『レイトン教授と奇跡の仮面』
対応ハード : ニンテンドー3DS
発売日 : 2011/02/26
希望小売価格 : 5,980円(税込)
ジャンル : ナゾトキ・ファンタジーアドベンチャー
プレイ人数 : 1人
セーブデータ数 : 1つ
通信機能 : ニンテンドーWi-Fiコネクション・すれちがい通信
※通信の名前にしばらくカーソルを合わせると、通信システムの簡単な説明が表示されます。
CERO : A(全年齢対象)
◆-参考データ-------------------------◆
購入価格 : 2,400円(中古)
プレイ内容 : シナリオクリア&日刊ナゾ通信を100問ほどクリア
シナリオクリアまでのプレイ時間(目安) : ●●○○○
●○○○○ … 5時間未満
●●○○○ … 5~15時間
●●●○○ … 15~30時間
●●●●○ … 30~50時間
●●●●● … 50時間以上
◆-----------------------------------◆
●= ナゾトキ英国紳士、3DSへ =●
今作は、DSで発売されてきた『レイトン教授』シリーズの最新作で、ニンテンドー3DSのロンチタイトル(本体と同時発売のタイトル)の1つとして発売されました。
すでにシナリオクリアしましたので、インプレッション記事は今回きりとさせていただきます。
◆-- あらすじ --◆
砂漠にそびえたつカジノシティ「モンデドール」。
小さなホテルから始まり、たった18年で大きな街に発展した”奇跡の街”と言われています。
そこに住む親友シャロアから、一通の手紙が届きます。ある事件が起こっており、”奇跡の仮面”が関わっている、と。
奇跡の仮面。それはレイトンにとって因縁深いものでした。
18年前、彼はそのせいで”大切なもの”を失ったからです。
レイトンたちは、事件解決のためにモンテドールへと向かいます。
●= 概要 =●
基本的な進め方は、過去のシリーズ作品と同じです。
色々な場所・人物を調べて手がかりを探しつつ、様々なナゾに挑戦していくことでストーリーを進めていきます。
以下、ちょっと変わった部分を紹介。
◆-- 操作について --◆
前作までは、上画面に全体マップ。下画面に現在いる場所が表示されて、下画面をタッチすることで調べたりしました。
今作では、上画面に現在いる場所が3D立体視で表示され、下画面には全体マップが表示されています。
そして、上画面に表示されている虫メガネを、下画面で”間接的に”操作するスタイルとなっています。
下画面の虫メガネアイコンをタッチした後、何もないところをタッチしてスライドすると、スライドした方向に虫メガネが動きます。虫メガネがオレンジ色に変わったら、タッチすることで調べます。また、青色に変わる時もあり、調べると奥に移動することができます。
◆-- 移動について --◆
前作では、靴アイコンをタッチ → 移動したい方向の三角アイコンをタッチして移動という感じでした。
今作では、下画面の全体マップで移動したい先をタッチして移動します。
◆-- ミニゲーム --◆
毎回、メニュー画面から数種類のミニゲームが遊べますが、今回もありますよ。
|-- ねじまきロボ --|
一度に3歩進んでしまうロボットを、ゴールまで導くパズルゲームです。
「壁にぶつかると止まる」「ネジを取ると壁にぶつかるまで直進」といった特徴をもとに、正解のルートを考えましょう。
|-- うりきれショップ --|
タナの中に商品を置いて、1人のお客で完売することを目指します。
お客は、目的の商品を購入した時、「隣に同じ色、または同じ種類の商品がある」と、衝動買いをしてくれます。ただし、条件の合った商品が2種類以上あると、迷ってしまって結局購入しなくなります。これを参考にして、タナに収まるように全ての商品を置きましょう。
|-- きょくげいウサギ --|
サーカスの団長に捨てられそうになったウサギを育てます。
遊んだり、おしゃべりをしたりして”芸”を覚えさせていき、最終的にはラビットショーでウサギに演技を見せ、団長に認めてもらうことを目指します。
◆-- 日刊ナゾ通信 --◆
過去のシリーズ作品でも「週刊ナゾ通信」というのがありました。週に1回、新たなナゾが送られてくるというものです。
今回は、それがパワーアップ!1日に1回、新たなナゾが送られてきます。
※このサービスは、発売から1年間(2012年2月26日まで)続く予定です。
また、このモードでのナゾを解いていくと、上画面に表示されているレイトンの部屋に次々と家具が増えていきます。
家具は、もらう時に2種類のどちらかから選択します。自分なりのコーディネートを目指しましょう。
◆-- すれちがい通信 --◆
枠のデザイン・肩書きを設定して、すれちがい通信データを作成します。
すれちがい通信が成功すると、相手のデザイン・肩書き・プレイ時間などのデータがリストに追加されていきます。
肩書きは、ストーリーで「ひらめきコイン」を一定数入手するごとに増えていき、枠のデザインはゲームコインで購入することができます。
※ゲームコインとは? … 本体に内蔵された歩数計の測定で、100歩ごとに1枚獲得できるコインです。
■== partygameの評価 ==■ … 81点(100点満点)
レイトンらしさは健在 3DSらしさは微妙
○=良かった点
△=人それぞれ or 気になったけど悪いというほどではない点
×=悪かった点
|-- ○いつものレイトンらしさは健在 --|
進め方は今までと同じですし、演出や、随所に入っているアニメムービーも健在です。
シリーズ経験者でしたら、良くも悪くも今までどおりに楽しめるかと思います。
ミニゲームも面白いですよ。個人的には「きょくげいウサギ」でちょっと反応が悪い気もしましたが。
|-- ○ストーリーについて --|
個人的には、けっこう良かったと思っています。最後にちょっとだけグッときました。
途中、いくつかのトリックがちょっと”強引過ぎる”という印象を受けましたが…まあ、過去のシリーズ作品でも強引なトリックはそこそこ多かったので、よしとします(笑)
|-- ○日刊ナゾ通信はありがたい要素 --|
週一だったナゾ通信が毎日配信になったので、もちろん遊べるナゾは7倍!
ただし、今回はナゾというよりは、全25種類のパズルゲームで、新しいステージが次々と届くみたいな形になっています。まあ、違うナゾを新たに365個考えるのは、キツかったのかもしれませんね。
まあ、これはこれで充分面白いので、いいと思います。
|-- △3D立体視について --|
そもそも、このシリーズ作品自体に3D立体視の必要性はあまりありません。せいぜい、演出的に使えるだけですね。
あと、どうしても3D立体視を利用することを意識しすぎたからか、操作面で少し劣化がみられました。
これまで、調べたいところを”直接”タッチしていたのが、虫メガネによる”間接的”な操作になったことで、ライトユーザーにしてみればグッと敷居が上がってしまったのではないかと思います。
|-- △レイトンの3Dグラフィックについて --|
今回3Dグラフィックを導入したのは、恐らく立体視を活かすためだったんだろうな~と思っています。
私のようにゲームをやり慣れている人はともかく、そこまでやり慣れていないユーザーは、3Dグラフィックのデザインとか挙動に、少し違和感を感じるかもしれません。
また、デモイベントについても、ほとんどはいつものアニメムービーなんですが、たまに3Dグラフィックでのムービーもありました。差別化を図っているようには感じず、なんかとってつけた印象がありました。…まあ、元々3DSで発売する予定ではなかった作品なので、とってつけたように感じて当然なのかもしれません。
|-- △ナゾについて --|
これも立体視を意識した結果かもしれませんが、アクション要素の強いナゾが多くなった気がしました。
特に気になったのは、ストーリーの序盤にあった、乗馬のスクロールアクション。どう考えてもアクションゲームで、ナゾトキゲームには必要のないタイプのゲームだと思いました。序盤にあれをプレイすると、ヘンに敷居の高さを感じてしまい、ライトユーザーは不安に感じるでしょう。
|-- ×すれちがい通信について --|
まあ、あってないようなものですね。導入するなら、もう少し利用したいと思わせる内容にしてください。
ないよりはマシ…と言いたいですが、なくてもいいものを作るくらいなら、そのぶん別の要素に力を入れられたハズなので。
◆-- 総評 --◆
基本的にはいつものレイトンが楽しめますが、調べるときの操作が難しくなったことや、アクション要素のあるナゾが多くなったなど、全体的に少し敷居が上がってしまった印象でした。どれも、3D立体視を意識したが故に、生まれてしまった弊害であるように思います。
タッチスクリーンでの操作に多少なりとも慣れている人なら、そこまで問題は感じないと思いますが、それこそDSではレイトンしかプレイしていない!という人は、注意が必要です。
これは、レベルファイブ日野社長のインタビューにありましたが、元々DSで発売予定だった今作が3DSに移ったのは、任天堂の岩田社長からのお願いがきっかけだったようです。
3DSにとっては、本体を牽引するタイトルが欲しかったことでしょうし、レイトンが指名されたのは、レベルファイブからしたら光栄なことだったでしょう。しかし一方で、従来の予想より売上や業績が落ちる・作り直す必要がある・3DSに移行するだけの価値を考えるなど、それ以上に悩ましいところもあったでしょう。で、結果この形になったわけです。
あくまで個人的な考えですが…ヘンに立体視を意識しすぎず、いつものレイトンらしさはそのまま残すべきだったように思います。アニメムービーだけでも立体視はそれなりに価値を見出せますし、会話シーンだけ上画面で見せるというのも、1つの手だったかもしれません。
それに、”3DSならではの機能を活かさないと移行した意味がない”という気持ちもあったのかもしれませんが…どうせユーザーは、機能を活かしていようがいまいが、3DSに移行した時点で非難を浴びせていたでしょう。なので、そこは割り切って”3DSでもいつものレイトンを”と貫く考えも、必要だったのかもしれません。
そして、今レイトンは悩みどころにあるようです。
事実、いつもは発売直後に発表されていた次のシリーズ作品が、まだ正式には発表されていません。このまま3DSでいくか否か?その場合、ゲームスタイルはどうするか?頭をひねっている最中なのかもしれませんね。
関連記事:
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