1月24日(木)Pf:小菅優/Vn:大谷康子/Vc:宮田大
東京文化会館小ホール
【曲目】
1. ハイドン/ピアノ三重奏曲第39番ト長調Hob.XV-25「ハンガリー風」
2.ショスタコーヴィチ/ピアノ三重奏曲第2番ホ短調Op.67
3. メンデルスゾーン/ピアノ三重奏曲第1番二短調 Op.49


【アンコール】
クライスラー/ウィーン小行進曲

このコンサートは夫婦で行くのでチケット取りを発売初日に奥さんに頼んだら、2時間近くも電話が繋がらずヘトヘトになっていた。おかげでいい席が取れたが、都民芸術フェスのチケット前売り方法、もうちょっと何とかならないもんだろうか。
苦労して取った中央の席で聴いたピアノトリオの演奏には大満足。この演奏会を選んだ決め手は小菅優。期待通り、今夜も生き生き伸び伸びと、抜群の息遣いと溢れる歌でアンサンブルの要に「君臨」した。と言ってもアンサンブルの中で一人突出した存在感をアピールするわけではなく音量はむしろ抑え気味だが、その中で全く縮こまることなく、楽し気に他のプレイヤーとやり取りしている様子は、いつもながら頼もしささえ感じる。ヴァイオリンの大谷康子は東響のコンサートミストレスとしてはおなじみだが、ソリストとして聴くのは初めて。濃密で甘美な音色とソフトな語りかけが心にとても響いてきた。チェロの宮田大はまろワールドでおなじみ。芯のある音で端正に描かれる筆致には安心して身を委ねられる。
この優れた3人のプレイヤー達が最初に演奏したハイドンでの主役はなんと言ってもピアノ。胸の奥に秘めたものをさりげなく口ずさむ小菅のピアノは芳香が立ち上るよう。大谷さんのヴァイオリンは2楽章の歌いどころで、既に後のジプシーの血が頭をもたげたように濃厚な歌を聴かせていた。宮田さんのチェロはフワリとした柔らかな感触をアンサンブルに与えた。3人はこの曲の聴かせどころ、第3楽章の「ジプシーダンス」でも力みや気負いを感じさせることなく、それでいて思いっきりご機嫌に踊り戯れる様子を伝えていた。
続くショスタコーヴィチでは、演奏によっては無機質な印象を与えてしまい勝ちなところも能動的で熱い血流が伝わってきた。特に第2楽章の心を根こそぎ揺さぶるようなスピード感や、厳粛な中にゆらめく炎が見えたような第3楽章に心引かれた。第1楽章冒頭の宮田さんのフラジオレットの美しさにも耳を奪われた。
圧巻は後半のメンデルスゾーン。軽妙洒脱な装いを見せながら、奥底にぐっと凝縮する熱いハートを感じさせる演奏。1つ1つのフレーズが息づいていて、それらが連鎖して全体の大きな呼吸へと合わさって行く。聴いている方も演奏と一緒に自然と呼吸してしまう。むせ返るような濃厚な香りを放ち、運動性のある生き生きとした動きに乗って音楽は淀むことなく自らの力で進んで行く。曲の随所にある聴かせどころ、泣かせどころをしっかり押さえ、訴えかけてくる3人のパフォーマンスはまさしく役者だ。最後の場面を楽しげに猛スピードで疾走する小菅さんの表情に余裕の笑みを見て、このピアニストの限りない可能性を感じた。
楽しく匂やかなアンコールも秀逸。
東京文化会館小ホール
【曲目】
1. ハイドン/ピアノ三重奏曲第39番ト長調Hob.XV-25「ハンガリー風」

2.ショスタコーヴィチ/ピアノ三重奏曲第2番ホ短調Op.67

3. メンデルスゾーン/ピアノ三重奏曲第1番二短調 Op.49



【アンコール】
クライスラー/ウィーン小行進曲


このコンサートは夫婦で行くのでチケット取りを発売初日に奥さんに頼んだら、2時間近くも電話が繋がらずヘトヘトになっていた。おかげでいい席が取れたが、都民芸術フェスのチケット前売り方法、もうちょっと何とかならないもんだろうか。
苦労して取った中央の席で聴いたピアノトリオの演奏には大満足。この演奏会を選んだ決め手は小菅優。期待通り、今夜も生き生き伸び伸びと、抜群の息遣いと溢れる歌でアンサンブルの要に「君臨」した。と言ってもアンサンブルの中で一人突出した存在感をアピールするわけではなく音量はむしろ抑え気味だが、その中で全く縮こまることなく、楽し気に他のプレイヤーとやり取りしている様子は、いつもながら頼もしささえ感じる。ヴァイオリンの大谷康子は東響のコンサートミストレスとしてはおなじみだが、ソリストとして聴くのは初めて。濃密で甘美な音色とソフトな語りかけが心にとても響いてきた。チェロの宮田大はまろワールドでおなじみ。芯のある音で端正に描かれる筆致には安心して身を委ねられる。
この優れた3人のプレイヤー達が最初に演奏したハイドンでの主役はなんと言ってもピアノ。胸の奥に秘めたものをさりげなく口ずさむ小菅のピアノは芳香が立ち上るよう。大谷さんのヴァイオリンは2楽章の歌いどころで、既に後のジプシーの血が頭をもたげたように濃厚な歌を聴かせていた。宮田さんのチェロはフワリとした柔らかな感触をアンサンブルに与えた。3人はこの曲の聴かせどころ、第3楽章の「ジプシーダンス」でも力みや気負いを感じさせることなく、それでいて思いっきりご機嫌に踊り戯れる様子を伝えていた。
続くショスタコーヴィチでは、演奏によっては無機質な印象を与えてしまい勝ちなところも能動的で熱い血流が伝わってきた。特に第2楽章の心を根こそぎ揺さぶるようなスピード感や、厳粛な中にゆらめく炎が見えたような第3楽章に心引かれた。第1楽章冒頭の宮田さんのフラジオレットの美しさにも耳を奪われた。
圧巻は後半のメンデルスゾーン。軽妙洒脱な装いを見せながら、奥底にぐっと凝縮する熱いハートを感じさせる演奏。1つ1つのフレーズが息づいていて、それらが連鎖して全体の大きな呼吸へと合わさって行く。聴いている方も演奏と一緒に自然と呼吸してしまう。むせ返るような濃厚な香りを放ち、運動性のある生き生きとした動きに乗って音楽は淀むことなく自らの力で進んで行く。曲の随所にある聴かせどころ、泣かせどころをしっかり押さえ、訴えかけてくる3人のパフォーマンスはまさしく役者だ。最後の場面を楽しげに猛スピードで疾走する小菅さんの表情に余裕の笑みを見て、このピアニストの限りない可能性を感じた。
楽しく匂やかなアンコールも秀逸。
すごかったですねー!
チケットはe+で取りましたが、特に苦労しなかったような気がします。
e+はよくわからない余計な料金がいろいろかかるのでできるだけ避けてます。でも自力では取りにくいチケットを取るには便利ですね。