探偵ゴッコじゃありません

ヤラセや煽りがなく、知りたい権利に応える正しい探偵とは?

理想的な調査会社、法に触れない調査業について  その一

2005-07-20 07:22:07 | Weblog

 ・ 法に触れない調査

 「やってはいけない調査」或いは「非人道的な調査」は、法に抵触しなければ問題ないのか?ということを前項で述べました。私がよく使う言葉に「渡世の仁義」というものがあります。

 人間関係でもそうですが、仕事においてもこの仁義は守らなければならないと思うのです。具体的にどういうことを守るべきかというと、まず人の道に反することをいくら企業の利益といえども行うべきではない、ということ。

 やくざ映画でこの「渡世の仁義」という言葉がよく出てきて、「筋を通す」「堅気の方には迷惑をかけるな」「義理を重んじる」などということも台詞に使われます。

 しかし現実のやくざは逆です。筋を通すのはあくまでもやくざ世界の上下関係だけで、自分たちの世界の「シノギ」の為には弱いものを陥れ食い物にしています。当たり前のことなのですが、やくざが庶民を食い物にせずして何で食っていけるのでしょう。所詮世間の落ちこぼれの半端者の集まりなのですから。

 大きな社会問題になった「闇金」は、金に困っている弱いものをさらに落とし入れ、金融用語でいうと「ケツの毛まで抜いたれ!」的な極悪非道なことを平気で行っているわけですから、なにがやくざ社会が渡世の仁義ですか。(笑)

 強いものには尻尾を振り、たとえば武富士のような金に物言わす企業にくっついて、問題が起これば組同士で話をつけ、高額な顧問料を得ているのです。
 やくざが弱いものに味方して金になるはずはなく、「しのぎ」のためには強い側にゴロニャンして非人道的なことでも平気で行うのです。これは過去も現在も同じでしょう。

 マスコミや映画界はやくざ世界を美化し、そこに何か高尚なポリシーでもあるかのような描き方をしている。私の前職である街金でも、必然的にやくざの方々と接触がありましたが、どいつもこいつも糞(クソ)みたいなやつばかりでした。

 基本的な考え方は「自己の利益のためにはなんでもする」という姿勢でした。これは探偵調査業界にも同様な姿勢が窺われ、残念なことです。

 話は横道に逸れてしまいましたが、「人の道に反すること」は、探偵調査業においてはどのような調査が該当するのか。

 これも前項で述べました。あくまでも私論かもしれませんが、「別れさせ屋」「恨み晴らします屋」「復縁・縁切りなどの工作屋」などは、あたかも依頼してくる人を救っていると錯覚されるかもしれませんが、それは依頼人側だけからの見方であって、被調査人すなわち工作をされる側にたつと、もしかするとそちらが被害者となることが多いような気がします。

 それに北朝鮮や昔のソ連共産党の工作員じゃあるまいし、なにが工作ですか。やっていることは自然な人間関係の余計な関与と破壊ではありませんか。それに何か付加価値があるかのように煽って、安っぽいドラマや映画の世界に引き込んでしまうかのようです。

 いくら法に抵触しないからといって、「金のためなら何でもやりまっせ」という姿勢が、警察庁や行政からいつまで経ってもお荷物的業種と思われるのです。(工作によっては記述のとおり、「離婚問題にまで介入するのは弁護士活動で、弁護士法違反になる。無理に別れさせようとしたら刑法上の脅迫や強要の疑いも考慮に入れなければならない。それに公序良俗的にみても問題が多い」という点も考えなければなりません)

 業者のほとんどが、「馬鹿な依頼人から取れるだけとってやれ」という企業姿勢であることも見逃せません。本当に社会的意義を認識し、法に触れないだけではなく公序良俗にも反しない良識と責任ある調査を行っている業者はほんの一部であることを改めて述べておきます。

 つづく・・・。


やってはいけない調査 続々編 その二

2005-07-07 11:19:26 | Weblog
 さて、探偵とは名ばかりの、いわゆる便利屋稼業的な依頼を受けている業者も多いです。

 先ず「復縁工作」ですが、これは「別れてしまった元夫婦、恋人、その他の人間関係」を工作員が修復するというものです。どのように関係修復に結び付けるかは分かりません。
 具体的な方法明示はなく、「ご相談ください。プロの調査員がお話をお聞きします」とだけあります。

 「縁切り工作」-これは「付き合ってみたがこんなはずじゃなかった。別れに応じない」「夫或いは妻に飽きた。縁を切りたい」というようなものですが、別れさせ屋と違う点は第三者が絡んでいないということです。これも具体的に方法明示はありません。

 「復讐工作」-「捨てられた相手に復讐したい」「精神的苦痛を受けた相手に復讐したい」
レイプ、或いは性的被害を受けたので復讐したい」「仕事でひどい仕打ちを受けたので復讐したい」等々ですが、笑ってしまいますね。

 実際にこんなことを依頼してくる人がいるのでしょうか?しかも、調査コンテンツとして謳っているということは、現実的に需要があるのでしょう。
 こんなこと司法とか、警察の範疇ではないのでしょうか?

 依頼人が、被害者意識が強かったり思い込みが激しかったりしても、金になるから依頼を受けるのでしょうが、かなり問題ですこれは。依頼してくる相手と依頼内容をキチンと吟味検討して受けないと、犯罪になってしまうおそれがあります。

 「夜逃げ工作」-これに関しては違法とも合法とも判断がつかないので、私もなんとも言えません。債務を抱えてどうしようもなくなった人や企業への、後ろ向きの処理方法を助けるという意味があるのかもしれません。まともな債務なら弁護士に依頼するなど、法的処理をするからです。

 ただ、こんなことを業務の一つとしている探偵調査会社は、もはや便利屋以外の何ものでもないではありませんか。(笑)

 でも実際こんな調査依頼は殆どありませんよ。私が在職していた十一年ほどの間に全くありませんでした。

 私が大手調査会社を退職してからまだ二年余り。別れさせ屋などがマスコミで煽られたのは三年年前ですから、在職中に依頼があってもおかしくなかったのですが、退職直前にそんな依頼は一件もありませんでした。

 最大手といわれる調査会社がこうだったのですから、零細な調査会社に依頼などあるはずがありません。殆どない依頼のない調査をマスコミと一緒になって煽っている、という疑問は拭えません。勿論全くゼロと言っているわけではありません。

 世の中には常軌を逸したアンビリーバブルな様々な人が生きているのですから、「旦那の浮気を、探偵を使って相手の女性に近づき恋愛関係に持ち込んで、旦那とは別れさせる」ということも考えるでしょう。

 「理不尽なリストラをされたので、前勤務先の社長に復讐したい」という依頼もあるかもしれません。ビルの踊り場で強姦された女性が、警察に届けずに探偵に復讐を頼むこともあるかもしれない。(あるかな?)(^^ゞ

 しかし、読者様の身近にそんな方がいらっしゃいますか?そんな依頼を実際されたという方がいらっしゃいますか?私の周辺には一人も見当たりません。実情は推して知るべしです。

 ここでもう一度。

 「別れさせ屋や恨み晴らします屋などの非人道的な調査依頼を受けている業者は、本当にまともな調査会社といえるのでしょうか?」

 首都圏、大都市においては、多様化した現代社会、複雑怪奇な人間関係の背景から需要があるのかもしれないです。しかし過度な煽りはやめてほしいと思います。そろそろ嘘はやめて事実だけを伝えないと、いつまで経ってもライセンス制にはならないし、社会的評価を得られません。

 事実、「職業は?」と聞かれて「探偵社・興信所につとめています」と答えると、興味は持たれるかも知れませんが、胡散臭い怪しげな人物という見方をされますから。

 次は理想的な調査会社、法に触れない調査業の未来などについて私の考えを述べたいと思います。