リリコ雑記

徒然なるままに、思いつき日記。

私という名の変奏曲

2015年10月03日 23時55分54秒 | ドラマ関連

連城三紀彦さん原作で、天海祐希さん主演のこのドラマ。

映像化困難、と言われたミステリーらしいです。

私はこの作者さんの物語を知らなかったので、見てみることに。

で、思ったのは、映像化困難って、もしかしてトリックの部分?

正確には、「整形」に関する部分で、元々美しい人をもっと美しく見せる、

というCG技術でしょうか。


元々の美しい顔を、一般人っぽく加工する、というのも難しいけどね。

思い切りネタバレですが、ドラマの冒頭部分にもあった、

殺されたモデル・美織レイ子には、高度な整形技術が施されていた

という部分。

今回のトリックの肝はその、整形に関する事柄でした。

 

今だと、モデルの整形は当たり前というか、あっておかしくない、

って私も思っていたので、別に気にしてなかったんだけどね。

後半に入り、これが一番重要な鍵だったという流れに。

 

しかも、この一番大事なところが面倒くさい (←おいおい)


途中、何が何だか分からなくなり、物語に付いていくのに精いっぱい。

「名探偵コナン」見ててもそうなんだけどね!(爆)


しかしその、奇抜なアイディアは素晴らしいと思いました。


ちょっと前までは、さすがに

「元々不美人の顔を美しく整形なんて、そんな事、現実には無理でしょ」

と思ったことが、今では、「もしかしたら出来るかもしれない

と思える技術力が今はあるからね。

そういう意味では、映像化困難が可能になったのかも。

 

それでも、ですよ。

感想を書くにはテンション低いです。

何故って、始まる前は楽しみにしていたワケなのですが、いきなり、

冒頭部分で挫けました。(爆)

 

いやその。

天海さんの恐喝にも似たセリフが怖くて……。(脅)


しかも、全体的に暗い。


個人的には、ちょっと受け入れがたいという感じがしました。

(ミステリーは、少し明るい&固い雰囲気の方が好みなので)

 

始まっていきなり、

殺せるもんなら、私を殺してみなさいよ!!

と、でかい声で物騒なセリフを吐き、挑発を続けるレイ子さん。

このシーンだけでも怖いよう。

天海さん、迫力あり過ぎ。

これだけでも、殺されそうな予感は十分にさせておいて、

その直後、彼女は毒の入ったお酒(ブランデーか?)を飲んでしまい、

殺害されてしまったのでした。

 

何者かに殺されてしまった美織レイ子、とは。

とても美しい人で、モデルの他にも、色々と幅広く活躍しているらしい。

だけど我がままで自分勝手で、性格は最悪、という感じのトップモデル。

恨みを持った者は数知れず、という、如何にも、な感じの人物。

これはミステリーにとっては、お約束中のお約束ですね! 

 

さて、犯人は誰なのか。

 

と思いきや、あっさりと犯人逮捕。

それは、結婚直前にして婚約破棄をされた医者・笹原さん。

何しろ自宅にまで押し掛け、執拗に復縁を迫っていたからね。

お手伝いさんが、それをしっかりと見ています。

 

実は美織さん、彼が自宅にまで押しかけてきた、その夜に殺されてしまった、

という事もあり、その動機も十分に持っている人物なので、当然ながら、

犯人に思われても仕方がないというか。

 

しかーし。

ここで物語は急展開を見せるのでした。

 

“美織レイ子を殺したのは自分だ”という遺書を残して

アパレルメーカーの社長・沢森が自殺をしてしまったらしい。

 

って、遠藤憲一さんじゃないですか!

でも、彼って、

アパレル会社の社長ってイメージじゃないなー。(苦笑)

もうちょっと違う人がやっても良かった気がします。

 

沢森の遺書に書かれていることは、死亡していた彼女の状態を見ても

符合するものばかり。


じゃあ、彼が真犯人なのか?という展開に。


その沢森さん、随分と美織さんからイジメにも近い脅迫を受けてて、

耐えられなくなって、殺してしまったらしいのです。

 

実は、医者の笹原さんが逮捕された頃、警察には怪文書が届いていて。

美織レイ子を殺した真犯人は、別にいると書かれていました。

しかもその中には、5人の男女の名前が記されていて。

彼らの中に犯人がいるっぽい感じ。

 

ここにきてアガサ・クリスティーばりの物語きたー!!

と思いきや。

 

ドラマ内のテンションがあまりにも低いので、見る気が失せてきた……。

 

つか、刑事・岡部さんの部下がウザい

でかい声で「もう事件は解決ですよー」とか、連呼すんな。

刑事なら、 「証拠持って来い!!証拠!!」

だろーがっっ。

 

因みに、浮上した容疑者たちの中で、一番曲者だと思ったのは

やはり、市川猿之助さんですねっ


彼が出るならやっぱ、ラスボス役しかないでしょう!

と思っていたら、その通りだったので、やっぱりな感じでした。

 

いや、別にいいんだけどさ。

歌舞伎「ワンピース」、一人三役頑張って下さい

↑寧ろこっちが言いたい。

 

 

話は大分逸れましたが、今回の事件は、

被疑者は1人なのに、殺人犯が5人という異常事態


しかも全員、「自分が彼女を殺しました」と、答えていること。

気のせい、じゃなくて、確実に殺したと思い込んでいる所が難解です。

果たしてこの謎は???

 

という事件でしたが。

 
実はワタクシ、そこから先、見てませんでした。(おい)

 

最後の謎解き部分を聞けばいいやー、と思って、

風呂に入ったんだよー。

 

事件の真相が明るみになる事に、再びドラマ視聴。

そこで、美織レイ子の過去を知ることに。

 

彼女はもともと不美人で、同じ職場にいた同僚が美しい人でした。

それも、美織レイ子さん、そっくりの顔。

ところが、ある日、彼女は事故に遭ってしまった。

彼女を轢いたのは、笹原の部下で医師の浜野。

市川さん演じてましたが、美織レイ子が生まれた原因の男です。

彼は事故を隠蔽するために、彼女に整形手術を受けさせる事に。

アメリカまで連れて行き、そこで、復元技術の医師に合わせることに。

彼女が望んだ顔は、元の顔ではなく、美しい同僚の顔。

しかし、医師は「もっと美しく復元できる」と言い、

更に美しい顔を彼女に与えてしまったのでした。

 

問題は、そこから。

美しく生まれ変わった彼女は人生が変わった。

 

……ハズだった。

確かに、変わったことは、変わったんだけどね。

 

彼女は、地獄を味わうことになってしまったのでした。

 

その美しい彼女を食い物にしようと、複数の人間が

彼女を利用し始め、彼女を食らいつくしていったらしい。

しまいには、美織レイ子は人格的にも壊れちゃって。

 

我がままで、勝手気ままな美織レイ子が出来上がってしまった。

 

でも、そんな中、自分を地獄へと突き落とした彼らを許せずに

彼女は復讐を決意した、という事らしい。

 

さて。

じゃあ、自分の顔を取られてしまったあの同僚さんは、というと。

美織レイ子が手術を受けた医師の元に行き、

彼女と同じ顔にしてもらうように頼んだらしい。

 

ここで、二人のレイ子が生まれてしまった。

当然、同じ顔になった同僚さんは、レイ子に会いに行く。

そこで、レイ子は彼女を利用し、あの5人に復讐する計画を立てた。

あの5人に対して、執拗なくらいの脅しを掛け続けていたのは、

その復讐を考えていたからかもしれないけど。

 

1人の被害者に、5人の容疑者は、こうして出来上がったもので、

最初に殺されたのは、レイ子の顔をした同僚さん。という事になる。

(後日、検死の結果、レイ子の死体じゃないって判別したからね)

 

殺した同僚さんををベッドに寝かせ、自分は電話で一人一人を呼び出し、

自分(美織レイ子)を殺させるように仕向ける。

 

あくまで毒殺させるように、毒をちらつかせ、相手の心を誘導し、

罵倒などを繰り返しながら挑発を続ける。

当然、彼女の脅しから解放されたい彼らは、彼女のグラスに毒を入れ、

飲ませるように仕向ける。

 

そして、レイ子はわざと、毒の入ったグラスを飲んだフリをして、

亡くなっているもう一人のレイ子の横たわっている部屋へ行き、

急いでクローゼットに隠れる。

彼女の様子を見に来た彼らは、「死んでいるレイ子」を見て、

自分が殺したのだと思い込み、すぐに部屋を出ていく。

 

そして、これの繰り返しを5人に仕掛ける、という、

とても労力の要る、難儀なトリックでした。

 

ただ、やっぱ、天海祐希さんは強いイメージがあり過ぎて、

ちょっと怖かったかなー。

脅しているシーンは確かに迫力あったけど。

 

因みにトリックのシーンでは、見ている途中でワケが分からなくて、

すり替えの部分で「んんん?」ってなったけど、

まあ何とか理解したって感じかな。

 

因みにレイ子さんは末期がんで、余命僅かだったらしい。

そこで、医師・笹原の協力の元に、この復讐計画を実行した、

というワケ。

 

つまり、最初の容疑者が彼女の共犯者だった、というどんでん返し。

ここは感心しましたね。

その後の段取りはすべて彼が誘導し、仕切れるからね。

(警察への証言とか、色々と)

 

ただ、このドラマで最も緻密で繊細なシナリオの凄さは、やはり、

岡部刑事が主人公の共犯になっていた、という事かな。

(玉木鉄二さんが演じてます)

 

事件の真実を暴こうとすればするほど、彼女の罠に嵌っていた

というパラドクス。

 

彼女の真の狙いはまさにそこにあり、少しでも外れれば

彼女の復讐は完成しなかった という、素晴らしさ。

 

これが本当の意味でのトリック

なんだって思いました。

 

岡部刑事の素晴らしい洞察力のお蔭で、我々は

彼女が仕掛けた復讐の全貌を見ることが出来る、というわけ。

 

でも、何だろう。

 

凄いなー、 とは思ったんだけど、何というか。

 

やっぱ、全体的に暗いのは好かんです。(爆)

 

いや、私の好みの問題なんで……。

ドラマに罪はないんだけど。

豪華キャストで、素晴らしかったんだけどね。

ただ、天海さんは色々と(男らしく)きっぱりしすぎているので、

ちょっと違う感じもするんだけど……。



違う女優さんが演じれば、また違う印象になるんじゃないかなー、と。

かといって、壇蜜ちゃんみたいなタイプはもっと違うんだけどね。(笑)

 

納得はしたんだけど、色んな意味で残念な雰囲気のドラマでした。

色んな部分をもう少し大衆向けに改善すれば、もっとテンポよく、

面白くなるのになあ。

 

ってこれも、あくまで個人的主観の話ですが。

 

かといって、「湯けむり温泉殺人事件」みたいなノリは

ゴメンだけどな!(おい)



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