papalion - 航海日誌

東京で活動するライブバンド papalion(パパライオン)のブログです。

お遍路を自転車で・・・24(11日目1)

2007年12月10日 | お遍路を自転車で・・・
お遍路一覧(廻った順)ページはこちらから >>> ①徳島~高知編 ②高知~愛媛編

2006年の秋、自転車でお遍路四国八十八ヶ寺を廻った話の続き。

お遍路を始めて11日目、写真は前日の夜の展望露天風呂、国民宿舎「土佐」からの朝の眺望、青龍寺、武市半平太像。

朝、国民宿舎土佐で荷物と自転車を預かって貰い、36番青龍寺に向かって人一人が通える幅の山道に分け入った。山道には、小さな仏様がいくつも供えられており、一昔前の遍路道が感じさせられた。
この横浪半島には横綱朝青龍の出身校、明徳義塾高校があり、朝青龍の四股名は青龍寺から頂いたとか。青龍寺には波切不動という立派な石仏が有り、海に近いお寺らしく、剛の雰囲気漂うお寺だった。


お参りを済ませ、国民宿舎土佐に戻り、お世話になった国民宿舎のスタッフさんに挨拶をして、横浪半島の尾根を走る横浪スカイラインを自転車で走り出した。



朝の横浪半島は車も無く、眺望は素晴らしかった。
朝起きる前に既に出発していたFさんはこの誰もいない自然の風景を眺めながら一歩一歩歩いているのか、と思うと羨ましく思ったりした。
自転車で快走するのも気分いいが、歩きお遍路は一味違うようで、古市さん曰く、「歩いてて、周りの景色が変わる瞬間があるけど、それはもうすごい実感があるよ。」と。
自転車の場合、坂道を上る時は歩くようなスピードで、荷物にプラスして自転車の重さが加わり、ただただしんどいだけだが、坂道を下るときは、周りを見る余裕もないくらいスピードが出る。その爽快感は自転車ならでは。
景色をすっ飛ばしてワープしてるし、歩きお遍路とはまた違う楽しさはある。
でも、その土地土地を味わう実感は、歩きお遍路には負けるかな。

横浪スカイラインでは、車にもほとんど遭遇せずに、車道の中央をずんずん走った。何度か、観光用のビュースポットで一息つきつつ走った。
その休憩地のひとつ、武市半平太の銅像のある観光用駐車場で小休止した。武市半平太は坂本龍馬とともに幕末に奔走した志士のひとり、幕末ファンなら知ってるだろうくらいの有名人。

昔、子供の頃見た武市半平太像は、頭がでかくて目鼻立ちがごつい近藤勇のような感じだったが、評判が悪くて作り直したらしい。しゅっとした顔立ちに変わってた。

さらに走ると意外と距離があった。坂の上りと下りを繰り返し、ようやく横浪スカイラインが終わりそうな下り坂に差し掛かり、曲がりくねった坂道を、汗を吹き飛ばす快速で一気に下った。

下り終わり、横浪半島の内海沿いをゆっくり走っていると、歩きお遍路さんを発見。
朝早く先に出発していたFさんと再会した。
昨夜、Fさんには違うルートで次のお寺に向かうと言っていたので、僕が後ろを追いかけて走ってきたことを知らなかったFさんは若干驚いていた。

白装束に身を纏い、大きな荷物を背負って金剛杖を突いて、しっかりと歩いてる。国民宿舎で知った愉快なFさんとは全然違ってて、完全なお遍路さんだった。
Fさんや山梨のお遍路おじさんを知る事で、歩きお遍路さんを見る目が少々変わった。

歩きお遍路をする人は、特別何か深いものを背負って、人にはそうそう語りたくない事情があって歩いているんだろうと。親を亡くした等の人の生死に関わる事や、リストラにあうような人生の重要な境目を経験してとか・・・、そんな理由を抱えているのではないかと、変な先入観があった。
もちろん浅い深いに関係なく、何かのきっかけでお遍路をするのだろうが、そんな事より何より、同じように旅を楽しんでいるんだ、ということがよくわかった。

そういえばおばあちゃんも、「わたしも行きたい、本当にうらやましい、一緒に連れてって。」と冗談混じりに言ってたな。

Fさんと少し話して、別れた。

続きは>>お遍路を自転車で・・・25で。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿