皮膚呼吸しか知らない蛙

アスペルガー症候群当事者が、2次障害に溺れることもありながら社会に適応していく道のりを綴っていきます。

ウェクスラー成人知能検査 -動作性下位検査特徴 絵画配列-

2008-11-18 00:44:28 | ウェクスラー知能検査

ストーリーを描いた数枚の絵カードを意味が通る順番に並べかえる(結果予測、時間的順序・認識・時間概念)


この種のテストは、全体的場面を理解し、評価する能力を結果的に測ることである。被験者は、その作業を効果的に処理する前に、全体を理解し、物語のアイディアをつかまなければならない。もちろん、そこには若干の試行錯誤の経験がある。しかし、他の大部分のテストよりも、被験者に全体場面についての評価の試みが要求される。
このテストの重要な問題は、ほとんど常に人間的な、あるいは実際的な場面を含んでいることである。これらの場面の理解力は、他の著者たちが“社会的認知(social intelligence)”に属するとしているものにほとんど一致する。
社会的知能は、ちょうど一般知能が社会的場面に適用されたものであるとする

手引きに示されている配列は、個々の系列で認められている合理的な順序のうち、かなりよいものを包括している。しかしながら、時には被験者が異なった配列を作ってそれに納得させる説明をしても、これに対して手引きでは得点を与えることが許されていない。たいてい、このような被験者の反応を認めなくても、そのテストにおける得点合計には実際上影響しないであろう。
首尾一貫した異様な説明は、ある種の特殊な精神的傾向あるいは心理的異常傾向さえ示唆する。


絵画配列を構成している1つ1つの絵の中に表現された概念または物語を把握し、それに従うということは、まずその絵が描かれた文化的背景にその被験者がどれほどなじんでいるかということに大いに影響するように思われる。しかし実際には、この様な相互関係の影響は期待されるよりも少ない。それは、描写された絵の状態の影響によるか、または、しばしば主張される“おもしろいこと”のユーモアが多少普遍的であるという事実によるものかもしれない。


このテストは経験に大いに依存した社会的認知特性が垣間見られ、いかに“一般的”や“普通”といわれる社会性に適応できるかが示されると感じます。
単純にテストの点数が良い場合は、良くいえば社会性が発達している。悪く言えば適応能力が不足している。と捉えることになるかも知れません。
“みんな一緒・同じ視点”を要求される日本社会においては、かなり重要な能力になると思いますが、その視点を知りつつも違った視点を持つ人、独特の視点を持つ人、の必要性も社会全体が薄々感じていることだと思うのですが、その部分だけが突出してしまうと『出る杭は打たれる』と言う状態になってしまったり、現実的思考ができない“妄想的思考”、または“穿った思考”と捉えられることはあると思います。

被験者の社会的認知特性の把握に大いに参考になる設問だと感じました。
ワタシの場合、『首尾一貫した間違い』というのが認められました。

 



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
絵画配列・・・ (はるぼん)
2009-06-22 21:47:56
こんばんは。
ウェスクラーのカテゴリー紹介させていただきました。

実は本日WAIS-Rの結果が出まして。この絵画配列・・・全検査で一番良かったのです~~
どう考えるべきか・・・
悩みどころです。
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予想と違うということは収穫が大きいかも (pluto)
2009-06-23 22:25:53
>はるぼんさん
こんばんは。
WAISに関しては色々思うところがあるんですが、どの検査が良かったかということより、どういうところで持ち味が発揮できたかを、全体的に把握してみることが良いかもしれませんね。
検査結果を纏めるのって、数学の証明問題みたいなものなんですよね。
また少し書いてみます。
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Unknown (通りすがり)
2012-03-24 16:42:15
自分が間違えていた問題は『「普通」な人間ほど正解するテスト』と定義することで誤魔化そうとすることで安定する認知の凡庸さから、あなたの場合は穿った独特な見方をするから間違えたのではなくただ理解力が足らなかっただけだろうと推察されます。
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Unknown (pluto)
2012-04-03 12:19:12
>通りすがりさん
こんにちは
おっしゃる通りかも知れないです。
穿った見方や、認知の凡庸さ、理解力の欠如。
その上で、どうあるか、ということを考えたいと思います。
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