「鉄道マニア」が主人公だけど、恋愛あり、友情あり。
ユルくて、気持ちが温かくなる作品。
美しい景色を見てるだけで、旅行に行きたくなる?!
森田監督の遺作ということもありましたが、最近「列車旅」づいてるはぎおとしましては、これは観ないと
と思っていた映画でした。
そんなに詳しいわけではないですが、列車を見るのは結構好き
乗るのも好き車窓を眺めながら、また、読書しながら、ちょっと硬めの椅子で、心地よい振動に揺られての移動に、最近はまり気味
旅番組やガイドブック、時刻表を見て「妄想旅行」をするのも楽しい~
あ、やはりマニアですかね
ちなみにストーリーはこちら↓(ネタバレありです)
のぞみ地所の社員、小町圭(松山ケンイチ)とコダマ鉄工所の二代目、小玉健太(瑛太)は、ともに鉄道を愛する者同士。ふとしたきっかけで出会った2人は、すぐに仲良くなる。住まいにも、鉄道が見える景色“トレインビュー”を追求する小町は、コダマ鉄工所の寮に入居したものの、やがて九州支社に転勤することに。転勤先の九州では、大手企業の社長(ピエール瀧)をなかなか口説き落とせず、のぞみ地所は苦戦していた。ところが、社長も鉄道ファンだったことから、小町や小玉と意気投合。事態は一気に好転する。仕事も趣味も順調そのもの。これに対して、恋の方は思ったように進展せず、2人は途方に暮れていたが……。(goo映画より)
いや~本当にユルイ、のんびりとした映画でした
「そんなにうまくいくわけないじゃん」と思いたくなる展開でしたが、それも心和む感じで、ラストはこっちまで嬉しくなりました。
この映画を見てると、「鉄道マニア」って一括りにはできないほどたくさん種類があるんだなぁと改めて実感。
撮る、乗る、車両好き、音好き、コレクター、Nゲージ…
そんな、タイプの違う鉄オタの、ちょっと不器用な二人が主人公のお話。
それにしても細かいところまで鉄道・マニアに凝っていて笑っちゃいました
登場人物の名前が、みんな「列車」の名前だったり、
地下鉄に乗っているオタクさんが、見えない運転席を何とかしてみようとしてたり、
九州の美しい列車を、美しい景色、いい角度で撮影してたり…
細部にわたっての「鉄道愛」が愛おしく思えた自分も、ある意味マニアなのかしらと。
車庫にいろんな列車が停まっているとワクワクするのです
で、この映画で一番印象的なシーンは、買収しようとしていた、本当に緑いっぱいの山の中の田舎に、黄色い電車
が入ってきた美しい「コントラスト」。
九州って、赤・黄・緑など、本当にカラフルな車両が多く、それが普通に走っていてうらやましい限りです。
あ、映画とはかけ離れましたがちょっと不器用な二人が「鉄道」という共通の趣味を通じて友情を深めるとともに、ひょんなことから仕事の幅を広がっていくきっかけになるというストーリーも素敵でした。
「真面目な仕事ぶり」が「趣味」をきっかけに評価されるわけですが、チャンスってどこに転がっているかわからない。
何に対しても「誠実さ」は必要ですね
はぎおも、それまで話もしたことのない同僚や学校の仲間と「舞台」「宝塚」の話題で急速に仲良くなったことが何度かあります。
「趣味」って立場や役職を越えて盛り上がれるという点で、素晴らしい共通項かも知れませんね。
主役の松ケンと瑛太さん、不器用で純粋な感じが良かったなぁ…母性をくすぐられる
脇役もまた適材適所でした。
中でも、女好きの鉄工所の社長役の笹野高史さんと、女性社長のご機嫌を取り、接待・飲み会に命を懸ける重役役の西岡徳馬さん、鉄道大好きな地元企業の社長役、ピエール瀧さんが面白かった
特に西岡さんのあんなニヤけたチャラい顔、見たことないなぁ。
あと、九州支社の支社長役、三上市朗さん、いいですねぇ~
ところで、一つ気になったんですが、セリフが全部「教科書」みたいな感じで、とても「会話調」には聞こえなかったです。
実は、森田監督の映画をあまり見たことがないのでよく分からないんですが、全部そうなのかなぁ??
でも、それがかえって印象的で、セリフが耳に残りました
さて、この映画でのマニアは全員男性。
女性はみんな「鉄道ファン」と聞くと、引いてしまうかのように描かれています。
まぁ、雰囲気のあるデートを望むような女性だと、「つまらない」「趣味と自分とどっちが大事なの
」と思いたくなるか。
逆に主人公二人はそういう女性に対して、「自分たちは女性じゃないから、彼女たちの気持ちがわからない」と開き直り
ところが…はぎおといえば、鉄道だけでなく野球
相撲などなど、男性が好きなものにも興味津々、どころかガッツリはまって見るタイプ。
映画を見終わった後、『やはり気持ちが男性的なのかなぁ…・』と思いながら、列車の余韻に浸っていました。