「植木等とのぼせもん」

植木さん・・・

多くの方には「スーダラ節」等の明るくハッチャけた印象が強いと思います。
はぎおもそうですが、反面、時代劇などで見せる渋いお芝居も好きでした。

 

その植木さんと、彼を取り巻く人々をドラマ化した

「植木等とのぼせもん」

原作は、元付き人の小松政夫さん。
植木さんを父と慕っていた方なので、その当時のお話もリアリティとユーモアをもって描かれてた、そんな気がします。

以前、満島ひかり版の「トットてれび」でも感じましたが、実在の人物を描いたストーリーをコンパクトに凝縮して楽しませてくれるのは、さすがNHKという印象。今回も30分の８回で、余計なことは描かず、余白部分は「観る側に想像させる」という感じ。そして、セットとはいえ、細部にまでこだわって作られてる「手作り感」が素敵です。

 

植木さんを、似ても似つかない（失礼）山本耕史さんが演じるという事で、まぁ驚いたし、世間でも賛否両論でしたが、そこは芸達者
歌はうまいし、楽器はできるし、お芝居は似せてるようで、あえて似せてない、ご自分の演技で、「人間：植木等」を演じられてた気がします。
相当なプレッシャーだったと思いますが、「物まね」されるより、ずっと、植木さんの人物像に迫れたような。

ご実家がお寺で、ご本人もとても「真面目」な方だったそうですね。
ゆえに、一度つけられた「無責任男」というイメージは、しんどかったでしょうね・・・
でも、あの笑顔と歌は、なんというか、こちらも無条件に笑顔になれる
みんなの心にず～っと残ってます。

 

他の方々も、まだ、印象に残っている、またはご存命の方が多いので、演じられた方たちも相当プレッシャーあったでしょうねぇ。

ハナさんを、これまた芸達者の山内圭哉さんをキャスティングするところが、ＮＨＫらしくて憎らしい
ちょっとカッコよすぎるけど（またまた失礼）、違和感ないのは、やはり演技力ですね。

 

小松さんは、これまた似ても似つかない（ほんとに失礼）志尊淳くん。可愛くてはじけたお芝居は「特撮ヒーロー」の域から抜け出せたのかな～って思います。

 

脇を固めたベテラン陣はさすがですね
「無責任シリーズ」を撮った古澤監督を演じた勝村さんの弾けっぷりったら本当にあんな監督だったんですか
小松さんの母を演じた富田靖子さん。もう母を演じるベテランになったんだなぁと。出演シーンは僅かでしたが、とても印象に残ってます。

そして、なんと言っても、伊東四朗さんの存在感たるや。メンバーやご家族をご存知なだけに、演じていても感慨深かったでしょうね。

 

以前も書きましたが、昭和の５０年代くらいまでは不便で貧しかったけど、なんだか毎日が楽しかった。
な～んにも考えてない「ポンコツ」だったからかもしれないけれど。
そして、流れていた音楽も耳障りが良くて印象深いし、みんながテレビに夢中になってたあの時代。

昭和のドラマって懐かしさもあるけれど、あんなのんびりした時代に戻ればいいのになぁ・・・って思ってしまう今日この頃・・・

 

関連： 9/16　映画「会社物語　MEMORIES OF YOU」