チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「バレエ音楽『白鳥湖』予備資料/移調楽器」

2006年11月26日 00時20分03秒 | 瓢湖不充分白鳥の湖舞イアーリンク泡沫事件

チャイコフスキー 白鳥の湖


神宮外苑の銀杏の葉の黄化は未だしである。
今年はまだ焦セランでいい、と自然の神が命じてる、
などとは無宗教な私には想像すらできないが、
並木道のベンチに腰かけて、ドとミとソの音がでない
クラリネットを吹いて手がこごえるのを愉しむほど、また、
つぶれた銀杏の実がハッスル臭いを愛でるほど風流でもない。
♪ミッ>レッ<ミッ>レ・<ミッミ>レッ<ミッ<ソッ│
>ドッ>シッ<ドッ>シッ・<ドッドッ>シッ<ドッ<レッ♪
乳離れしない赤ん坊がいるように、「モラトリアム世代」の私は
25歳くらいまで「ディスコ」遊びがやめれなかった。
とくに、20歳前後は、
葉山にヨットが置いてあるお坊ちゃまらとつるんで、
毎週「土曜の夜」は六本木で「フィーヴァー」だった。
「fever」というと、英語もできない私は、
「ア・スライト・フィーヴァー・ケプト・ミー・
フロム・ゴウイング・トゥ・スクール=微熱があったので学校を休んだ」
という、英文法の教科書に載ってた
「keep A from B」を例示するためだったはずの
「和製英語」を思い出す。当時、筆圧が大きすぎる私は、
HBではノウトが汚くなってしまうので4Hの鉛筆を使ってた。ときに、
かつて「ホテル・ニュージャパン」と人気を二分したとかしなかったとか
言われる「キャピトル東急ホテル」が今月いっぱいで終焉をむかえる。
8月には、そのレストラン「オリガミ」で、
夫根上淳を亡くして一周忌も過ぎてない某歌手が、
うぐいす色のド派手な装いで食事するを見た。
狂歌師がそこに遭遇したとしたら、おそらく、こんな歌を詠んだにちがいない。
「慰霊サー、鉛筆書きは、消セラセラ。ノウトとインク、が臭せい時代」
それが誰かといえば、「宿屋飯盛」とか「食さん人」とかハヤマってはいけない。
そうではなく「蔦唐丸」である。ところで、昔、
すべての階が家具売り場、というハヤミズ家具センターのTVCMがあったが、
全階がディスコというビルが六本木交差点近くにあった。
そこで女の子をナンパしてはチークを踊り、
湘南までドライヴにいったのである。
入った店にめぼしい子がいないときなど、
裏階段から別のフロアの店に容易に入れたりしたので、
階を移動するなどということもままあった。現在、
そのビルのテナントは、カラオケだのキャバクラだのに
「トランスポウズ(転換)」されてるようである。ときに、
先日、そのビルに入ってるいわゆるセク・キャバが摘発されたとか。
普通のキャバクラは大好きな私だし、今でも、
すぐ近くの某中華屋にはよくいくが、そのビルに足を踏み入れたこともなく、
他のセク・キャバにも一度も行ったことがないので知識も乏しいが、
以前から摘発を噂されてた「マンダリンクラブ」という店である。が、
ピン・ポン・パンとかビンゴ・バンゴ・ボンゴとか
トンキチ・チンペイ・カンタとかいう源氏名の「中国の不思議な役人」3人組が、
外国の某省及び某庁下級職員を色仕掛けバレエ接待に使う、
という意味の店名ではないし、「家具屋姫」というバレエでもない。

チャイコフスキーのバレエ「白鳥の湖」に用いられてるいわゆる「移調楽器」は、
クラリネット2管、ホルン4管、コルネット2管、トランペット2管、
である。そのうち、ホルンは、
初期の作品以外のほとんどがそうであるように、
チャイコフスキーの場合はすべて「F管」の一点張りである。よって、
ここでは、クラリネット、コルネット、トランペットの3種について、
ナンバーごとにどう用い分けられてるか、見てみる。
クラリネットは、A・B・C、
コルネットは、A・B、
トランペットは、F・D・E、
が使われる。

(それぞれのナンバーの調号(括弧書き)はそのナンバー冒頭のもの)
(「-」:その曲には使われてないことを表すこととする)
━━┳━━━━━━━┯━━━━━━━┯━━━━━━━┯━━━━━━━┯
  ┃導入曲(2♯)│#01(2♯)│#02(3♯)│#03(なし)│
  ┃       │情景(誕生会)│ワルツ    │情景(王妃) │
━━╋━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿
クラ┃A      │A      │A      │A      │
──╂───────┼───────┼───────┼───────┼
コル┃A      │A      │A      │A      │
──╂───────┼───────┼───────┼───────┼
トラ┃F      │D      │E      │D      │
━━┻━━━━━━━┷━━━━━━━┷━━━━━━━┷━━━━━━━┷

━━┯━━━━━━━┯━━━━━━━┯━━━━━━━┯━━━━━━━┯
  │#04(2♭)│#04(2♭)│#04(3♭)│#04(3♭)│
  │トロワ    │トロワ    │トロワ    │トロワ    │
━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿
クラ│B      │B      │B      │B      │
──┼───────┼───────┼───────┼───────┼
コル│B      │-      │B      │B      │
──┼───────┼───────┼───────┼───────┼
トラ│-      │-      │F      │F      │
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  │#04(1♭)│#04(2♭)│#05(2♯)│#05(2♯)│
  │トロワ    │トロワ(コーダ│ドゥー(ワルツ│ドゥー(独vn│
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クラ│B      │B      │A      │A      │
──┼───────┼───────┼───────┼───────┼
コル│B      │B      │A      │A      │
──┼───────┼───────┼───────┼───────┼
トラ│F      │F      │F      │F      │
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  │#05(2♭)│#05(1♯)│#06(4♯)│#07(4♯)│
  │ドゥー(ワルツ│ドゥー(コーダ│パダクション │スュジェ   │
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クラ│B      │A      │A      │A      │
──┼───────┼───────┼───────┼───────┼
コル│B      │A      │A      │-      │
──┼───────┼───────┼───────┼───────┼
トラ│F      │F      │F      │-      │
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  │#08(4♯)│#09(2♯)┃#10(2♯)│#11(1♯)│
  │ポロネーズ  │終曲     ┃情景(間奏曲)│情景     │
━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━╋━━━━━━━┿━━━━━━━┿
クラ│A      │A      ┃A      │B      │
──┼───────┼───────╂───────┼───────┼
コル│A      │A      ┃-      │B      │
──┼───────┼───────╂───────┼───────┼
トラ│F      │F      ┃F      │F      │
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  │#12(なし)│#13(3♯)│#13(4♯)│#13(3♯)│
  │情景     │ワルツ    │パダクション │ワルツ    │
━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿
クラ│B      │A      │A      │A      │
──┼───────┼───────┼───────┼───────┼
コル│B      │A      │-      │-      │
──┼───────┼───────┼───────┼───────┼
トラ│F      │F      │F      │F      │
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  │#13(3♯)│#13(なし)│#13(4♭)│#13(4♯)│
  │4羽の白鳥踊り│独vn、独vc│ワルツ    │コーダ    │
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クラ│A      │A      │A      │A      │
──┼───────┼───────┼───────┼───────┼
コル│A      │A      │A      │A      │
──┼───────┼───────┼───────┼───────┼
トラ│F      │F      │F      │F      │
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━━┯━━━━━━━┳━━━━━━━┯━━━━━━━┯━━━━━━━┯
  │#14(2♯)┃#15(なし)│#16(1♭)│#17(4♭)│
  │情景(#10同┃名無し    │廷人踊り   │情景(ワルツ)│
━━┿━━━━━━━╋━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿
クラ│A      ┃C      │B      │B      │
──┼───────┼───────╂───────┼───────┼
コル│-      ┃B      │B      │B      │
──┼───────┼───────╂───────┼───────┼
トラ│F      ┃F      │F      │F      │
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  │#18(5♭)│#19(1♭)│#19(2♭)│#19(2♭)│
  │情景(ロートバ│スィス(導曲)│スィス    │スィス    │
━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿
クラ│B      │B      │B      │B      │
──┼───────┼───────┼───────┼───────┼
コル│B      │B      │B      │B      │
──┼───────┼───────┼───────┼───────┼
トラ│F      │F      │F      │F      │
━━┷━━━━━━━┷━━━━━━━┷━━━━━━━┷━━━━━━━┷

━━┯━━━━━━━┯━━━━━━━┯━━━━━━━┯━━━━━━━┯
  │#19(3♭)│#19(3♭)│#19(4♭)│#19(4♭)│
  │スィス    │スィス    │スィス    │スィス(コーダ│
━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿
クラ│B      │B      │B      │B      │
──┼───────┼───────┼───────┼───────┼
コル│B      │B      │B      │B      │
──┼───────┼───────┼───────┼───────┼
トラ│F      │F      │F      │F      │
━━┷━━━━━━━┷━━━━━━━┷━━━━━━━┷━━━━━━━┷

━━┯━━━━━━━┯━━━━━━━┯━━━━━━━┯━━━━━━━┯
  │#20(3♯)│#21(3♯)│#22(2♯)│#23(1♯)│
  │チャルダーシュ│ボレロ    │タランテッラ │マズルカ   │
━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿
クラ│A      │A      │A      │A      │
──┼───────┼───────┼───────┼───────┼
コル│A      │A      │A      │A      │
──┼───────┼───────┼───────┼───────┼
トラ│F      │F      │F      │F      │
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━━┯━━━━━━━┳━━━━━━━┯━━━━━━━┯━━━━━━━┯
  │#24(なし)┃#25(なし)│#26(なし)│#27(5♭)│
  │情景     ┃間奏曲    │情景     │小白鳥踊り  │
━━┿━━━━━━━╋━━━━━━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━┿
クラ│B      ┃A      │B      │B      │
──┼───────╂───────┼───────┼───────┼
コル│B      ┃-      │B      │B      │
──┼───────╂───────┼───────┼───────┼
トラ│F      ┃F      │F      │F      │
━━┷━━━━━━━┻━━━━━━━┷━━━━━━━┷━━━━━━━┷

━━┯━━━━━━━┯━━━━━━━━
  │#28(6♭)│#29(4♯) 
  │情景(オデット│ラストシーン     
━━┿━━━━━━━┿━━━━━━━━
クラ│B      │B       
──┼───────┼────────
コル│B      │B       
──┼───────┼────────
トラ│F      │F       
━━┷━━━━━━━┷━━━━━━━━

こうしてみると、ほぼA・Bどちらかなクラリネットとコルネットは、
(当然ながら)シャープ系なナンバーにはA管、
フラット系なナンバーにはB管、があてがわれてる。が、
必ずしもそのかぎりではない。
音を調整しなければならないティンパニと違って
(ティンパニの音高についてはまた改めて項目を設ける)
持ち替えるだけなのであるから、
「#13-6」の「4♭変イ長」のワルツなど、
それぞれB管にしてもいいはずであるが、
チャイコフスキーはそうはしてない。また、
おもにシャープ系な場面で使われる#11乃至12もしかり。反対に、
シャープ系の調で進行する#29では、
あくまでもB管で押しとおしてるのである。
私は移調楽器に関しても無知であるから、
その現存してない管による音質の差異も機能の違いもわからない。
譜面を見る限りでは音程の問題はなさそうである。また、そうなると、
クラリネットのC管の起用は、皆目見当がつかない
(おもにニ短とニ長の「ベト9」スケルツォ章のC管も不可解である)。まして、
バレエ初頭のトランペットの管使いわけには、お手上げである。ただ、
チャイコフスキーが「観念」面で使い分けた部分があったのだとしたら、
ある程度の憶測はできなくもない。
「2♯ニ長」の第2曲及び「終い」で第2曲がよみがえってくる第4曲に
D管トランペットを起用したのは、当然といえばとうぜんである。たしかに、
他の「ニ長」(#5-1、#22)にはしょぼい使いかたしかしてないので、
わざわざD管を起用することもないように思える。ところが、
唯一#2のワルツでしか使わないE管は不可思議である。
第4曲以降、トランペットはF管ばかりなのである。ちなみに、
「悲愴交響曲」での、主章のみB管、他3章はA管、
という使い分けも、不可思議である。が、ともかくも、
これらの「使い分け」への「想像」は、
ナンバーの繋がりと「ティンパニ」の音高の問題を採り上げるときに、
いま少し触れるつもりである。

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