最近は、飯も食えなくなるまで忙しい状況というのは終焉したようで、9時とか10時とかには、ああ、今日は仕事終わらせることができそうだな、と毎日感じることがようやくできてきたように思えます。
それに伴って、組織変更をしたおかげで色んなところで小さなコンフリクトがしょうじて、みんなちょいちょい10時ころからお酒を飲むようになってきました。
そこでまた魚や道場に通い始めたわけです。
そこでまた新しい女性店長にあいました。
先週のこと。
きんようびということもあり、店内は大勢のおきゃくでごった返しておりました。
そこで、このお店でも沢山のお客さんを待たせていたわけです。
そして問題が起こります。
しばらく待っていて、ようやくお酒にありついた30代のサラリーマン10名くらい。
お店側のテーブルの準備が遅い、と苦情をいったようです。
でもけっこうすでに呑んでいます。
ひとりの幹事らしき男性が、調理場にいた店長に文句を言います。
そこは静かにきいていた店長。ところがあるポイントから態度が変わります。
どうもこの幹事のつれが、ある時点で用意をしていた店員さんに対して、「カスが」といったようです。
店長は遅くなったのは本当に申し訳なかったが、部下にカスといったことは謝ってほしい、と静かに起こり始めます。
そして幹事に、いったやつを連れてきてほしいと依頼します。
おっ、とおもって私はその場に残ることにしました。
すると、さらに態度の悪い男性サラリーマンが調理場近くにやってきます。
そしてなんだよ、カスにカスっていって何が悪い、というような開き直った態度をとります。
それを聞いてぶちきれた女性店長。
調理場においてあった空のビールジョッキをその男の目の前で、思い切り叩きつけ、「そんな人をカスとかいうやつに飲ませる酒はない」「謝ってすぐに出て行け!」と一喝します。
おじけづいたその男は、結局ひとりでぷんぷんしながら帰って生きました。
嗚呼。なんて素晴らしい。
まだこういう人間が若い人でも残っていたか、と私は嬉しくなり、翌日も通って見ました。
すると店長は「恥ずかしいところをお見せしました。でももしあの客に、本社に苦情電話を入れられちゃうと、本当にまずいんですよね」とちょっと困った顔。
私はすかさず、「私は全部見ていたから、何かあったら店長は悪くない、と本社にいつでも電話をするからいってくれ」と伝えました。
この、店長の普通の義憤。これがだいぶ失われつつあったわけですが、ずいぶんこれを見て、私も力をいただきました。
その後いつものぐでぐでの朝まで行くお店でも、、ちょっといいことがありました。
私たちが1時くらいに「うえーい、またきたよお」とまた別の店にはいると、どうやら先客が。
この60歳くらいのはげちゃびん、かつ乱れ髪の溝鼠サラリーマン。
相当酔っていて、まっすぐは立てていない状態。
この店はガードしたなのでそこかしこに柱があって補強しているのですが、そのうちの一本の柱につかまって腰ががくがくいって、ふらふらしているものですから、まるでポールダンスをしているように見えました。
私たちは、この人を「ポールダンサー」と名づけて小ばかにしはじめました。
でも直接にはコンタクトはありませんでした。
ところが私たちのテーブルにもやってきて、若い社員に説教したり、女性社員がカラオケをはじめると後から抱きしめようとしたりします。
さすがにまずいと思ったマスター。隔離政策をとりますが、そこはポールダンサー、そうそういうことを聞きません。
ついにはマスターにむかって「なんだおまえ」とからみはじめました。
そこでマスター、さすがです。隣の店から呼び出した、小料理屋のおかみみたいな和服のおばあさんを自分とポールダンサーの間にいれて緩衝地帯をつくりました。
その後も、こっちにきてちょっとからみますが、私がにらむと私の顔をずーっとみて、またちょっと遠くに行きます。
ハブとマングースのにらみ合いが何度か繰り広げられます。
するとマスターが「おまえそろそろ殴られるぞ」といいながら緩衝地帯に引き戻す、ということを数度くりかえし、結局3時ころには禿げたポールダンサーも帰っていきました。
さすがマスター。熟練の技をみせてくれました。
そのごマスターも「俺ももう寝るから、お前らなにやっても何飲んでもいいから3000円おいてけ」と言い残してその場でいすを並べて寝てしまいました。
治外法権の完成です。
その後、カラオケを朝5時まで謳い続け、最期の楽曲。私の潮来笠、で目覚めたマスターに挨拶をして店を後にしました。
そしてとてもまぶしい朝日を受けながら私は帰途についたのでした。
なんて有意義な日々なのかしら。