REBIRTH食育研究所のblog

食育についての活動やコラムなど

スローライフ

2006-07-08 | コラム

スローライフの取り組みを紹介するメイン広場の中央に
筑紫哲也さん直筆の原稿パネルが展示されていました。
読んでとても感銘を受けました。
この2日間だけの展示ではあまりにもったいないので、
ここで紹介させてください。


「ふるさとを讃えて」
                 筑紫哲也    

 世の中は便利になり、昔より豊かになった。
それはとても良いことなのだが、その分だけ
私たちは幸せになったのだろうか。
 便利や豊かさを手に入れる代わりに、
失なったものもいろいろあるのではないか。

 私たちはそのことにもっと目を向けるべきだし、
未だ残されている良きものを見直し、大切に
すべきではないのか。
--さう思っている人たちが、こんなにもたくさんいる!

 「味のじょんのびコンテスト」に寄せられた
作文、絵、写真を拝見しての私の感想である。
愛着を籠めて取り上げている対象は人によっ
てさまざまである。

 蕗味噌。笹団子。枝豆。アカヒゲ。おから炒り。
いも汁。イサザ。雑煮。ぽっぽ焼き。
山わさび。バタバタ茶。
 そして多くの人が讃える、おむすび、
ご飯、お米の味。
 もちろん、その背後には新潟の自然と、そこに
生きる人たち同士の付き合い、家族のぬくもりなどがある。

 なかでも私が心打たれた作文は、七十四才の
「父の農業」を描いた吉原輝美さんの作品。
手間のかかる、昔ながらの農法を続けるのはなぜなのか
と訊かれた父は「ひまだからねぇ」と答える。
 何と見事な答だろう。

私たちはそういう、意味深い「ひま」を
失っているのではないか。
すべての問題の根本にあるのは、「ひま」という
時間の使い方ではないだろうか。
私も自分がやっていることはなぜかと訊かれたら
同じことを言えるようになりたい。
「ひまだからねぇ」と。


スローでいこう

2006-07-08 | コラム

6月10日、11日に新潟のコンベンションセンター
“朱鷺メッセ”で「スローフード・スローライフ展」が開催されました。

「早く、はやく」となにかと急いできて、
ほころびがあちこちに見えてきた今、
過程を楽しみ、地域を大切にして、感性を磨き、
「ゆっくり、ゆったり、ゆたかに」というスローライフの考えは
全国に広がりを見せています。

企画は、筑紫哲也さんが理事をしている
“NPO法人スローライフジャパン”で、
ご縁があって、前日からスタッフとして、お手伝いをしてきました。

食品の成分を合理的に補給するための「サプリメント」と
古くからの食材や伝統を見直そうという「スローフード・スローライフ」
この2つは、とても関係があります。
今回の「スローフード・スローライフ展」であらためて考えさせられることが
たくさんありました。