雑記帳

日々の徒然をとにかく書き込んでおきます

4月30日-マドリッド

2007-05-21 22:26:12 | 旅行
予定では、本日は日帰りでトレドを往復する。アトーチャ駅から10時20分発の高速列車AVEを利用するつもりである。
地下鉄1号線のアトーチャ・レンフェ駅で降車する。昨日と逆コースだ。
国鉄アトーチャ駅はごった返している。券売窓口に行列ができている。その行列に一人が並び、私は周囲をめぐってみるが、他にはそれらしき場所はない。
しばらくすると、同じように並んでいた外国人が近くにいた職員に質問している。どうもトレド行きの切符は別のところで購入するらしい。
我々もあわてて彼らに従った。
別の切符売り場(日本で言えばみどりの窓口か)もごった返している。職員に質問したところ、「まず整理券を手に入れろ。ただし、本日のトレド行きは13時台の切符しか入手できない。」と言われた。整理券発行機のところに、そのような張り紙がしてある。指定券が売り切れたのか、それとも運休になったのか、そのあたりは不明であった。

日本の感覚で、出発が13時台では遅すぎると考え、トレド行きは諦めることにした。

まずはマドリッド観光だ。
地下鉄1号線に乗り、ティル・ソ・デ・モリーナ駅で降りる。
サン・イシドロ教会はすぐであった。
この教会は、決して大きな教会ではない。マドリッドを代表するカテドラルに匹敵するとはとても思えない。しかし、マドリッドには他にこれより大きな教会は見あたらない。もとは17世紀に建てられた、フランシスコ・ザビエルを祀るスペイン初のイエズス教会だったものが、18世紀後半にイエズス会が追放され、そのあとサン・イシドロを祀る教会となった。1885年から1993年まではマドリッドの大聖堂として使われたとのことである。
  
サン・イシドロ教会内部  マヨール広場方向から見たサン・イシドロ教会
続いてマヨール広場へ向かう。
  
サン・イシドロ教会方向からのマヨール広場入り口 マヨール広場
次はマドリッド三越で買い物である。ちょっと道に迷い、王宮と王立劇場の間を通ってグランビア通りに出る。

   王立劇場
三越では、おみやげ類を購入するとともに、店の人(日本人)からトレド観光について意見を聞いた。それによると、高速鉄道AVEで出かけた場合、トレドを囲む渓谷の手前が終着駅なので、トレドの市街に行くためには一度渓谷まで降り、その後急坂を登らなければならない。大変な苦労である。お勧めは、日本人相手のバスツアーである。バスツアーは3時出発なので、今からでも本日のツアーに間に合う。私はガイドブックに載っているみゅうの広告を示し、「このことか」と聞くとそうだという。親切に電話で予約までしてくれた。
一度ホテルに戻り、それからトレド観光に出かけることとする。外はにわか雨である。タクシーをつかまえることとする。三越の店の人は、別の職員を呼んで我々のためにタクシーをつかまえてくれるという。それには及ばぬと断り、自分たちでタクシーをつかまえた。マドリッド三越に買い物に来る日本人というのは、自分ではタクシーもつかまえられない人が多いのだろうか。

ホテルに荷物を置き、再度出かける。バスの出発は、西の国鉄ターミナルであるプリンシペ・ピオ駅近くのフロリダ・ノルテ・ホテルからである。グランビアからは地下鉄1号線と10号線を乗り継ぎ、プリンシペ・ピオ駅で降りる。昼食は駅ナカの食堂街で食べることとする。いろいろ店が並ぶ中でピザ店を選び、ピザを食べた。

ホテルロビーに日本人女性がデスクを出している。受付をし、ロビーで出発を待った。時間になると、その女性がガイドとしてバスに添乗することが分かった。客の数は15名弱であろうか。運転手と日本人ガイドに加え、スペイン人ガイドが付く。法律で、スペイン人ガイドの添乗が義務づけられているそうだ。

トレドは、東・南・西の三方を深い渓谷で囲まれている。北に防壁を構築するだけで防御が完了する地形だ。トレドに到着すると、まずは南の渓谷の対岸にある丘を目指す。丘の上からのトレドの景観がすばらしいそうだ。ところが、本日は丘に通ずる道路が通行止めとなっていた。運転手が降車して確認したところでは、明日(メーデー)のお祭りの準備で通行止めにしているらしい。一人の男性客が、「あそこに行けないのだったらこのツアーに参加した意味がない」と文句をいっていた。

そこで、直接バスでトレド市街へ向かう。
バスを降りると、路地をくねくねとたどる。坂の連続である。路地の両側は建物で、町全体は見渡せない。路地の先にとある教会の入り口がある。そこから教会内部に入った。入ると、そこは巨大なカテドラルの内部であった。こぢんまりとした市街の大きさに似合わぬ、巨大さである。後から考えると、我々が入った入り口は「時計の門」だったようだ。
内陣を取り囲むように、数多くの礼拝堂が配置されている。案内によると、建設当初は巨額の寄付をした金持ちの個人礼拝堂として扱われた。年月が経て結局は教会の所有になっているようである。
  
カテドラルの正面         礼拝堂のひとつ
  
路地から見えるカテドラル     市街から渓谷を隔てた対岸を見る

続いて到着したのはサント・トメ教会である。ここには、エル・グレコの傑作といわれる「オルガス伯爵の埋葬」が飾られている。普段に比べて見物が少ないということで、ゆっくりと鑑賞することができた。
以下は案内人の説明である。
エル・グレコとはあだ名で「あのギリシャ人」という意味である。ギリシャからイタリアに渡り、絵画を目指したが、当時はイタリアルネサンスでイタリアにはそうそうたる芸術家が輩出していた。そこでスペインに渡り、宮廷画家を目指したが国王から無視された。そこでやむなく宗教画家になった。
「オルガス伯爵の埋葬」は、トレドに伝わる故事を絵にしたものである。
生前に良い行いをしたオルガス伯爵が死去すると、天から二人の聖人が舞い降りて伯爵を天に召すという奇跡が起きた。
地上界で背景に居並ぶ男たちは、当時のトレドの有力者を描いており、その中でひとりだけこちらに視線を向けているのはエル・グレコその人の自画像である。最上段のキリストは最後の審判を表現しており、左にいる鍵を持っている聖人を指さしている。鍵を持っているということは聖ペテロであり、ひとつの鍵は天国へ行く扉の鍵であるから、オルガス伯爵は最後の審判で天国へ行くことが定められた。中段の天上界にいる一人は当時の国王であり、エル・グレコをそでにした国王は死人にされてしまった。

市街からは歩いて橋(右上写真)を渡り、対岸で待機していたバスに乗車してマドリッドへの帰途についた。

ホテルに戻った後、ショッピングと食事に出かける。
ホテルのあるグランビア駅から地下鉄5号線で2駅のアロンソ・マルティネス駅近くに、カカオ・サンパカというチョコレートの店があるとガイドブックに記されている。まずはそこへ行ってその店のオリジナルチョコレートを購入した。
食事場所について、グランビア駅近くのラ・バラッカという店は、バエーリヤがお薦めとある。地図を頼りにその店にたどり着いたが、予約がなければとうてい無理であるとわかった。次に、その店の北方にあるバザールという店に向かう。ここも行列ができるほどの人気である。こうして、グランビア周辺の路地裏を午後10時近くに散々歩き回るという結果となった。
結局、グランビア通りに面するカフェテリアに入る。店員のサービスが悪い。なかなか注文を取りに来ない。メニューにパエーリヤがあったので、それを注文したが、「調理に30分かかる」と書いてあるのに後から気付いた。ぱりぱりの仕上りを期待していたが、出てきたパエーリヤはねちょねちょしていた。

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