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駆け出しの弁護士が思いつきで書くブログです

弁護士業務について④

2016-09-10 03:11:01 | 弁護士業務
今週も長い一週間が終わりました。
皆さんお疲れ様です。

働き始めてからというものの、土日は比較的自分の時間を作れていますが、いずれか1日は職場に顔を出しています。
弁護士の中でも、休むときは休んでメリハリを付けて仕事したい人、だらけるのが嫌で毎日何かしら仕事をしていたい人・・・働き方はいろいろです。

根本的には「自営業」なので、仕事のペースを自由に決められるのが弁護士の強みといえるのでしょうか(なお、私のような雇われ弁護士には、そのような余裕はありません笑)。

導入はこれくらいにして、今回は普段の執務の様子について書きたいと思います。



・「パートナー」と「アソシエイト」


既にご存知の方も多いと思いますが、弁護士事務所は「パートナー」と呼ばれる肩書の弁護士が設立・運営しています。パートナーは事務所の経営者であり、自らの営業努力でクライアントを引っ張ってきます。
他方、弁護士になって間もない若手弁護士は、「アソシエイト」という肩書で働くことが通常です。アソシエイトはパートナーが持ってきた仕事を処理しつつ、パートナーの仕事の採り方を学びます。

事務所によっても異なりますが、アソシエイトでいる期間は5~10年であることが一般的のようで、ある程度年次がいけば留学や出向を経験し、やがてはパートナーに昇格します。

ただ、時が経てば自動的にパートナーになれるわけではなく、他のパートナーから共同経営者として認められるだけの能力に加え、自らクライアントを採れる営業力も必要になります。

大手事務所では、留学に行くまでは順風満帆でも、アソシエイト時代にクライアントからの信頼を得られなかった人は、ある程度能力が高くても閑職に追いやられたり、肩たたきにあったりするようです。

ですので、アソシエイト時代には、仕事を覚えるのに加え、クライアントとのうまいお付き合いの仕方を学ばなければなりません。ここらのセンスや感覚と言ったところは、最初に指導してもらうパートナーによって、成長率に大きく差が出ると思います。


・アソシエイトの仕事

私の場合、パートナーから降られた仕事を淡々と処理していくうちに一日が終わります。
私が所属する事務所は所属弁護士が十~数十人のいわゆる中規模事務所なので、比較的パートナーとの距離感が近く、わからない点があれば気軽に質問しに行けるなど、コミュニケーションがとりやすい職場だと思います。

大規模事務所だと、顔も名前も知らないパートナーからメールで指示を出されると言ったこともあるようです。

規模がそこまで大きくない事務所だと、必然的に打ち合わせへの同席や電話対応など、1年目のアソシエイトでもクライアントと接触する機会が多いように感じます。私も最初のうちはビクビクしながら応対していましたが、徐々に慣れてきて、今となっては会議でもパートナーと並んで普通に発言出来るようになっています(慣れって怖いです)。

ちなみに、大規模事務所だと、ひたすらリサーチだけ指示されて幅広い業務経験が積めない、と噂されることが多いみたいですが、知り合いの弁護士の話によれば、最近ではアソシエイトに会議に積極的に参加させるなど、従来の「アソシエイト使い捨て型」の慣習からの脱却を試みているらしいです。この点については、「大手に行くと偏った仕事しかできない」というのはやや偏見が強い感じがあります。

ただ、クライアントとの距離感や、案件を任される責任の大きさは、中小規模事務所の若手の方がやはり近い・大きいという感じはします。事務所の規模はともかく、いずれはパートナーとして自分の力でクライアントを集めないといけないことを考えると、若いころ稼げる経験値については中小規模事務所に軍配が上がると思います。


・事務所の雰囲気

私の事務所は、比較的静かな職場環境です。キーボードをたたく音と、電話に受け応える弁護士の声のみが執務室にこだましています。
修習でお世話になった事務所が賑やかな所だったので、働き始めた当初はある種のカルチャーショックがありましたが、今となっては慣れてしまい、逆に過ごしやすいように感じます。
この点の好き嫌いは人によりけりだと思うので、就活をされている方は、面接等で職場の雰囲気を聞いてみるのも良いかもしれません。

ちなみに、事務所の始業時間は10時頃が一般的のようですが、早いところだと8時半のところもあれば、逆に外資系事務所などは11時に出社する方もいるようです。ご参考までに。


・給料

額はさておき、アソシエイトは基本的に給料制が多いのではないでしょうか(1年分をまとめてポーンと渡す事務所もあれば、月給+ボーナスというところもあるようです)。
また、年次によって昇給するところもあれば、アソシエイト期間は一定額で昇給なし、としているところもあると聞きます。
就活されている方は面接等では聞きづらいことでしょうが、結構大事なことだと思うので(笑)、先輩や同期のネットワークを駆使して情報収集されておくのが良いかと思います。


今回はここらへんにして、続きはまたの機会に書きたいと思います。

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