魯迅『阿Q正伝』(光文社古典新訳文庫)読了。
『阿Q正伝』を約二十年ぶりに再読した。正直、内容を忘れてしまっていたが、ここ最近中国映画の傷痕ドラマを見ていたこともあって、再読して『阿Q正伝』の内容が非常に良く分かったように思う。そして、よくぞこの短い分量で地方の人々の負の一面(倫理的欠陥)を余すところなく描ききっているなと感心してしまう。短編はこう書かれるべきというお手本のような作品である。
そしてどういうわけか、個人的に『阿Q正伝』を読んだ後、ツルゲーネフの『処女地』や『けむり』を思い出した。『処女地』や『けむり』が魯迅にあたえた影響はわずかばかりもないと思ってはいるが、ツルゲーネフ作品はツルゲーネフ作品としていつの日か読み返してみたくなった次第である。
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