チビのおしゃべり日記

お星さまになったチビへ
どんぐり母ちゃんが語りかけます。
ねえ、チビ・・・聞こえる?

入院当日。手術を二日後に控えて・・・。

2017年05月04日 | 日記
掌に伝わる小さな鼓動・・・。
そーっと頬を近づけると、フワッとした暖かさが伝わって来ました。
『チビちゃん、母ちゃん行ってくるね。
お利口さんしてお留守番しててね・・・』

入院当日の朝、いつもとは何か違うのを察したのでしょう。
チビの小さな体が緊張でこわばってるように感じました。

ケージに戻そうとしても足を踏ん張ったまま掌から出ようとしません。
無理に入れようとすると必死になって胸元にしがみついてきました。

いつもなら大好きな父ちゃんに、まとわりついて離れないのに
その日は、わたしから離れようとしませんでした。

チビの不安そうな表情を見ているうちに、
愛おしさと切なさで、とめどなく涙がこぼれ落ちてきました。

涙はチビの背中を伝わってスーッと流れ落ちました。

手のひらサイズの小さな命。
その小さな背中に何度も何度も頬ずりしてからチビをケージの中に戻しました。

『ごめんね・・・母ちゃん必ず帰って来るからね。
帰って来たらいっぱい抱っこしてあげる・・・それまで待っててね』

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5か所に仕切られた入院の受付コーナーには、既に数名の方が順番待ちをしていました。
皆さん、ご家族らしき方に付き添われ一緒に説明を受けています。

入院される半数の方は、どんぐり夫婦と同じ年代のように見えます。
それぞれ病名は違えど何らかの病を持ち、治療または手術を受ける方々でしょう。

入院されるご本人よりも付き添われる方々(多分ご家族)の方が
疲れ切った様子に見えました。

どんぐり父ちゃんも同様です。心なしか一回り小さくなったように見えます。

まともに歩けなくなった母ちゃんの手を引きずりながら、
もう片方の手には大きなカバン。

2人でヨタヨタ歩く後ろ姿は、傍から見たらどちらが倒れても
おかしくない状態に見えたでしょう。

入院の手続きも済み、病室へ着くと丁度、昼食の時間になっていました。

ドアをノックする音と共に、配膳係の方が入って来ました。
『どんぐりさん、お昼をお持ちしました。このお名前でお間違えないでしょうか』

見るとトレーに置かれた用紙には部屋番号と私の名前が記されてました。

『間違いありません。ありがとうございます。いただきます!』

一つひとつの容器には蓋がしてあり、温かい物は温かく、
ゼリーなどのデザートはヒンヤリと冷たく温度管理がされてました。

美味しそう~♪
自分がイメージしてたのとは大違い。おかずもの品数も多く、
薄味を感じさせないくらい美味しく調理されてました。

病院の外には食事するお店が沢山あります。
どんぐり父ちゃんにも外で食事をしてくるように言いましたが
結局はコーヒーだけを飲んで早々に戻ってきてしまいました。

これから長丁場になります。
チビの為にも父ちゃんには健康で居てもらわないと困ります。

どんぐり母ちゃんは、添えられたおかずと、
どんぶりに盛られたご飯を米粒一つ残さずシッカリ完食!

傍から見れば手術を控えた患者とは思えないほどの食べっぷりです。
胃腸は至って健康。血色の良い健康優良児のような顔をしてるのに、
父ちゃんの方は、消化器系が悪そうな顏で今にも倒れそうに見えました。

父ちゃん!シッカリして! 父ちゃんの今月の小遣い2倍にしていいですよ。
好きなように使ってね。

一瞬!父ちゃんの顏が嬉しそうに緩むのが見えました。

続く。