五里夢中於札幌菊水 

野戦病院へ出向予定。
医療崩壊に対して国民全てと共闘を夢想。
北海道の医療崩壊をなんとか防ぎたい。

JBMシリーズー胸腔ドレナージ

2007-06-15 21:42:34 | JBM
さて今日もJBMのお勉強をしよう。

今日は訴訟まで至らず示談で済んだ例。
ただ賠償金二千二百二十万円を支払っている。

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(06/15 07:31)北海道新聞

医療ミスで男性死亡 道立紋別病院が賠償金

 道立紋別病院で二○○五年九月、七十代の男性入院患者の胸腔(きょうくう)内にたまった水を取り除く手術で、医師が誤って肺を傷つけ、この患者を死亡させる医療ミスがあったことが十四日、分かった。

 同日の道議会保健福祉委員会で道が報告した。道は、肺の位置をきちんと確認しなかった医師の注意義務違反が原因とし、賠償金二千二百二十万円を遺族に支払うことで、すでに示談が成立している。

 道によると、男性患者は大腸がんで入院中に肺炎を併発し、胸に穴を開けてたまった水を取り除く手術を受けた。その際、医師が肺にも穴を開けてしまったことから血が止まらなくなり、翌日死亡した。

 医師は○五年度末で退職している。

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状況としては、肺炎による低栄養で胸水も加わり呼吸状態が
にっちもさっちも行かなくなったので胸腔ドレナージをしたということだろう。
手術と記載されているのが少しひっかかるがまあよしとしておこう。

胸腔ドレナージ施行はエコーガイド下がはやりなのであろうか?
写真とメルクマールのみで、たいてい問題なくできるとは思うが、
実際何がおこるかわからないので用心することにこしたことはなさそうである。

さて大腸癌ということであるが、予後がどの程度であったのかがポイントであろう。
手術の話も出ていないので、状況としては厳しかったということだろうか?
出血しても胸部外科のある北見まで転送していないので、
そこまでの適応は無いということであろう。
イレウスになって御飯が食べれなくなって入院?
これもまた問題であるのだが今回はよしとしよう。

長期予後が望めないような症例には胸腔ドレナージは禁忌であることがわかった。
そしてその情報提供を医師向けに発信したのならば道新恐るべしであろう。
ただこの報道でますます地域病院の人気が無くなり地域医療崩壊を進めている
という代償はあまりに大きすぎるとは思うが。
「やっぱ田舎の病院はダメだよね~と」
自分が何も知らない一般人であればきっと思うに違いない。

そして「医師は退職している」という追記に事故と何の関係があるのか、
何の意味があるか全く理解ができない。
とんずらこいたよとでも言いたいのであろうか?

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4 コメント

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示談になったケースまで (Taichan)
2007-06-16 00:39:27
示談になったケースまで新聞が取上げる必要があるんでしょうか?医師は不定期でも移動するのは当り前ですし、なんかこれまた医師批判の記事で残念です。
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見えていない (脳外科見習い)
2007-06-16 08:50:02
Taichan先生、コメントありがとうございます。

う~ん。投書しようかな?
と思うぐらい意義不明の記事です。
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クビになったと言いたいのでは (bamboo)
2007-06-18 18:10:42
トラックバックありがとうございました。
退職の件は、責任を取らされて左遷されたと言いたいのだと見ました。
返信する
悪意 (脳外科見習い)
2007-06-18 20:40:59
bamboo先生、コメントありがとうございます。

そうですよね~。しくしく。
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