隊の全面移管は無理なので、ヘリ部隊
もしくは訓練を徳之島へ移す。
といったところだと思います。

これは海兵隊という部隊の性格を考えると、米国にはとても
受け容れ難い案だと思います。
海兵隊は米国5軍(陸、海、空、沿岸警備隊)の中でも、有事への
即応性が一番求められます。
米国の同盟国や権益が侵されるようなことがあると、真っ先に
派遣されるのが海兵隊です。
だから、地上戦力でありながら、要員輸送のための海軍力や
支援攻撃力としての空軍力を所持しているわけです。
一軍で地、海、空軍力を所持しているのは、それらを一体的に
運用することで、海兵隊に有事即応性を持たせるためなのです。
ヘリコプター部隊は海兵隊の移動の足として地上兵力と一体的に
運用されなければ意味がありません。
200kmも離れたところにおいておくようなことは考えられない
話です。

また、軍隊は海兵隊に限らず自己完結型の組織であることが基本です。
軍隊の主たる機能は戦うことですが、その機能を完する調達、輸送、
整備といったあらゆる機能を軍隊でまかなうことを基本としています。
本来機能を補完する大きなバックヤード機能が必要なわけです。
その戦力を一部でも、本隊と離れたところに移すとその部隊を維持する
ためのバックヤード機能を二重で持たなければなりません。
つまり、コストが大きくアップしてしまうはずです。

この二点から考えても、私には修正案なる物が米国には受け容れがたい
ものだと確信するのです。
だから、首相が今更沖縄に行ってこの修正案で地元の同意を得ても
米国の同意は得られないわけで、骨折り損だと思うのです。
(多分、地元の同意も得られないと思いますが・・・)

それ以上に、こんな素人の私にでもわかるようなことが、頭の良い
首相がわからないわけがないと思うのです。
いくら「友愛」を理念としていても、首相は日本の三軍の最高司令官
であるわけですから、軍の性格、機能は十分知っているはずです。
逆に、知らないとすると、そんな人が日本の最高司令官になっている
日本は恐すぎます。

ひょっとすると、今日の夕方には首相が我々では思いもつかない
ような「腹案」を提案して世間を驚かせるのかもしれません。