セグメントゲームズ

元ゲームプランナーという、しがない肩書きだけが取り柄のゲームブログ。生ラジオの告知が中心で、たまにテキスト対談を更新中!

『ゲームセンターCX 有野の挑戦状』 ファーストインプレッション

2007年11月15日 13時44分13秒 | 【旧】購入・レビュー話


レトロな新作ゲームがたっぷり詰まった「ゲームセンターCX 有野の挑戦状」。約1時間ほどプレイしてのファーストインプレッションです。


●そもそも「ゲームセンターCX」で何ですか?
ゲームセンターCX」とは、まあ簡単に言うと、よゐこの有野晋哉さんがレトロゲームにとことん挑戦していく様を見るという番組ですね。他にもレトロゲームの紹介やレトロなゲームコーナーなどたくさんのコーナーはありますが、メインはやっぱりレトロゲームへの挑戦ですね。
レトロゲームって、基本的には難易度の高いものが多く、自分ではやりたくないと思うことが多いでしょうが、そんなゲームに、説明書も読まず、本当に何も知らない状態で挑み、結果全クリアするというその根性がすごいと思いますね。マリオとか、今となってはアイテムだとか敵だとか知っててほとんど当たり前なところがありますが、それを知らなかった頃のワクワクさが、見てて本当に面白いですし、これこそがゲームの面白さの本質だと思います。以後、この番組にけっこうはまっています。そんなに見てはいないですが(どっちですかw



●魔王「アリーノー」からの挑戦をクリアせよ!
さて、そんな番組をもとに生まれた今作ですが、今作は20年以上前の世界にさかのぼり、レトロゲームを次々と制覇していくというのが目的です。ストーリーとしては、突然魔王「アリーノー」とかいうヤツが現れまして、いきなり20年前以上のとある子供の部屋に飛ばされます。で、元の時代に戻りたければオレの挑戦をクリアしてみろ、と。なんともむちゃくちゃな話ですねw
流れとしては、

新しいレトロゲームが手に入る

魔王「アリーノー」からノルマを言い渡される

ゲームをプレイし、ノルマを達成する

魔王「アリーノー」から新たにノルマを言い渡される
(これが合計4回あります)

全てのノルマをクリアすると、次のレトロゲームが手に入る


この繰り返しですかね。ちなみに全ノルマ達成したレトロゲームは、以後自由に遊ぶことができるようになります。

個人的になかなか気になるのが、同じゲームをいきなり4回プレイするという点で賛否意見がありそうだなと思ったことです。たぶんこれは、徐々にレトロゲームに親しんでもらうということと、昔と違い作られた目標がないとプレイしない傾向の強い今のゲーマーのことを考え、あえてまずは4回のノルマに挑んでもらうという形式にしたということだと思うんですが、人によっては「ノルマとかどうでもいいから普通に遊ばせてくれ」という人もいそうです。普通にプレイするにはこの4回のノルマを突破した後でないとできないので、それが逆に面倒に感じる人もいるかもしれません。それにノルマ挑戦中のときは、ノルマを達成した時点で強制的にプレイ終了になるので、なかなか自由に遊ばせてくれないな~という点で歯がゆく感じる人もいるかもしれません。
しかし、今のゲームに慣れているゲーマーのことを考えると、レトロゲームが遊べるようになった~というだけで特に定まった目標がないと、たぶん1~2回プレイしただけで飽きちゃうと思うんですよ。そこで、近いところに目標を作っておき、しかもそのノルマも徐々に難しくしていくことで、プレイ意欲をかきたてることができる思います。そういう点ではこのシステムはありだと思いますね。



●マガジンでいろんなテクニックや裏技を知ろう!
ノルマを達成していくことで定期的に新しいマガジン(ゲーム雑誌)が手に入り、そこには得点を稼ぐテクニックだとか、説明書には書いていない裏技だとかが載っています。新しく手に入ったときは目を通しておいて損はないでしょう。もしかしたら、ずいぶん前にノルマクリアしたレトロゲームの裏技がこっそり載っている時が…あるかもしれません。



●「パクリ」と「本歌取り」
さて、今作に収録されているレトロゲームは、わりとこう…どこかで見たことがあるようなものがすごく多かったりします。ちなみに一番最初に遊べるようになるのは「コズミックゲート」というシューティングゲームなんですが、基本は「ギャラガ」と同じです。けっこうシステム的なアレンジは多く加えられていますけどね。

こういうのを見ると、大抵の人は「パクリ」だといいます。「パクリ」というのはまあいわば「模倣」だとか「盗作」といった意味が含まれています。
一方で「本歌取り」という言葉もあります。これも意味としては「元々存在する作品の手法を意識的に取り入れる」とあるので、これも「パクリ」と意味合いはすごく似ています。

では、「パクリ」と「本歌取り」は何が違うのか?「本歌取り」にはさらに、こういった意味合いもあります。



オリジナルの存在と、それに対する敬意をあきらかにし、その上で独自の趣向をこらしている点が、単なるコピー(パクリ)とは異なる。
はてなダイアリー様より)



「敬意をあきらかに」とか「独自の趣向をこらしている」とありますが、じゃあ具体的にどういうことなのか?重要なのは「活かしているかどうか?」というところです。
元々ある作品を、特に意味なく取り入れたというのであればそれは「パクリ」になると思います。しかし、例えばゲームで言えば元々存在する作品のシステムを取り入れ、それを活かすことでより高みのある作品に仕上げられれば、それは「本歌取り」になるのではないかと思います。

今作では、確かにほとんどが似たような作品が多いですが、どれもそれなりのアレンジが加えられており、結果として元の作品にはない面白さが加わっていると思うので、それは「本歌取り」になっていると思うんです。
元となる番組が、レトロゲームに挑戦するという番組です。レトロゲームをプレイしてクリアすることで、このゲームを作った人に敬意を表している、みたいなところがあると思うんですよ。それと同じで今作も、元々存在するレトロなゲームを取り入れ、さらに面白いものに仕立て上げることで、元々のレトロゲームとそれを開発した人間に経緯を表しているというところがあるんじゃないかと思いますね。というか、思いたいですね。

そんなこと言ってしまうと「現存するほとんどのゲームが「本歌取り」になってしまうだろ」とか言われそうですが、はっきり言ってその通りです。皆、「本歌取り」という言葉は知ってる人が少ないですけど「パクリ」という言葉を知っている人は多いでしょう?で、似たようなソフトが出るたびに「パクリ」「パクリ」と言ってきたもんだから、ユーザーの頭には「パクっている」という悪い考えしか出なくなってしまっているんですよ。
これからは「パクリだ」と思う前に、これは「パクリ」なのか「本歌取り」なのか?ということを考えてもらえると嬉しいですね。



まあそんな感じで、今のところは先ほど紹介した「コズミックゲート」と「からくり忍者ハグルマン」というアクションゲームの2つしか遊べてませんが、ハグルマンがけっこう面白い!と、同時にノルマがなかなか達成できなくて頑張っていますw
ノルマも、回を重ねるごとに難易度がほどよく上がっていく感じがなかなかいいと思います。番組みたいに無茶なノルマが出てくることはないみたいなので、ご安心をw

ただ、まあ本当にあくまでレトロな新作ゲーム集という感じなので、今時の3Dだとかリアリティに慣れ親しんだ現世のゲーマーには向いていないでしょう。あくまでレトロな時代をすごしてきた人にこそ、あの時代に戻ってまったりとプレイして欲しい、そんなソフトですね。


今作に関しては後日、新しいレトロゲームが出るたびにそれぞれのゲームの感想を書いていこうかと思っていますので、お楽しみに!
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2 コメント

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買いました (tapioka)
2007-11-15 19:17:48
これからプレイしてみます。

>作られた目標がないとプレイしない傾向
これはまるで自分のことを言われてるみたいでしたw。正直目標とそれに対する成果がないとやる気がしないんですよね。レベルが上がるとか武器が強くなるとか。これは正直あまりいいことではない気はしてるんですが、目標とかがないとモチベーションが保てない。もうゲームに対する新鮮味が薄れてる中で、なんとか続けようと思ってるからこういうことになるのかもしれません。

>「パクリ」と「本歌取り」
管理人さんが言うように丁寧に作りこんで、元ネタに対して敬意を示している作品は見ていて気分がいいですよね。結局は本家の気分を害さなければいいってことでしょうけど、本歌取りをして本家に認められている作品はたくさんあると思うのでこの作品も安易な考えでパクりとは言われて欲しくないです。
返信する
Unknown (partygame(管理人))
2007-11-15 21:03:58
>tapiokaさん
正直、すぐに飽きるかな~という心配はあったんですが、思ったより面白いです。レトロであってレトロじゃない。そんな感じを受けるんですよね…なんでだろう?

>>作られた目標がないとプレイしない傾向
いえいえ、別にこれがいけないというわけではありません。そんなこと言い出したら、私はゲームをやりこむ派ではなく多くのゲームをプレイする派ですが、そういう時って作られた目標がなくなると大抵はやめちゃうことが多いですものw
ただ、レトロゲームと聞くと、それこそ昔はスコアだけのためにやり込めたような時代でしたからね。今はもはやゲームソフトが飽和状態と化していますから、なかなか自分で目標を作ってゲームをプレイするのってなかなか難しいですよ。よほど好きなゲームならともかく。

>>「パクリ」と「本歌取り」
これは常々思っていたことなので、今回を機に載せることができて良かったです。誰だって元の作品をバカにするために作っているわけではありませんからね。
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