一 閑 堂

ぽん太のきまぐれ帳

偽(ニセ)の春/「吉野山」

2007年03月29日 | 記憶の扉
『義経千本桜』というと、私なぞはまず「猿之助!」と思ってしまったりするのだが、今月にちなんで、歌舞伎座最後となった猿之助版の思い出を掘り起こしてみる。 最初の一つは、芝翫と猿之助が踊った「吉野山」だ。 私はこの二人の踊りがとても好きだった。何度も組んでいるため、以心伝心といった趣があったのだ。 . . . 本文を読む

「形」と「心」ー幸四郎の知盛をめぐって

2007年03月28日 | 歌舞伎・芝居
『義経千本桜』を昼夜通して見てきた。歌舞伎座に行くのは十ヶ月ぶりだった。 とはいえ、近頃の私は憑き物が落ちていて、久しぶりの木挽町でもあれこれ小屋内を散策せず、売店も冷やかさずにただいるだけ。まだ、徘徊するまでのパワーが戻っていない…という感じだ。 そもそも、最初からあまり真面目に芝居を観ようと思っていなかった! 「気分のいい景色を愛でたい」だけの気持ちだったので、芝居をみるのではなく眺めているに近い感覚。 . . . 本文を読む

「花魁生命体」地動説

2007年03月02日 | 映画
『さくらん』はとても好きな映画だ。珍しく、もう一度見たいと思っている。 何がよかったか? 「吉原」という場所が、きちんと主役をはっていたところだ。 この映画はまごうことなき【江戸吉原幻想】であり、おそらくそれをここまであけっぴろげにやれたのは、原作者含めて、作り手たちが全員女性だったせいだろう。 . . . 本文を読む