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Xbox360『ブラザーズ:2人の息子の物語』 インプレッション

2013年09月05日 07時08分30秒 | 【旧】購入・レビュー話
かなり久々の、Xbox360です。




Brothers: a Tale of Two Sons
(ブラザーズ:2人の息子の物語)

対応ゲーム機 ―→ Xbox360(ダウンロード専用タイトル)
配信開始日 ―→ 2013/08/07
配信価格 ―→ 1,500円(税込)
 ※8月27日より、ダウンロードコンテンツ用ポイントの単位が”MSポイント”→”円”に変わりました。
ジャンル ―→ アクションアドベンチャー
プレイ人数 ―→ 1人
CERO ―→ D(17才以上対象)
 └→ CEROに影響した内容 ―→ 暴力




■====== 簡単なご紹介 ======■

2人の兄弟を操作して進めていく、アクションアドベンチャーゲームです。
ある日、父が病に倒れます。治すためには、遥か遠くに存在する秘薬が必要。兄弟は、ありかとなる地図を託され、未知なる冒険へと足を踏み入れます。


基本的には、道に沿って先へ先へと進んでいきます。
左スティックで兄のほうが移動。右スティックで弟のほうが移動します。左トリガーボタンで兄がその場に応じたアクションを行い、右トリガーだと弟がアクションを行います。
左手で兄を操作し、右手で弟を操作。1人プレイでありながら2人同時の協力プレイみたいなスタイルを楽しめるのが、今作の最大の特徴です。

アクションは、話す・調べる・物を持つ・壁につかまる・ベンチに座るなどがあり、また、普通では進めない場所をどう進むか?という謎解き要素のある場面でも、トリガーボタンが役に立ちます。
例えば、普通のジャンプでは届かないハシゴ。左トリガー押しっぱなしにすると、兄がハシゴの下でしゃがみこむので、その後に右トリガーを押すと、弟が兄の上に乗ってハシゴに手を伸ばす。こんな協力もあったりします。

体力や残機といった概念はなく、敵に攻撃されたり奈落の底に落下したりするとミス。直前からやり直しとなります。



■====== partygameの感想 ======■

=良い  =まあまあ or ちょっと気になる  ×=悪い

◆=== 参考データ ===◆

 プレイ内容 ―→ シナリオクリア
 シナリオクリアまでにかかったプレイ時間の目安 ―→ ●○○○○
  ●○○○○ = 10時間未満
  ●●○○○ = 10~20時間
  ●●●○○ = 20~30時間
  ●●●●○ = 30~50時間
  ●●●●● = 50時間以上


○ ―→ スケール感の大きいフィールドと、幻想的な曲が魅力的です。
アクションアドベンチャーなので、基本1回通り過ぎてしまったら来ることはありません。そう考えると、グラフィックの無駄遣いに感じるほど、手を抜いていないフィールドデザインの表現力に、なかなか圧倒されます。「グラフィックがキレイ」ということではなく「刺激に満ちている表現」ってことですね。
そして、それを彩る幻想的でどこか儚(はかな)い感じの曲が、よりいっそう心を震わせます。

× ―→ ただ、進める道は一本道です。
だいたい皆さん、ゲームにおいて”冒険”っていうと、あちこち自由に歩きまわれることを求めるものですが、これはあくまで「見た目から感じる冒険心」が魅力なのであって、「探究することにおいての冒険心」とは違います。ゲームを遊ぶというよりは”映画を操作している感じ”と思ってもらえたらいいでしょうかね。
まあ、これだけのグラフィックを構築するので、無駄は省きたかったのでしょうけど…日本人的感覚としては、もうちょっと行けるところが欲しかったです。どうせ冒険するんですから、ちょっとしたわき道に珍しい植物を発見して手に入れられる、とかあるだけでも嬉しくなると思うんですけどね。

○ ―→ 独特の操作感と謎解きが、面白かったです。
3Dスティックとトリガーボタンしか使わない、シンプル操作。それでも、最初は少し戸惑うかもしれません。特に、兄が画面右にいて、弟が画面左にいたりすると、ワケ分からなくなります(笑)
まあ、急かされるような場面は少ないので、落ち着いてプレイしたらいいでしょう。

謎解きは、まさに2人いてこその謎解き。
兄と弟でそれぞれ、体格とか得意不得意があったりして、それを上手く活かした謎解きが色々と出てきます。
ただし、そこまで難解ではありません。私も、ほとんど詰まることなく攻略できましたし。ただ、「お~」と思える謎解きはあるハズです。

○ ―→ そこはかとなく想像力を刺激する、情報量の少なさも魅力。
ゲーム中は会話メッセージが一切出ない(聞き取れないレベルのボイスは流れますが)ですし、選択肢みたいなのが出ることもありませんが、その動きだけで「あ、こんな会話してるのかな~?」的なことが、ぼんやりと想像できます。
想像するのが難しい会話をすることはほとんど無かったので、誰でも自分なりの解釈で理解できるとは思いますが、逆にいえば、言葉が必要ないおかげで、世界中どこでも通用するというメリットがありますね。

ちなみに基本、話しかける時の行動として、兄は地図を見せて道を尋ねる。弟は、弟らしくやんちゃな性格なので、遊んだりイタズラしたりするようです。ちょっと、やりすぎる時もあったりして(笑)

△ ―→ 正直「ん?もう終わるの?」って思いました。
手がかりとなる地図は、兄が人に見せて尋ねるために持っているだけで、プレイヤーには見せてくれません。なので、今どこらへんまで来ているのかな~というのが分からないです。
で、どれくらい続くのかな~?と思ったら、突然目的地らしいところに付いたりしますし。あそこはさすがに、置いてけぼりを食らった気分になっちゃいました(苦笑)

× ―→ エンディングについて。
あまり具体的には言いませんが、個人的にこの終わりかたが「グッドエンディング」か「バットエンディング」か?って言われたら、間違いなく「バットエンディング」だと思うわけです。何というか、ちょっと報われない終わり方だな~と思っちゃったわけです。
もしかしたら、真のエンディングみたいなのがあるのかな?とか思いましたが、そもそも一本道ですし。実績(Xbox360本体に内蔵のやり込み要素)にもそれらしい条件はありませんでしたし。これがおそらく、用意されているエンディングなんでしょうね。

ただ、エンディング前の”とある表現”については、ちょっと良いと思いました。なんか「乗り越えていく」って感じがして。
何のことか気になるなら、プレイしてください(笑)



■====== 得点とまとめ ======■
●●●●●○○○○○ … 5点(10点満点)


一言で言うなら「兄弟の冒険を描いた映画を、バーチャル体験している」って感じでした。
ゲームらしい要素といえば、道中にある謎解き要素ですね。そこ自体は面白くできているのですが、基本的な魅力はやはり、道中での物語の展開とか表現を、ありのままに感じて楽しんで欲しいというところだと思うので、やっぱり映像作品としての価値観のほうが強いですね。『風ノ旅ビト』みたいなもんです。

こういう作品って、難しいんですよね。評価するのが。
だって、1つのゲームとして見たら「自由度が少ない」「ボリュームが少ない」「会話とかが無いので手抜きに感じる」とか、言われるのは目に見えているんです。だからこそ、こういう作品はゲームとして見るのではなく、映画を見に行くとか、DVDを買うような気持ちで購入を検討してみて欲しいように思います。ま、そう言われてもゲームソフトである以上、ゲームとして見ちゃう人がほとんどでしょうけどね。
私も正直、1,500円払っただけの価値を楽しめたか?と言われると…やっぱり、物足りないです。謎解きや雰囲気は良かったので、むしろこれでもっと色々な場所を冒険してみたいって感じでした。

『風ノ旅ビト』もそうでしたし、私はまだプレイしていないですけど『DATURA』という作品もこんな感じでしたよね。メッセージ性やゲーム性が少なく、見た目だけでとことん想像を膨らませていこうというタイプです。
最近、海外ではこういうタイプの作品が流行り始めているんでしょうか?日本人の感覚にはなかなか合いそうにありませんが…これもまた、1つの新しい可能性なのかもしれませんね。

万人向け ← ○○●○○○○○○○ → 熟練者向け
手軽に ← ○○○●○○○○○○ → じっくり
思考タイプ ← ○●○○○○○○○○ → 感覚タイプ
 爽快感重視 ← ○○○○○○○○○● → 達成感重視 


関連記事:
PS3『風ノ旅ビト』 インプレッション(2012/04/07)

その他のタイトルのインプレッション記事は、こちらからどうぞ
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