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何故イギリスでは食料自給率が回復したのか?

2009年07月02日 | ”食”について考える!
●イギリスの食料自給率は現在70%強と優良な状態ですが、第1次世界大戦直前の1914年には42%に過ぎなかったのです。
「食料自給率のV字回復を達成したお手本」として最近取り上げられていますが、イギリスは一体「何」をして食料自給率をあげたのでしょうか。
これが分かれば遅々として回復しない日本の食料自給率を向上する参考にすることができるかもしれない。



農水省のHPによると、イギリスが約30年間で食料自給率を25%向上させた理由は
①2度の世界大戦で深刻な食料不足に陥った経験から、英国民の間に「食料は国内生産でまかなうことが重要」との認識が醸成され、これに基づいた農業施策が推進されてきたこと。

②イギリスの気候風土の中で長い年月をかけて育くまれた食生活に著しい変化がなかった。これはライフスタイルが多様化し食生活が大きく変化し、日本の気候に適している米の消費が減少した我が国の場合と異なる。

③イギリスの気候風土に適した農産物である小麦の増産により、飼料用を含む穀物自給率が大幅に向上し、100%を上回る水準に達するまでになったこと。
とあります。

◆では日本ではこれを手本とできないでしょうか?


    【日本の食糧自給率】

①これが大切!政府のキャンペーンなどにより、国民を啓蒙する必要があるでしょう。

②食生活に著しい変化が無かったこと。
⇒確かにライフスタイルは変化し、気候にあったお米の消費が減り、自給率は減少しました。
しかし、食生活の多様化によりタンパク質類を摂取するようになり、平均寿命も格段に伸びたのでしょう。
自給率を上げるためだけにお米を食べなさい、は根本的に違うでしょう。

③農水省の意見を一言でまとめると、とにかくお米を増産してもっと食べなさい。
⇒そうすれば自給率が上がります。と言う主張ですね。
お米は卵と並んで100%自給できている食品ですから、飼料用穀物としたり、米粉のパンなどもいいかもしれない。

★しかし農水省の方針では、自給率向上の為に数字合わせをするだけで、現在の世界に誇れる食文化を否定してしまうことになる。

私の考えは、農業が“儲かる”産業となり若者にとって魅力的になることが一番だと思うのです。
それには、現在の単なるバラマキで無いより効果的な保護政策、補助金が必要であると思います。

企業が農地を取得するにも様々なハードルがあるが、これらを撤廃していくべきでしょう。
一方で減反政策の遊休農地に金を出し、本当に農業をやりたい要求には応えられていない。
結論は政府の強い政策的意志が必要なのでしょう。

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4 コメント

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イギリスの (GS)
2009-07-02 12:30:44
気候風土からかつて良い野菜が育たなかった為に飢餓から身を守る意味でも何でも食べなくては生きていけない危機感から「味蕾細胞の貧困」というDNA情報も引き継いでしまったという説もありますね。
味蕾の発達は中国人が一番すごくってアングロサクソンは最低ランクだったとか♪
なので、味がよく解らないため食習慣を変えてまで美味い物を探す必要がないとか(^^;)本当かどうかは疑問ですが♪

紅茶とスコーンのおやつが一番重要というのは本当らしいですけど。
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味蕾細胞の貧困 (SUNNY(管理人))
2009-07-02 15:28:42
味蕾細胞の貧困ですか!
こんな情報もDNAで引き継がれるのですか!

アメリカ人の味オンチは有名ですが・・・。
ドイツ人も毎日、同じ食事と聞いたこともあります。

とにかく、食事の多様性は日本が一番なのは間違いないでしょう。

和食、中華、洋食・・・、これは恵まれてますね。

”うまみ”は日本人だけが分かるとも言いますが・・・。
中国人は化学調味料ドバドバですものね。
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Unknown (はる)
2010-10-07 15:10:51
イギリスの食糧自給率が増加したことはなんとなく知っておりましたが、このようなすばらしい努力?があったとは知りませんでした。日本も見習わないといけないなぁ。と思わせるような内容がたくさんあり、感激いたしました。カロリーベースで見た際の日本の食糧自給率の低さ。問題も山積みなのかもしれませんが、これからの日本を作るために頑張らないといけないなと、実感いたしました。
とても参考になり、とても考えさせられる内容で、このようなサイトに出会うことができ、大変嬉しくおもっております。 ありがとうございました。
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事情は変わってきています (SUNNY(管理人))
2010-10-07 15:23:44
はるさん

丁寧なコメントありがとうございます。
しかし、この記事を書いたのは1年以上前。

現在は様々な情報が明らかになってきています。

端的に書くと、カロリーベースで自給率を算出しているのは日本だけです。
その理由は農水省の予算を減らさないためのようです。
金額ベースでは日本は世界で5番目の生産国と言う算出もあります。
簡単すぎる説明ですが、表の情報、裏の情報にアンテナを張るべきでしょうね。
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