雑記帳

日々の徒然をとにかく書き込んでおきます

4月29日(2)-闘牛

2007-05-20 00:28:07 | 旅行
闘牛の観客席について、ガイドブックから得た知識は以下のとおりである。
闘牛場は、下の図にあるように、観客席で囲まれた円形競技場である。闘牛は夕方、太陽が西に傾き、闘牛場の一部が日陰になった頃に開始される。そのとき、観客席の西側(sombra)は日陰となり、東側(sol)は日が差している。スペインでは日陰が上等席だ。
sombraの最前列は100ユーロ、solの最上列は3ユーロと、値段が大きく異なる。貴賓席や主催者席もsombraに位置している。
従って広い闘牛場の中で、闘牛は主にsombra席の近くで行われるということである。

ガイドブックのお勧めは、南北の観客席(sol y sombra=日向&日陰)の30ユーロ程度の席、ということだ。
そこで、朝のチケット購入では、「sol y sombra thirty euro」といってチケットを購入した。チケット係は英語を解さない人だったが、何とか望みのものを購入できた。
  
    闘牛場の外観          観客席
闘牛場にはいると、案内人が席まで案内してくれる。北側の中段だった。座席は石のベンチで、おじさんが「1ユーロでクッションはいかが」とクッションを貸している。われわれは借りなかったが。

その日、結局6頭の牡牛が登場し、同じストーリーで進行し、6頭とも最後には殺されて終了した。

牡牛は、図の北側のゲートから闘牛場に誘導される。突然闘牛場に誘導されてきょとんとする牡牛に対し、ピンクの布(カポーテ)を手にした闘牛士が数名、あおり立てる。牡牛は闘牛士めがけて突進し、闘牛士は図の「闘牛士の出入り」と書いたフェンスに逃げ込む。すると他の闘牛士がまたあおり立て、牡牛は闘牛場いっぱい走り回らされる。
最初のうち、闘牛士は逃げるばかりだが、そのうちリーダーらしき闘牛士が一人で、ピンクのカポーテで牛をあしらう。

次に、馬に乗ったピカドールが2名登場する。馬は防具で身を固めている。馬に突進して馬の防具に角を突き立てる牡牛に対し、ピカドールは馬上から槍を突き立てる。牡牛の角を突き立てられても平然としている馬が立派である。2名のピカドールのうち、1名はいつも闘牛場の反対側でのんびりしている。
  
次は2つの銛を両手に持ったバンデリリェーロが2名登場する。目くらましの布も持たず、防具もないので一番恐ろしい。
  
最後に登場するのがマタドール(闘牛士)だ。持つ布は、ピンクのカポーテから赤いムレータに変わる。一人で牡牛と対峙し、ここで観衆の興奮を呼び起こさなければならない。
すでに牡牛は疲れている。ムレータに突っ込んだ後、前足から崩れるほどだ。「もういいよ」という態度を示しているときもある。このような牡牛を奮い立たせなければならないのだ。ムレータを下方にパルス的に動かし、ムレータの上方から下方に孤立波(soliton)が走ると、牡牛は興奮するようである。突っかかってくる。今回はほとんどなかったが、観衆から一斉に「オレ!」のかけ声がかかるときがある。一斉にかかるところから観ると、私には分からないが、通を惚れ惚れさせる技が出るときと出ないときがあるのだろう。
  
そして「真実の瞬間」が訪れる。マタドールは、手に持つ剣を交換する。切れない剣から、業物の剣に交換したのであろう。頃合いを見計らい、牡牛の背中に剣を柄まで突き通す。6頭の牡牛の中で、一撃で死に至ったのは2頭ぐらいだったか。それも、しばらくは立ちつくし、あるいは動き回り、そしてどっと倒れる。それ以外は、一撃では倒せず、第2撃でやっと倒せたり、それでも倒れないときは、別の剣で頭頂部の後ろの頸椎あたりを狙って剣でちょんと突き当てる。これがうまくいくと牡牛は瞬時に動かなくなる。
それでも倒せないときがある。そうなるとマタドールは観客からブーイングを受けなければならない。

牡牛が動かなくなると、4頭立ての馬が登場し、横倒しになった牡牛を引きずって闘牛場を走り去る。

マタドールが一人で牡牛と対峙する間、ときにはヒヤリとする場面がある。ムレータを牡牛の角に取られて素手になることはしょっちゅうだ。配下の闘牛士が、上の図の「闘牛士出入り」と書いたフェンスのところに待機しており、ヒヤッとする場面ではすかさず場内に飛び出してくる。逆に言うと、このフェンスの近くでしか闘牛が行われない。
図を見て欲しい。牛の入場ゲートのところにはフェンスがない。フェンスが密に設けられているのは南側だ。そのため、6頭すべて、戦いは闘牛場の南側で行われた。われわれが座っているのは北側のsol y sombra席である。すなわち、同じsol y sombra席でありながら、われわれからは常に遠くにしか見えなかったのである。迫力のある写真がないのはそのためだ。

6頭のうち4頭目、その回だけ、マタドールの場面で観衆は特別に興奮した。「オレ!」の連発である。そして「真実の瞬間」が到来した瞬間、観衆は総立ちになり、手に手に白いものをもって振り回した。観客の視線はすべて、sombra席にある貴賓席の方を向いている。そこに座っているらしい何らかの権限を持っている人に何らかの要求をしているようである。そしてある瞬間、皆が同時に「満足」といった感じで納得して着席した。その後、くだんのマタドールは大喜びである。闘牛場を一周し、観客の声援に応えていた。
どうも、そのマタドールは闘牛を主催する人から特別の栄誉を得た模様である。
この観客の興奮が、そのマタドールの技に惚れ惚れしたからなのか、それとも特別に人気のあるマタドールが出場したためだけなのか、そこのところはわからなかった。

地下鉄でホテルへ帰る。ホテルの前にマクドナルドがあるので、そこでハンバーガーを仕入れる。

今回、ホテルには湯沸かしポットが備えられていないことが分かっていた。そこで日本から、100-200V兼用の電熱ポットを持参した。チキンラーメンやカップラーメンも持参している。本日の夕食は、ハンバーガーとチキンラーメンである。

戻る                            続く
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