詩の自画像

昨日を書き、今日を書く。明日も書くことだろう。

扇風機(推敲中)

2017-07-24 12:42:44 | 

扇風機

 

 

夏になると

人は無意識に体の中に

風を送る

だから体の中では

水が波立っている

 

そこにぐるぐると

タイマーで縛られた風が

回転しながら強まってくるから

周りがぬるま湯であっても

気化熱と同じ

条件が出来上がる

 

回転軸はゆっくりだが

少し眩暈を起こす時があっても

いっときの事

風が回転すると分かれば

その中に体を沈めていける

 

風の回転が

風呂に変わるから

同期するように水が波立ち

体の百%が

水に包まっていく

 

大昔は団扇

一つ前の昔は扇風機

今はクーラーと横文字に変わった

上手に使い分けできるなら

昔の団扇も

扇風機の代わりになれる

扇風機だって

クーラーの

代わりになれる

 

日本の暑い夏

蚊取り線香だって

昔の面影は残っているが変身した

ここに風鈴の

音色を置けば涼しさが増すだろう

 

体の中で波立つもの

それを意識しながら眠りの時を待つ

扇風機の軽い音が

さざ波のようだ

今年も暑い夏

 

遠くから花火の音が聴こえてくる

いっとき夏が集中する

体の中から

蒸発していくものに

暑い夏が

少しずつ和らいでくる


コメントを投稿