長岡京市観光協会のブログ

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長岡京の暮らしをつくる数字~7.10歴史講演会レポート

2016年07月14日 | 情報
あなたが歩く道路のはばは、何メートルですか?

長さ、大きさ、だいたい決まっていますね。

それは規格があるから。

平安時代の長岡京にも、なんとさまざまな規格があったそうです。

7月10日、「調査成果からみる長岡京時代の度量衡」という歴史講演会が、

長岡京市埋蔵文化センターの中島皆夫氏を講師として、

長岡京市ふるさとガイドの会主催で行われました。



度量衡とは単位のこと。

「度」は長さ(ものさし)、「量」は体積(ます)、「衡コウ」は質量(はかり)

を指します。

日本では、それまでバラバラだった単位を、

奈良時代の「大宝律令」できちんと統一して定めました。

全国の人が重さ・長さを同じ基準ではかることができるようになったのです。

長岡京ではその単位をどのように利用しているのでしょうか?

碁盤の目のように等間隔に作られた道。

3メートル単位で柱が立てられたお屋敷。

同じかたちで大・中・小とあるつぼ。

税として納められた米の単位。

こんなものから、わかります。

けれど発掘されたものから単位を考えることはとても大変だそうで…

たとえば、ものさし。

約3センチごとに線が引いてある、木製のものさしが出土しましたが、

残念ながら目盛りが書いていないため、

あくまで「ものさしらしきもの」でしかないそうです。

同じく、「三合」と書かれたコップのような土器も、

すりきり一杯で三合なのか、そうでないのかわからないとのこと。



中島氏がはじめて度量衡とかかわったのは、

キラキラ光る花のかたちをしたものを見つけたときだそうです。

それは、さおばかりのおもり。

光っているのは、銅でできているから。

銅製のおもりについては、平安時代の法令集「令義解(りょうのぎげ)」

にも記述があり、出土品と一致します。

これが出土したのは、東市があった場所。

これを使って、何か重さをはかって売っていたのかな。

魚かな。衣類かな。薬かな。それとも金銀…?

単位が使われているのは、建て物や食べ物、すなわち衣食住。

昔の人がどのように暮らしていたのか、を考えることなんですね。

あたりまえだと思っていた身の回りの数字にも、

改めて目を向けるようになった講演会でした。