絶版プラモデルやじ馬考古学・ボックスアート美術館(なつかしき50~60年代アメリカプラモの世界)

古き良き時代の絶版プラモを発掘する、インターネット考古学。現在、・ボックスアート美術館にてエレール特別展を開催中!

ロケット/ミサイルプラモ・アットランダム美術館・YouTubeのミサイル映像付Part2

2012年01月15日 | プラモデル

ドイツ軍によるボックスアート輸送大作戦

今回はお休みです。


ロケット/ミサイルプラモ
アットランダム美術館Part2





V1の活躍を報じるドイツ週間ニュース
http://www.youtube.com/watch?v=LEhWYqaX5gE&feature=related







レベルのⅤ-2は、内部構造までシッカリ再現してあるのが
すばらしい。ミサイルというのは、割と単純な外形をしているので、
燃料タンクやらエンジンやら中身付きにしてもらえると、
メカニカルな雰囲気モロ出しで、モデラーはメチャ喜んでしまう。







日本でも気の利いたプラモが存在した。
レベルと比較するとスケールは小さかったが、レーダーや支援車両などが
付属しており付加価値を高めていた。ボックスアートは高荷先生の作品。

アメリカに渡ったV2テスト映像
http://www.youtube.com/watch?v=Sykfqa3MKAg

空母ミッドウエー飛行甲板上でV2発射
http://www.youtube.com/watch?v=Eug0uV5ko0s

日本では知られていないKMTのボックスアート4種




タロス資料映像
http://www.youtube.com/watch?v=IaeDP4p1qZI




地対空ミサイルなのに、あたかも宇宙ロケットであるかのような描き方を
しているのがオモシロイい。
後方は月面か?もしそうなら、月面から飛来したものなのか。
東宝の映画『宇宙大戦争』をイメージさせるSF的な構図がイイな。





ナイキ・ハーキュリーズ、標的を撃墜!
http://www.youtube.com/watch?v=kpHE9O8ckno&feature=channel





















レンウォール倒産後、金型はレベルに移った。
ヒストリーメーカーズ・シリーズとして復活したが
パッケージの大きさに圧倒されてしまった。

キットのデカさからいっても、まさに横綱クラス!
完成すれば、全長約80センチにもなる。
インストのページ数もハンパじゃない。
レンウォールさん、よくぞモデル化してくださいました‥といいたい。



























Wikipedia


メースB運搬用テラクルーザー
製造元のFWD社広報雑誌より




核戦争をイメージさせるような
赤い空が印象的。
ICBMやロケットの大気圏再突入の際の
データ収集が目的で製作されたX機だ。

レベルのミサイルもので
もっともレアなものがx-17だ。
ホンモノが世間一般に知られていなかった
せいか、再販されることなく姿を消してしまった。




Wikipedia

Wikipedia

YouTubeで見つけた貴重な映像。
アメリカ空軍が制作したX-17記録映画。
本体が回転しながら飛んでいくなんて、映像を見るまで知らんかったゾ。
http://www.youtube.com/watch?v=5poAAh0CoKE



1962年にアメリカ国防総省が制作した宣伝映画。
前半にミサイル発射映像が集められている。
http://www.youtube.com/watch?v=LYeeL7X-BKU&feature=relmfu































日本のクラウンがコピー商品を出していた。
1/35スケールと、タミヤを意識した表示になっているが、
実際はオリジナルと同じ1/40スケールだった。

1950年代のアメリカ陸軍のミサイルを紹介した劇映画。
コーポラル、オネストジョン、ナイキ・ハーキュリーズ、ラクロス、
ホークなどが登場。とくに、ホークミサイルキャリアによる装填シーンが
見られるのが貴重。24分17秒あたりから見るとエエよ。
http://www.youtube.com/watch?v=AW_RdCHxLgA&feature=related




機体両脇にホークミサイルをかかえて
何とも勇ましい姿だが、このまま空中発射するわけではない。
単なる運搬なのだが、こんな小型ヘリでは荷が重すぎるような
気がする。いろいろ調べてみたが、実際にミサイルを装備して
飛行したことはないようだ。
当初、軍やメーカーにミサイルトランスポーターの構想があって、
これにプラモメーカーが飛びついたのだろうか。
それとも、プラモメーカーのおふざけだったのだろうか。








ライフライクが再販したときのもの。


クルーのサングラス姿が
わかるかな?

こちらは、ホンモノ関連資料




























オネストジョン発射映像
http://www.youtube.com/watch?v=flaQcJ-ky8I&feature=related


パッケージの表示をよく見ると、アメリカ海兵隊御用達ミサイルとある。
ボックスアートに描かれた兵士も、水兵さんではなく海兵隊員のようだ。
下記のインストの表示ではアメリカ海軍とあるので、チョッと混乱してしまうが
これには訳がある。

このプラモが発売された1958年より前の話になるのだが、
コンベア社では
発注者の海軍以外に海兵隊にも売り込みをしていたのだ。
海兵隊では地上部隊支援用に検討することとし、1個大隊を実験部隊に充て
試験運用させることにした。
それが、レベルのパッケージに表示されたという訳だ。

コンベア社の構想では、陸上部隊用にボックスアートに描かれたランチャーを
大型のトレーラーに載せ、移動できるようにするというものであった。
しかし、当然のことながらこれだけでは敵機を撃墜できない。
レーダーや誘導装置など、支援システムが必要でこれらを地上部隊用ユニットに
すると、かなり大がかりなものになるため、機動性を重視する海兵隊は
これを嫌い、結局ボツとなってしまったのだ。
レベルのボックスアートは、丁度コンベア社が海兵隊にセールスをしていたときの
反映なのである。
でも、パッケージとインストでは使用者が海兵隊と海軍とで異なる理由は
不明のままだった。




Wikipedia

1956年のニュース映画より、テリアの発射映像
http://www.youtube.com/watch?v=ghCaBHA8mD0

1950~60年代のアメリカ海軍御用達ミサイル映像
貴重な映像盛りだくさん!
http://www.youtube.com/watch?v=n46D6frXVao

1950~60年代のアメリカ海軍御用達ミサイル映像Part2
http://www.youtube.com/watch?v=rUbgtRPkYtE&feature=related
















レギュラスⅡ発射・クラッシュ映像(雑音あり、音声は消してネ)
http://www.youtube.com/watch?v=GbPd5SPElMY



インスト2種。
基本的に内容は同じだが、レイアウトや記載内容が
多少異なるものになっている。

その1



その2





部品番号18Aの人形の図が、上記その1のインストと異なる
姿で描かれている。





画像4点ともWikipedia

リトルジョン発射映像
http://www.youtube.com/watch?v=ljbxkMvbucY&feature=related

U.S.ARMY

U.S.ARMY

SS-10有線誘導対戦車ミサイル発射映像
http://www.youtube.com/watch?v=-vivsiToYT8

エジプト軍、有線誘導対戦車ミサイルでイスラエル戦車を
撃破!…ヤラセみたいな気もするが…
http://www.youtube.com/watch?v=Q9coa0r_GLQ




前にも書いたことだが、このボックスアートは第三次世界大戦をイメージさせるものとして
なかなか秀逸だ。後方にニューヨーク風のビル群があり、その上空はナイキに撃墜されたと
思われる爆撃機が描かれる。ナイキを発射位置に移動させて、ただちに退避する地上要員。
その緊迫した姿に、大音量の防空サイレンも聞こえてきそうだ。


メーカーは異なれど、上と同じコンセプトで描かれたと思われる(多分)。

そういえば、防空サイレンといえば…


現代の自由の鐘の音が、防空サイレンの警報音だという発想が
オモシロい。壊滅的な空爆を受けたことがないアメリカならではの
キャッチコピーなのかもしれない。






LIFE photo archive hosted by Google


LIFE photo archive hosted by Google


LIFE photo archive hosted by Google

周辺のビル群と比較すると、このビルは相当な高さであることがわかる。
第二次世界大戦時、アメリカでは枢軸国の空襲対策に大量のサイレンが設置
されたが、その後の冷戦ではソ連の空爆に備えて、より大音量の強力なサイレンが多数増設された。
この当時生産されたサイレンは、クライスラー・ベル社の「ビクトリーサイレン」が知られており、
180馬力を発生させるパワフルV8エンジンで駆動するものであった。
重量は約2.7トンあり、8キロ離れた場所でも聞こえるように作られていた。
1952年から57年までの期間に生産され、都市部では写真のように高層ビルの屋上などに設置され、
警報音が広範囲に聞こえるようになっていた。

なお、一連の写真の撮影場所だが、おそらくクライスラーのお膝元でもあるデトロイトでは
ないかと思われる(私の勝手な想像です)。

1950年代のクライスラー製防空サイレン音(動画なし)
サイレン駆動用エンジン音も聞けるゾ。
http://www.youtube.com/watch?v=J9hPHw_EKBU




見にくいので、一部修正したものが下記。



レンウォール倒産後、金型はレベルに渡りヒストリー・メーカーズとして復活した。
ただ、往年のレベル製品と比較すると、精度が落ちるのはやむを得ない。

















ミニットマン空中発射
http://www.youtube.com/watch?v=It7SQ546xRk






スケールモデルにお遊びの要素を加えたのが、コレ。





























オレも忘れないでくれヨ!







1961年にアメリカ空軍が制作したX-15の記録映画
http://www.youtube.com/watch?v=-N646XdTl3w




X-15の劇映画といえば…
Wikipedia


1961年公開のアメリカ映画『X-15』
チャールズ・ブロンソンが出演していた。
テレビでも過去(ホントにむかし昔だが)に何回か放送していたので
50代以上の方ならご存じだと思う。


X-15に関する書籍では、講談社+α文庫の
ものが入手しやすいだろう。この計画の全体像が
わかり貴重だ。また、採用はされなかったものの
ダグラス、ベル、リパブリック各社の設計案も
記載されており、興味深い。
ちなみに、各社設計案の評価だが本書によると
ノースアメリカンとダグラスがほぼ互角、ベル、
リパブリックと続く。なかでも、リパブリックに対する
評価は、あらゆる面で良くなかったらしい。
各社がX-15の設計案を提出したのが、1955年なので
この時点での企業の技術レベルがわかってオモシロい。

そういえば、この時期のリパブリックはパッとしない
状態だったナ。







アトラス・ロケット本体をベースにした実験衛星のプラモ。
これはホーク社が勝手にデッチ上げたものではなく、
当時アトラス製造元のコンベア社が構想していたものをモデル化した。

1955年のアメリカ雑誌に注目!



1955年12月に発売されたアメリカの雑誌「MECHANIX ILLUSTRATED」に
驚くべきものを発見した。
わずか3ページの記事なのだが、レベルの金型製作風景が紹介されているのだ。

なお、表紙のリンカーン・フューチュラは、プラモではなくソリッドモデルで、
この製作記事が掲載されていた。


以下、図面引きから始まって金型の製作、テストショット、製品の完成へと続く。
1950年代当時のレベル開発スタッフの顔ぶれがわかり、メチャ貴重!





50年代から60年代前半のレベル黄金期を支えた
原型師のAnthony(Tony) Bulone氏の写真が貴重。
リアルでイキイキとしたフィギュアは、いまでは伝説の存在。
ところで、ここのページの記載では、Tony Balone氏となっているが
ミスプリントなのか?

偉大なる原型師Anthony(Tony) Bulone氏の映像と作品群
http://www.youtube.com/watch?v=2-dIA-lPvbE


1955年に、これほどまでのスケールモデルを
開発していたレベルの技術水準に脱帽!




















次回の更新は2月15日夜の予定です。