『今日の一冊』by 大人のための児童文学案内人☆詩乃

大人だって児童文学を楽しみたい、いや、大人こそ読みたい。
ハッとする気づきのある絵本や児童文学をご紹介♪

傘の絵本三冊

2016-03-15 15:39:11 | 絵本
昨日は寒い雨でした。
でも今日はポカポカ!昨日びしょびしょになってしまった傘たちを干しました。傘を干している風景って好きなんです。
傘が並んでいるだけでなんとなく幸せな気持ちになる

というわけで、傘の絵本を三冊ご紹介

  


『かさどろぼう』はスリランカの楽しいお話。まだ傘を知らず、バナナの葉っぱを傘替わりにしていた村に、キリ・ママおじさんという人が町へ行って「これは便利だ」と初めて傘を買ってきます。ところが、コーヒー屋さんでコーヒーを飲んでいる間に傘が盗まれてしまって・・・。この絵本、先に子どもに渡してパラパラ絵をめくらせてはいけませんよ。誰が傘取ったんだろう!?絵を見てネタバレしてしまうと、というドキドキが半減してしまいますから。展開も面白いですし、何よりのんびりしたスリランカの村の雰囲気が良いです

『あまがさ』(やしまたろう)のほうは、はじめて自分の傘を持った女の子のお話。初めての心躍る感じ。名作と言われてますが、子どもたちはこの絵本どう感じてるんだろう?と気になります(反応なしなので)。

『おじさんの傘』は佐野洋子さんですね。佐野洋子さんは『100万回いきたねこ』が有名ですが、個人的には『友だちは無駄である』などのエッセイが大好きです。『おじさんの傘』は傘が大事すぎて、みんなに見せびらかしたいから持ち歩くけれど、汚したくないから雨が降ってもささないおじさんのお話。
「雨が降ったらポンポロロン」
子どもが聞けばユーモラスでおかしくて、大人が読めば、モノは違えど同じようにしているものがあるとドキッとする絵本。そんなおじさんの心を開くのは、誰かに「こうしたら?」とかけられた言葉ではなく、傘をさして楽しそうな子どもの姿。自分が楽しむって周りの人をも知らず知らずのうちに変えてしまうほどの力があるんですね。深いです

ところで、この『おじさんの傘』は教科書にも掲載されているそうですが、教科書には肝心な場面の絵が載っていないんだとか。それはおじさんが傘をついに開く場面。傘を開く=心の開放で、ここからおじさんはどんどん表情が柔らかくなっていくというのに、その肝心な絵がないそうです。絵本の絵は省略するものではないんですねえ。

傘の絵本を読めば雨の日も楽しくなりそうです♪

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