現代アート道楽の日々。

首都圏の展覧会の感想など。しばしば遠征。【不定期更新】

きのうよりワクワクしてきた。@大阪・民博

2005-04-17 | アート感想@遠征
大阪の万博公園内にある国立民族学博物館(民博)に行ってきた。

きのうよりワクワクしてきた。 ~ブリコラージュ・アート・ナウ 日常の冒険者たち

会場に入ると、チープな段ボールの仕切り壁の周りに、雑然と展示品が散らかっていた。展示品のタグを見てみると、民博の収蔵品に混ざって、ゴミ捨て場から拾ってきたガラクタも恭しく陳列されているのに苦笑。この展示場デザインは、ダムタイプの創設メンバーの一人、小山田徹とのこと。なんとなく納得しつつ次に進む。

今回の展覧会のテーマの「ブリコラージュ」とは、未開社会でよく見られる思考法で、ありあわせの素材で何かを成し遂げようとすることらしい。言葉で書くと難しいけど、切り裂いたビール缶を編んで帽子を作ったり、空き缶を胴体に使って汽車のおもちゃを作ったりするのが「ブリコラージュ」とのこと。でも、その帽子やおもちゃが、あまりにも素晴らしい出来でしばし感心。

展示室1階は、玄関・キッチン・ダイニング・リビング・裏庭などのスペースに分かれていて、全体で一軒の家をイメージ。それぞれの部屋で、総勢17人のアウトサイダー・アーティストや現代美術作家たちが、民博の収蔵品などを使ってアートを奔放に展開していた。

なかでも面白かったのが、至るところに置かれたフジタマの映像作品と、高嶺格による「夫婦の寝室」。

フジタマの映像作品は、民博の収蔵品の人形がホームドラマを演じているもの。奇妙な顔の人形に、純日本風の名前がついているだけでも面白いんだけど、突然、話が突拍子のないほうに行ったりして思わず笑ってしまった。フジタマは玄関でも切り絵を展開。前日も京都で作品を観たけど、この人、スゴい人かも。

高嶺格の「夫婦の寝室」では、暗くて狭くて長い合板でできた通路を、靴を脱いで這って抜けると、ちょっとしたスペースがあって、《物々交換プロジェクト》の映像を上映していた。高嶺格本人による、ニューヨークでの体を張ったパフォーマンスに思わず苦笑。ここではあえて詳しく書かないけど、民博の収蔵品も効果的に使ってあった。

この他にも、建築の仕事を以前していたホームレスによる「空き缶ハウス」や、生意気による2個のボールで様々な表情を表現した「リビング」が面白かった。

民博の収蔵品がマネキンのように陳列されている階段を上った2階には、手にしたカードがぬいぐるみや花束に化けて画面に映るシステムや、作家のプロフィールなどを紹介する情報コーナーがあった。なかでも、1階から2階の吹き抜け全体を使って作る巨大リリアンは圧巻。リリアン、小学校で流行ったなあ、懐かしい……。

6月7日まで、水曜休館(5月4日開館)。

大阪近辺の方は是非!ワクワクすること請け合い!家族や友達とワイワイ言いながら観ると面白いかも。

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