この方はイタリア首相ベルルスコーニ氏である。彼は現在18歳の売春婦と関係を持ったかどで訴追されている。その首相自身が上機嫌で、先日もテレビカメラに向かってこんなジョークを飛ばしていた。
世論調査によれば、イタリアの女性の3分の1は自分と寝てもいいと答えていて、残りは、またそうしたいと答えたそうだよ――。
カジノの命運を左右するような大金を賭けるギャンブラーを「クジラ」と呼ぶ。欧州連合(EU)では、イタリアがこのクジラに相当する。経済の規模と債務の金額が非常に大きいために、単一通貨ユーロとEU自体の運命がこの国の行く末に左右される状況にあるからだ。
今年の初め、ECB次期総裁の最有力候補がイタリア中銀総裁のマリオ・ドラギ氏であることが明らかになった時、ドイツのタブロイド紙「ビルト」は次のように嘆いた。「マンマミーア(なんてことだ)! イタリア人にとって、インフレは暮らしの一部で、スパゲティにトマトソースをかけるのと同じようなものだ」 インフレを巡る議論は、両国の間にある文化や気質の大きな違いともかかわりがある。例えば先日、ドイツの国防相が博士論文で盗用を行っていたために辞任を強いられた時、イタリア人は少し驚いた。イタリアではベルルスコーニ氏が、収賄から性犯罪に至るまでありとあらゆる疑いをかけられながらも、いまだに政治家として生き延びているからだ。
ところがベルルスコーニ氏は、切り抜ける手はあると常に確信しており、これまでは実際に何とか切り抜けてきている。同じことがイタリアとその財政についても言える。この国は長年、慢性的な債務を抱え、ベルルスコーニ氏と同じように、ずっとその咎を受けずに来ている。ベルルスコーニ氏は「時効」という解決策がお気に入りだが、イタリア政府の最終的な解決策はインフレになるのだろう。
以上、ファイナンシャル・タイムスより抜粋
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5860
ドイツ人は歴史的背景によりインフレに恐怖感を持っています。
こんなユーロは、危なくて買えません