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癒しの国・台湾旅行2011 ~鹿港~

2011年08月04日 | おもしろすぎる台湾

癒しの国・台湾旅行2011 ~鹿港~

古い街並みが残る鹿港(ルーガン)という小さな町は、ネットやガイドでもよく紹介されている。NHKの「世界街歩き」でもやっていた。台中が最寄の大きな町ということだが、バスで片道90分となると、現地でゆっくり過ごすにはほぼ1日がかりになる。
老街に残る井戸「半邊井」の跡

台中から鹿港へ
朝、台中公園を少し散策したあと、台中駅近くで鹿港行きのバスを探した。何度も人に尋ねながら、やっと「鹿港」と書かれた標識の立つバス停に来た。けれど、ずっと待ってもバスは来ず、第一、そこでバスを待っている人が他にいない。本当にバスは来るんだろうか…

「鹿港行きのバスはここでいんでしょうか」と訊ねたおじさんが、何とタクシーの運転手で、「鹿港?タクシーで行くよ。40分で行くよ。800元でいいよ…」と、熱心にタクシー乗車を勧めてきた。「いや、いいです。僕達はバスで行くから…」どんなに断っても、そのおじさんはその場を離れようとしない。「じゃあ700元にするよ。4人でバスに乗ったら800元かかるよ。タクシーの方が速いし安いよ」 タクシーの方が安いわけないじゃないか… と思いつつも、「いや、ホントにいいんです」と断るも運ちゃんはあきらめず。

台中では市内の移動によくタクシーに乗ったが、商売熱心な運転手が多かった。「駅まで」というと、「そこからどこに行くの?」「日月譚はいいよ、~元で行くよ。」「明日はどんな予定?」「・・・はいいところだよ、…元で」などなど、とにかく遠くへ連れて行きたがる。台北ではまずこんなことはない。台中のタクシーはお客をつかまえるのがタイヘンなのかも知れない。

待ちに待って、ようやく鹿港行きのバスが来た。乗ってしまえば運ちゃんも止められない。とっても残念そうな顔で見送ってくれた。バス代は全部で333元、バスはボロかったが、やっぱりこっちの方がずっと安いじゃないの。

バスは途中、彰化というレトロ調の大きな駅を経由した。ガイドにもどこにも書いていなかったし、ホテルでも教えてくれなかったが、台中から鹿港へ行くには、彰化までまず台鉄で来て、バスに乗り換えたほうが早いんじゃないかな… とにかくおんぼろバスで鹿港まで本当に1時間半かかった。

鹿港




鹿港観光は中山路から始めた。ここはとても賑やかな通り。観光客ふうのヒトも多い。楽しそうなお店やおいしそうなお店もたくさんある。お寺も多い。





天后宮
中山路の端までくると、そんなお寺の中でもとくに大きな天后宮があり、周囲には屋台も出ている。境内は奥にずっと続き、拝殿がいくつも連なった台湾の大きな廟でよく見かけるスタイル。

広い境内には中学生ぐらいの団体が押し寄せていて、太鼓を叩きながら、生徒たちが順番に一人ずつ大声で、だけどちょっと恥ずかしそうに何やら叫び、周りの生徒達が盛り上がっていた。好きなヒトへのメッセージかな?










腹が減ってきた。歩いてきた中山路を戻り、エビやカニが店頭に並んでいたお店で昼メシにした。店頭で小さいエビやカニを指差しながら、片言の中国語で海鮮フライの盛り合わせと麺線を注文、エビ団子スープと青菜炒めも頼んだ。カリカリに揚がったフライは香ばしくて美味。エビ団子はフワフワでエビ感たっぷり。麺線のスープもいい出汁が出ている。お店の人たちはみんなニコニコ顔で接してくれて「台湾」を実感。


お腹は満たされたが、デザート気分で同じ並びにあった豆花(トゥファー)の店へ入った。台南で安平の豆花を食べて以来すっかり豆花ファンになった僕たちは、シュルシュルっと、冷たくて甘くて、フワッと柔らかい豆花を口へ運んだ。うまい!






老街
中山路の西側に平行して南北に走る埔頭街、瑤林街、大有街にまたがるエリアは、「老街」と呼ばれ、古跡保護区に指定されている。中山路から細い道を右へ入り、その老街に出ると、赤レンガの落ち着いた色合いの古い建物が並ぶ、いかにも歴史地区という感じ。


喫茶店やお土産屋、陶芸のお店など、観光客がフラッと入りたくなるような店が並んでいる。実際、観光客が多い。道案内の看板や、番地表示のプレートも統一感があり、整備されている。










古い街並みを再現した映画のセットに迷い込んだようだが、ここはセットではなく、本当に歴史を重ねてきたところだ。家の扉や窓、門などがどれも特徴があり、絵になる。こういうところはゆったり気分でブラブラするのがいい。





pocknが好きなタンフールー(飴かけトマト)は息子も最近のお気に入り

2階家が並ぶ老街に、1軒だけ他の家々に抜きんでてひときわ目立つ3階建ての歴史的な家があった。

九曲巷


曲がりくねった細い道が迷路のように入り組んでいる昔ながらの界隈・・・ と聞いただけで、古い町の路地好きのpocknとしては是非とも行ってみたくなるところ。九曲巷はその昔、強風や砂ぼこりを防ぐためにわざと曲がりくねった道にしたとのこと。老街を出て賑やかな通りを少し歩くと、「九曲巷」の看板があり、入口がわかるようになっていた。



老街が、観光用に整備された界隈であるのに対し、九曲巷は観光的な要素は殆どなく、そこでの人々の暮らしがそのままの姿で伝わってくる路地裏




キョロキョロしながらカメラを構えて歩き回るのが申し訳ないほど、人々の生活が間近に伝わってくる。それだけにノスタルジックな臨場感が迫っている。台南郊外の安平の路地裏を歩いていたときと似た風景やにおいが漂っていた。


芭蕉の句がどうしてここに?でも妙に似合っている…


龍山寺
九曲巷をくまなく探索し、そこの匂いを全身に浴びたあとは、龍山寺へ。ここは鹿港のほぼ南端にある。北端の天后宮から、いろいろわき道にそれながらも、南端までやってきた。


龍山寺は台湾の一級古蹟に指定されている古刹。山門からして歴史の重みを感じる風格がある。境内の中ほどには、年輪を重ねた老木が左右対に植えられて枝を四方に伸ばし、境内の景観ポイントを高めている。

その境内にある東屋のような前殿の屋根を中から見上げると、精巧で見事なレリーフと彩画が施された、八角形の特徴ある形の木組みの天井が。


これは「八角井」といって、平安を表している。ここの八角井は台湾でも名高いのだそうだ。この屋根の下にお年寄りが座ってのんびり話をしていた。


本堂も由緒ある古めかしい質感があり、彫刻の施された柱や、壁画、天井画も見事。本堂の奥には更にいくつかお堂があり、広いお寺だな、と実感する。

静かな空気がゆっくりと流れているのを感じるこの龍山寺は、ひととおりぐるりと回っただけで出てしまうのはもったいない。本堂と巨木のひとつを眺められる境内の一角で座り心地のいい椅子を見つけ、そこでスケッチタイム。

息子も隣で何か絵を描いているが、やっぱり電車か… 

奥さんと娘は周辺の散歩に出かけている間、ゆっくり流れる空気に身を任せながらスケッチブックに絵筆を走らせた。


玉珍齋
そろそろ台中へ帰るので、来た道をバス停方面に戻った。

賑やかな中山路に面した角地にある、立派な店構えのお菓子屋さん「玉珍齋」に入り、中華菓子をいろいろ買い込んだ。おいしそうなお菓子が並んで目移りしてしまうが、いかにもスイーツ系という顔をしていて、実は中の具が肉ということが台湾では少なくないので、要注意。原材料名のチェックは欠かせない。鹿港でよく見かけたお菓子は牛舌餅。これは安平でもよく売っていた。

お菓子屋さんを出たら、ちょうど台中行きのバスが走っていた。慌てて合図して乗せてもらった。ホッ…

鹿港は思ったとおりのいい町だった。だけど、まだ見れなかったところもたくさんあるし、過ごしたかった場所も残っている。食べたいものも!悔しかったのは、行くつもりだった超狭い「摸乳巷」という通路に行きそびれたこと。龍山寺の近くだったのに、せっかくプリントアウトしてきたWeb情報を現地でよく見ないまま、帰りのバスに乗ってしまった。鹿港は是非また訪れたい。


台北国際花博
台中/台鉄駅周辺
台中/精明一街周辺
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