公共機関への調査業者に対する苦情件数は、年間千件近くにものぼるらしいのです。
多くは「解約に応じてくれない」などの契約上のトラブルや調査費用の問題、調査の粗雑さなどと聞きます。
日本の探偵が特に卓越した能力を要しないことは、もはや一般的にも認識されているとは思うのですが、それでも無知蒙昧な人達による探偵という職業への過剰な期待があるからこそ、「思っていたような調査をしてくれずに調査費用だけボッタクリやがって!」という思い違いが生じるのですね。
できもしない調査でもともかく金になるからと受件し、詳細な報告書を作成せず、調査を行ったかどうかも明示しないまま「無理でした」とだけ口頭で伝えて終わり、といった業者もあとを絶たずトラブルとなってしまうのです。
探偵調査業とはどのような時に必要なのか、また業者に期待してよい調査事項や調査費用の相場など、依頼する側にある程度の予備知識があれば大きなトラブルとはならないと思うのです。
電話帳広告やインターネット上の業者サイトを見ると、あたかも探偵調査業というものが特殊で高度な能力を必要とする職業のように感じますが、正直に言うとそうではありません。(涙)
そういう認識を一般の人達に与えて、いわばスペシャリストに依頼するのだから高額な調査費用はやむなし、といった考えを引き出しているのです。
探偵に必要な資質は、一般常識と真面目さ勤勉さ、そして普通の体力と機転、場合によっては車両の運転技術やなどです。
そしてカメラワークはプロカメラマンではないのだから特に高度な技術は求められないし、かっこ良さもユーモアもファッションセンスも精力も語学力も必要ないです。
誰でも参入できる業種であるから、恐喝や殺傷事件を起こす常識のないバカ探偵が蔓延っていますが、将来の法制化に向けて、探偵の資質向上は必要不可欠なのです。(法制化は人類が火星で暮らせるようになる可能性よりも低いかもしれませんが・・・)