腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

GOD WARS ~日本神話大戦~(PS4版)

2019年04月14日 22時32分55秒 | PS4ゲーム感想文
【ハード】PS4
【メーカー】角川ゲームス
【発売日】2018年6月14日
【定価】8,639円(限定版)
【購入価格】6,980円(新品現物版)
【プレー時間】120時間(かなり概算)


「ナチュラルドクトリン」である。……何がだよ。ちゃんと説明しろ。これだけで分からん? そらそうか。伝わらんね。

ナチュラルドクトリン……通称(嘘。誰も使ってない)ナチュドクは、今から5年前に発売されたS・RPGである。
PS4・PS3・VITAの3機種マルチで気合い入れて発売された。……が、残念ながら全く(多分)売れず、大きく値崩れした。
俺は同年にPS4の豪華版を1500円くらいで買った。今ならPS3版中古が108円とかで転がってるし、DL版500円セールもよく見る。
ちなみに発売年にPSプラスフリプ対象になるという壮絶な屈辱も受けているが、それでも何人がちゃんとプレーしたことか。
俺は2年前にプレーしたが、非常に高い難度、なのに説明不足なシステム、整合性ガン無視なシナリオ……欠点だらけだった。
軽いゲームに見えてガチな内容は一向に構わんが、それをプレーヤーに受け渡せていない。これじゃ拒否反応を示して当然だ。
正直、売れなくても仕方ないと思った。俺は始めた以上最後まで頑張るけど、正直憂鬱だなぁ。購入失敗だったか。はぁ。

……などと重い気持ちでプレーを続けていたが、途中でシステムをキッチリ理解すると、比喩でなくゲームが一変した。
高難度SPRPGに、システムを把握した上で必死に作戦を考えて挑む……極上の「手強いシミューレーション」がそこにあった。
もう、ドハマリよ。寝食忘れるレベルでナチュドクに没頭した。途中までの印象も世間の評判も、何もかも全部ぶっ飛んだ。
後に残ったのは、俺に至高の時間を提供してくれる神ゲーだけ。最高に面白かった。2周にトロコンまで、夢中で遊んだ。
まぁナチュドクについてはこの辺にしとく。とにかく面白かったのだ。……では? 続編を望んでしまうのが人の子よ。
しかし、プレー当時で発売から3年が経過していたが、続編など気配すらなかった。まぁ、残念だが当然の結果であろう。
もちろん売れていれば企画も立っただろうが、そうじゃないんだから。作り手は商売でやってんだから。お金の話よな。
その現実は仕方ないとしても……俺はナチュドクを新品とは言え投げ売りで購入した。作り手に対し全く報いていない。
底抜けに楽しんだのに、対価をキッチリ払えていない。普段は気にしつつも忘れることだが、この神ゲーは別格だ。
何かしらお金を払って「ナチュドク最高でした」とスタッフに伝えたい。ただの自己満足だが、俺にはそういう気持ちがある。
どうもスタッフは比類なき「艦これ」と共通性があるようなので、あちらに入ってみることも考えたが……それは嫌。嫌だ。
やるなら家庭用ゲームで、だ。……となると、やっぱ続編しかない。待ってますから。何年でも。虚しいです。嗚呼。

そんな風に考えていた時に発表されたのが「GOD WARS ~時をこえて~」である。
先に言っておくと、スタッフに共通性はない(多分)。だが発売元が同じ角川ゲームスであり、ジャンルがSRPGなのである。
更に俺がナチュドクを終えてすぐのタイミングで発表された。……これは、「縁」を感じる。こういうのは大事にすべきだ。
近年の俺は、正直「どうしても欲しいゲーム」がない。そら欲しいタイトルは幾らでもあるが、発売を指折り数えて~はない。
手持ちの詰みゲが幾らでもあるからってのが大きいな。まぁそんな状態だから、新作の場合、縁は非常に大事な動機になる。
よし、決定。このゲームを購入することで、ナチュドクスタッフへの意思表示とする。理屈は問うな。俺がそう決めた。
……しかし。俺のゲームプレー計画的には微妙で、即買ってもプレーが滞る可能性があった。当時はかなりゲー充だったし。
それに加え、どうにも「完全版」の匂いがプンプン。いちいちそれを気にしてもしゃーないが、気になるものは気になる。
まぁしばらくは待ってみるか。……縁はどうした嘘つき。ごめんなさい。でもこの待ちは正解だった。1年後、完全版発売。
「GOD WARS ~日本神話大戦~」である。時期的にも内容的にも文句はない。今がその時、発売日に限定版を購入。有言実行。
発売日購入だから、即プレー開始。ナチュドク開発者さん達、見てますか? ……そですか、艦これで忙しいですか。はぁ。


さて、購入はナチュドクがキッカケだったが、買った以上今作は今作だ。ナチュドクの幻影を求めてはいけない。当然だな。
ジャンルはSRPGで共通しているが、ナチュドクはかなり尖ったシステムだったし、その意味でも全く違うゲームのはず。
縁は大事だが、買ってプレーする段階まで来たのなら、後は純粋にゲームを見る。完全新作だから思い入れも特にないし。
無論つまらんかったらつまらんと言う。ナチュドクへの義理は購入で果たしたんだから遠慮はしない。さぁ俺を楽しませれ。
……取り敢えず、起動直後に「割れはアカンで」て警告入れるのいい加減止めーや。今のPS4ユーザーにそんな奴おるか?
最近も割れ被害が深刻ってならともかく、そうじゃないだろう、多分。純正品買ってるのに良い気分しないよ。はぁ。

うーむ。プレーを始めてまず「実に普通だな」と思った。奇をてらった部分が全然ない、非常に純粋なS・RPGになっている。
ステージは升目で区切られ、配置されたキャラを動かして攻撃やスキルのコマンドを実行後、待機。向きや高さの概念もある。
戦闘はターン制で、素早いキャラから順に行動、全員が終えたら次ターンへ。ボスは2回行動するやつもいたりする。
成長は経験値レベルアップとに加え、「職業」がある。キャラ毎に設定可能で、職業を育てれば様々なスキルを習得する。
下位職業を育てていればやがて中級職が開放され、更に上級から特級まである。職種はかなり多く、成長のさせ方は自由だ。
装備は武器と防具と装飾品がある。店売りだけでなく宝箱や敵のドロップでも入手可能。それらは特別な性能があったりする。
こんな感じだ。例のよって説明書などない現代ゲームだが、今作は不要に近いタイプだ(一応web説明書はある)。
比べるなと言っててアレだが、システム理解が非常に大変だったナチュドクとは、ジャンルは同じでも方向性がまるで違う。
奥深さや面白さはさておき、今作は超が付くほど普通なSRPGである。ある意味驚かされたくらいに。……うーむ。

極めて普通なゲームなので、ナチュドクと違って取っ付きは非常に良い。最初は何の問題もなくゲームに入っていけた。
……が。正直、段々退屈にもなっていった。やることやっていれば先に進めるが……偉そうに言うと刺激が足りなかった。
ちなみに難度は易普難の3段階で、俺はいつも通り普で始めた。途中変更は不可能。……難にした方がよかったかもしれん。
普でも別にあくびが出るほどってわけじゃなく、しんどい面はしんどかった。それでもなんか、ゲームに乗っていけない。
あと今作、1面1面にかなり時間がかかる。反則的な強キャラ強技が存在せず、常に総力戦になるバランスだからだろうか。
1面に参戦可能なキャラ数が5~6体と少なく、一方敵はごっちゃり。中盤からはなんちゅーか圧迫感が強くなってくる。
その為か、1面突破するだけで結構疲れる。だから「今日はこの辺で」と短時間で終えがちで、ゲーム進行が捗らない。
端的に言えばハマれなかった。長期ではないが放置も多かった。なんせ発売から10ヶ月もかかってるんだもんなぁ。はぁ。

そして、今作はとにかくバランスを重視しているからか、どうにも「快感性(テキトー造語)」を抑えすぎなように思う。
装備品や職業でプレーヤーの弄る箇所は多いのだが、それが面白さと、何よりに快感に繋がってないと思うんよな。
取り敢えず職業。最初は下級職のみだが、成長に合わせて上位職が開放されていき、どんどん数が増える。最終的には20以上。
ここで問題なのが、「職業ごとのスキルは継承されない」ことだ。例えば戦人で鍛えたスキルは、上級の侍人では使えない。
このため、侍人に職業を変えた場合、最初はノースキルの糞雑魚となってしまう。しばらくは地道に鍛えていくしかない。
かといって使い勝手のいい戦人のままにしていても、成長しきっていれば取得するJP(職業経験値)が無駄になってしまう。
職業を変える度にこの不快感を味わう。もちろん侍人で育てれば戦人よりも強くはなるが、それを実感するのはずっと先だ。
せめて幾つかは下位職のスキルを上位に引き継ぎ可能に出来なかったのか。「強くなる快感」を損ねてるとしか思えん。

が、実は引き継ぎ可能なスキルもある。「パッシブスキル」といって、職業関係なくキャラに装備するスキルになっている。
例えば魔法系の職に「斧装備」のパッシブを装着すれば、斧を持てるようになる。まぁそうしてもあまり意味はないが。
……しかし、装備可能なのは、たった3つ。パッシブスキルはそれこそ何十とあるのに、たった3つ。増やす手段は一切ない。
また、俺の場合「入手経験値アップ」と「入手JPアップ」が常に枠を抑えていたため、実質一つだけだった。全然楽しめん。
魅力的なパッシブスキルが多数あるのに、ロクに装備出来ない。これでは成長の楽しみどころかストレスが溜まるだけだ。
ここでもバランスを重視するあまり、快感性を徹底的に排除している。そら両者を並び立てるのが難しいのは分かるけどさ。
しかしこの長丁場なゲームをやり続けるには、やっぱ人参が欲しい。それをいちいち抑制されると、やっぱなぁ……。

今作はレベルがポンポン上がり、成長速度そのものは速い。職業レベルも、使っていれば割とあっさり上限に達する。
だから職替えも頻繁にするんだが、その度にワクワクではなくゲンナリ感を抱いてしまう。積み重ねが見え難いというか。
SRPGは地味なジャンルである。それゆえに、「少しずつ」成果を積み重ねる感覚……「チクチク感」が大事だと俺は思う。
今作にも無論それはあるんだが、それ以上にバランスを重視したことで、成長の高揚感が正直殆どないのである。
ゲーム性の単調さと成長感覚の薄さ。面白くないわけではないが、どうにもハマりには遠い感覚。うーん。

スキルと言えば……スキルは稼いだJPを使ってレベルを上げられる。無論、スキルレベルを上げればその分性能も上がる。
それはいいんだが、スキル数が非常に多いので、徐々に上げるのが面倒になってくる。かと言って上げないわけにもいかんし。
というのも、インターフェースが悪いのだ。「スキルを上げますか?」後の確認が、いいえデフォなのである。伝わるかな。
ゲームにおいて「はいorいいえ」をカーソルで選択→決定 をすることは物凄く多い。今作のようなSRPGなら尚更だ。
多くやる操作だけに、ミスすることも多い。「いいえデフォ」はそれに対する製作者の配慮である。多分。
要するに初期カーソルをいいえに据え置いておくことで、ボタン連打で選択をミスっても特に問題ないようにすることだ。
物語進行に関わる選択肢ではあまり意味がないが、「セーブデータを消すか?」等ででは優れた配慮と言える。
……けど、な。今作のスキル上げなんてゲーム中何百回とやることなのに、いいえデフォが適切か? 非常に疑問に思う。
スキル上げる度に↑一回押して「はい」にする。その度に感じる小さな小さなストレス。しかし塵も積もればヒヨリあり。
同じスキルのレベルを複数回上げることも多いが、一発多段上げは出来ないし、いいえデフォ故にボタン連打も不可。
一つのマップを終えればそれなりにJPが溜まっており、ちゃんと取り組むならその度にスキルレベルを上げる必要がある。
なのに、「どれくらい強くなれるかな?」のワクワク感を、「またあの作業やるのか」という面倒臭さが抑え込む。
マップ後の編成をやっていると、次のマップに進むのがしんどくなる。……ゲームが順調に進まない! うああ!! はぁ。

そんな感じで、「つまらなくはないけどガンガンやれない(やる気になれない)」まま、ダラダラと時間が過ぎていった。
「のんびり楽しんだ」と言えなくもないが、やっぱもっとガンガンにハマりたかった。常時は無理なら、一時的にでも。
恒常的な職業変更はあるが、例えばFEのようなクラスチェンジのように劇的にパラメータが上がるイベント等は一切ない。
強い武器がないことはないが、それで(一時的にでも)無双プレーが出来ることもない。本当に「ちょっと強い」だけだ。
「もっと気持ち良くさせてよ」という不満はプレー中ずっとあった。そんなに硬派SRPGを作りたかったのか?
他にも、ステージを見てから編成が出来ないとか、敵からこちらへの攻撃命中率が分からない等の細かい不満も色々あった。
システムはシンプルだが、あまり熟(こな)れていない。2018年の最新ゲームとしては正直もっと頑張れやと思う。
「本格タクティカルバトル」を謳ってはいるが、その割に「格」が全体的に足りていないように思うのだ。はぁ。


さて、不満ばかり書いたが、「普通に面白い」のも事実なので、その意味じゃ平坦ながら平穏にプレーできた。
難度は普なら難しすぎず楽すぎず、適切なバランスだったと思う。極端な稼ぎをしない限り、ほどよく困れる感じだ。
今作はシナリオ外のフリー戦闘マップがあり、それには何度でも挑戦出来る。つまり稼ぎたければそこで幾らでも可能。
更に更に、これあってもええんかと思うのだが、中断セーブ機能まである。セーブもロードも回数制限はなく、完全に自由。
俺は戦闘中のメニュー画面呼び出しをゲーム中盤まで使わなかったので、最初に見た時は「は??」と口に出てしまったよ。
中断セーブを使えば、難度も何もあったもんじゃない。もちろん難度設定に関わらず使える。いやこれアカンやろ絶対。
もちろん俺は使わなかった。……と言いたいとこだが、やむを得ぬ事情により終盤何度か使った。甘えじゃないって。、
終盤、謎のバグによりマップクリアー→イベント→ゲームシャットダウン という症状が発生したのである。それも何度か。
終盤だから難度は相応に高く、クリアーに1時間とかかけたのに、全部パー。さすがにこれが2回連続発生した時はブチ切れた。
戦闘終了間際の中断データを作っておけば、フリーズ落ちも怖くない。故に使用。正当な理由だろ。……チッ。ムカつく。
まさかこれ見越して中断セーブ可能にしたとは思えんが……まぁ変な話、救われたよ。なかったら途中放棄したかもしれん。
もちろん普通に使えば「誰でもクリアー可能」な難度にすることも可能だ。その辺はプレーヤーの判断次第てこったな。
イージーだろうと一切容赦のなかったナチュドクとは方向性が違うどころか正反対の作風だな。……結局比べるの? ぬぅ。

戦闘バランスは、中盤から明らかに「魔法(術)が弱い」と思った。威力はともかく命中率が低すぎて当たらないのである。
命中率の低さに困るのは物理攻撃も同じだが、こちらはスキルで補うことが可能なのだ。しかし魔法にはそれがない。
魔法系の職業・それ方向のステータスを持つキャラにしても全然当たらず、これバランスおかしいだろと思うばかりだった。
魔法は味方にかけるものなら確実に成功するので、専らこっちだった。あとは成功率が8割で固定されているものとかな。
一方、敵側の魔法はアホらしいほどガンガンこちらに当たり、ゲームが進むほど脅威になってくる。よう分からん。
最終盤からクリア後はもう魔法なんぞ全く当てにならず、全員殴りと味方バフを重視するしかなかった。
今作は職業とスキルが非常に多くあり、その分戦略も多彩にあるんだと思う。別のやり方なら、魔法も役立ったのだろうか?
要素が多いってのも良し悪しだな。「色々試せる」と言えば聞こえがいいが、プレーヤーがそこまでやるとは限らない。
こういうゲームだと、試すのにもいちいち時間がかかるしな。それを楽しめる体質ならいいんだけど、なかなかね。はぁ。


物語。今作はタイトル通り日本神話を下敷きにしたゲームであり、物語と世界設定にもかなり力を入れて作られている。多分。
日本神話つっても、主人公は「カグヤ」で、仲間にはキンタロウやウラシマ、クマやカメなんてのもいたりする。
神話と童話を混ぜ合わせた上でのオリジナル物語なのだろう。俺はどちらにも疎いから、配分その他は分からんかった。
で……うーん。「日本神話の面白さを」てなコンセプトで作られたと思うのだが、正直魅力も面白さも感じなかった。
なんつーか、色んな面で「ピンとこない」んよね。例えば冒頭、カグヤは神の怒りを鎮める生贄として十数年間育てられた。
その間ずっと座敷牢(もう少し広い?)みたいな場所で。……気が狂うだろう。そんなんで旅に出て世界を救うって。
そもそも生贄ってのもなぁ。実はカグヤの十数年前に、彼女の姉サクヤが生贄として富士山の火口にぶち落とされているのだ。
その結果二人(もう一人姉がいるが生贄不適合だったらしい)の母であるツクヨミは精神を病んだらしいが、そらそうだろう。
神が人間に対して怒ったのでそれを鎮める必要があるのも分かる。が、手段が生贄て。それで許す神って、本当に神か?
へーわな現代日本に育った俺にはあまりにもあんまりで、ハッキリ言えば引いてしまう。導入からしてこれだ。むぅ。

また「日本神話大戦」と言いながら、主人公を始めメインキャラは皆人間だ。「八百万の神々」も出てくるが、部下だ。
この設定がまたよう分からん。物語中、「畏れ多い神々」として八百万の神々が登場する。人間は彼らより格下の存在だ。
だが仲間として登場するクマやカメ、イナバらは、同じ八百万の神々(の一柱)なのに、人間の部下や友人に甘んじている。
仲間の神々がどうして人間側にいるのかは一切説明がないし、彼らと畏れ多い側の神々が話すシーンもないし。
単に「八百万の神々は数が多いから一枚岩でもない」てことなのか? その辺もっと詳しく語ってほしかった。

世界設定がピンとこないまま話を進めたが、「人間も神々も、概ね身勝手だな」と思った。似たり寄ったりである。
ツクヨミを始めとしたカグヤの親世代が神々を怒らせたことで世界が危機に陥ってるのだが、神々も神々で大概である。
あんまし明確な「敵」や「悪」がなく、残念ながら没入感は低かった。うーむ、日本神話。「神」って何なんだろうね。
登場キャラは、神話童話を下敷きに今作独自の味付けがされ、なかなか魅力的だったと思う。見た目も可愛くカッコ良い。
各キャラの個別シナリオも用意してほしかったな。カグヤやオオクニヌシの描写ばかり優遇されていたから。
キンタロウはカグヤを外の世界に連れ出した張本人であり、オオクニヌシはプレイボーイながらカグヤの高潔さに惚れる。
こうなったらラブコメに期待するのは日本男児として当然……っ!! なのに、何も決着しないまま終わってガクゾー。
これはないやろ製作者。だったら途中にいちいち匂わせる描写入れんなや。肩透かしもいいとこだった。
それどころか「カグヤや生涯夫を持たなかった」とわざわざEDで断りを入れる念の入れようだった。なんじゃそら。
うーん。日本神話という屋台骨が、寧ろ足枷になってないか。カグヤが幸せだったならそれでいいのかもしれんけどさ。
残念ながら「魅力ある」とは言えない御話だった。良くも悪くも俺ぁ現代日本フィクションに完全に毒されてんしね。
あ、そうそう、日向国で出てきたサブキャラ「サルタヒコ」の棒読みっぷりには腰を抜かしたよ。信じ難い下手糞だった。
日本ゲーム業界に脈々と受け継がれる糞下手ボイスがまた一つである。何故あんなのを通してしまうのか全く理解不能。
一時的に登場するだけで終わって本当に良かった。この件は特筆すべきだから書いておく。ったく。はぁ。


グラフィックは……低レベル、であろう。今作はVITA・Switchとのマルチだが、PS3でも十分出せたと思うレベルだった。
戦闘のポリキャラも背景も、もうちょっと頑張れなかったのか。PS4で出すのは厚かましいとまで感じてしまったよ。
ポリキャラの等身が低いのも見た目の悪さを助長している。イラストは凝ってるのに、ゲームキャラにそれが生きていない。
グラフィックレベルは奇しくもナチュドクと共通してたな。無論褒め言葉ではない。「力入れるのはここじゃない」のか?
確かにSRPGというジャンルである以上、強く売りにする部分ではないかもしれんが……今の客は要求レベル高いんスよね。
幾つかあるムービーでは「動く漫画」な演出を使っていて、まぁ少々見栄えがした。「GRAVITY DAZE」を思い出したな。
音楽は、悪くない、いや良いのだが……「曲数が少なすぎ」と思った。実際は知らんが、ゲーム中に耳にする曲が少ない。
とにかく終盤の終盤まで、「フィールド曲」と「戦闘マップ曲」が9割を占める。一生この2曲を聴いてる気分になる。
フィールド曲は移動中、そして時間をかける編成中に流れ続ける。戦闘曲は戦闘中ずっと。質はさておき、延々同じ。
どちらも複数用意して、物語の進行と共に入れ替えるべきだったと思う。1曲ずつは少なすぎる。
最終盤になってようやく変化があったが、遅すぎた感は否めない。聴きまくった分、耳には強く残ったけどね……。

俺は限定版を買った(フフン)ので、特典に設定資料集とサントラCDが付いてきた。こういうの、いいねぇ。現物ならではだ。
資料集は、製作者メッセージやキャラ及び敵のイラスト多数、更にシナリオ文章を全て掲載しており、クリア後読むには最適。
特にシナリオ読み返しが可能なのはありがたい。今作は長丁場になるから頭から抜けやすいし、再プレーにも重いからね。
サントラはそのままサントラ。そうそう、今作のテーマソング「時をこえて」はEDスタッフロールで流れるんだが、
歌い手はなんとあの坂本冬美! えらく金かかってんなぁ。その割にあんまし名前を押し出してない気がするが。
歌自体もなかなか良かった。オリヒメ(ゲームのマスコット的キャラ)バージョンも良かった。サントラでも聴いてるよ。
……坂本冬美のWikipedia覗いてみたら、今作に関する記述がなかったことが気になるけど。気にしないようにしよう。


さて、ゲームをクリアー。その時点で60時間くらい頑張ったと思う。時間表示がない(出せよ!)から正確には分からんが。
そんで、クリア後要素である。今作は完全版だが、1年前に発売されたバージョンと何が違うって、DLCの収録だ。
最初の「GOD WARS ~時をこえて~」発売後に幾つかDLCが配信され、それらの全纏めが「日本神話大戦」というわけだ。
……そう考えると、完全版つってもただの纏めただけだな。一応プレイアビリティの向上もされているらしいが……。
てわけで、DLCを流す。二つ目まではごく短い内容で、EDの補完みたいな感じだった。……有料だったら買わんかったな。
そこに登場するのが、問題の最終コンテンツ・「黄泉の迷宮」である。DLC販売時は、1500円という強気な価格だったらしい。
どうもこれは規模がデカそうだな……と思ったので、プレー前にちっとネットで調べた。攻略じゃなく、公開情報をね。
そしたら、クリア後だけに難しいのは当然として、「全50ステージ、100時間の超ボリューム!!」という衝撃の文言が。
いやいやいや、ちょっと待てよ。本編クリアーまででも結構なボリュームで、相当プレーしたよ。楽しんだけど、疲れたよ。
その後を軽く「流す」ならいいよ。でも100時間て何やねん。本編越えてるやんけ。坂本冬美の新曲「本編をこえて」。アホか。
近年のゲームでありがちな「ボリューム問題」である。無論ボリュームは多い方がいい。でも多ければいいとは限らない。
言ってることが矛盾してる? そういうこった。要は「ユーザーの求める適切なボリュームが正しい」ということだ。
今作は本格SRPGなんだから、大ボリュームDLCは正解なのかもしれん。でも俺にはこれはデカすぎる。ちょっと重すぎる。
本編だけでも十分やったと言えるし、この辺にしとくか。ありがとうGDO WARS。八百万の神々に感謝し、了。

……と終えよかとも思ったんだけどね。黄泉の迷宮、どうも物語的にも補完が多くなされてるようなんよね。
更に本編では加入しなかった「モモタロウ」らが加わり、どうやら黄泉の迷宮までやって「真のED」であるようだ。
その作りはおかしいだろと憤りを覚えるが、こうなったらしゃーない。腹を括ろう。しんどいが、最後までやってやんよ。
本編クリア時のキャラレベルは大体70くらい。その時点では上限が99だが、黄泉の迷宮ではそれが199まで引き上げられる。
この時点でもう目眩がするが、じっくりやっていくしかない。幸いにも本編で育成を頑張ったから、導入に問題はない。
恐る恐る、馬鹿げた大ボリュームDLCダンジョンに入っていった。つっても1ステージ毎に地上に戻れるけどね。はい。

むぅ。結論を言えば、難度的には正直大したことなかった。無論敵は本編よりずっと強いが、こちらも相応に強くなるからだ。
何より、黄泉の迷宮では、1マップに8キャラを参戦させられるのだ。本編では6か5だったのに。これが非常に大きい。
キャラが多い分戦力がアップするのは当然として、育成の効率も上がる。未参戦キャラには基本的に経験値が入らないからだ。
「バランスを重視するあまり快感性を抑えすぎている」と上で書いたが、参戦可能キャラ数はその一つ、強いストレスだった。
それが黄泉の迷宮では解消されている。これだけでプレー意欲も全然違っていた。……本編もこうすべきだったって。はぁ。
加入したモモタロウ(無論犬猿雉もいる。3匹(?)は八百万の神々で、2足歩行で人語を話す。ついでに雉は女性だ)も強い。
モモタロウを軸に先に進んでいくと、他キャラの育成も追い付いてきて、戦力が充実する。本編にはなかった快感だ。
職業関係も極まってきて、無理に変更する必要もなくなっていく。難度は高くとも、ゲーム進行は明らかに楽になっていた。
なんじゃい、そんな恐れるようなもんじゃなかったな。……宣伝が逆効果になってたような気がしないでもない……。

ただやっぱDLCはDLCなので、只管ステージを進めるだけで割と味気ない。イベントもあるにはあるが、豪華ではなかった。
敵も本編の使い回し強化ものばかりで盛り上がらない。まぁあくまでクリア後要素として受け取るべきだな。
迷宮の進行には形ばかりの分岐はあるが、概ね一本道。そして迷宮EDと呼べるものを見れば、そこで完全終了! となる。
……わけではなく、その真ED後、更に「深遠」なる10ステージが続く。完全に「好きな人だけやってね」レベルの内容だった。
その追加面の9と10は、「味方キャラの影」とやらと戦うことになる。当然パラメータは超強化されていて、非常に強い。
それまでは黄泉の迷宮も大して苦戦しなかったが、深遠ラスト10面だけは大変だった。かなり時間をかけて、何とか突破。
これにてGOD WARSの全コンテンツをクリアーである。長時間よく頑張ったぞ俺。でも黄泉の迷宮100時間は少々言い過ぎかと。
宣伝通りだと総プレー時間は160くらいになるが、さすがにそれはないと思う。でも計算出来んから120時間にしとく。多分。
あと深遠クリア後、真の真のEDっぽいやつがバッド臭いのがなぁ。あれどういう意味? スッキリしないのう。うーむ。

深遠まで終えると、難度「超難しい」が開放される。それを含め、2周目をやるなら、引き継ぎの可否は自分で選択可能。
が、さすがに一周でこんだけやってお腹いっぱいなんで、俺はこれまでとする。のんびりやってみたい気もするんだけどな。
トロフィーは、「スキルを全部最大まで上げる」等の根性ネタが多いが、黄泉の迷宮までプレーしていればほぼ達成出来る。
俺も割と自然にプラチナを取れた。……嘘、稼ぎもやったし隠しアイテムはカンニングもした。あんなんいちいち探せるか。
まぁでも、よくやったよ。約10ヶ月? 常時プレーではないにしても、長期放置をせずにこれだけ一本に取り組むのは珍しい。
ナチュドクとは大分違うが、今作もまた印象に残る一本となった。……残しておけよ? 最近の記憶力じゃ怪しいが……。


ふぅ。去年唯一かもしれない発売日購入・即プレーゲームだった。……割と深刻な問題だが、今は考えないようにする。
そんで今作、最近続編の制作が発表された。まだ殆ど情報はないが、取り敢えず決定である。そんなに人気あるのか。……か?
またえらく遅れてsteam版がもうすぐ発売されると先日発表された。それに合わせ、既存版も少し改良アプデがあるとか。
どうも今作は妙に優遇されてるように思う。そんな売れてるタイトルとはとても思えんのだが、何か理由があるのか?
恐らくそれは、今作のキーマンである「安田善巳」だ。恐れ多くも角川ゲームス代表取締役社長様である。
……って、ちょっと待てよ!? 社長自らシナリオ兼ディレクターやってるのか!? 角川ゲームスって結構デカいだろ!?
ちなみにこの人、フロム・ソフトウェア代表取締役会長でもあるらしい。どういう人間やねん。俺の理解が全く及ばない。
若社長なんかではなく、御年60歳である。その上でクリエイティブ意欲も旺盛だとしたら、何とも大したもんだな。
その溢れんばかりの気力は羨ましいものである。そういうのを学ばせてくれるシナリオがよかったです。はぁ。

で。この方、「元テクモ社長」でもあるのだ。2008年まで。そうか、道理でその頃名前を見た記憶があったはずだ。
……あー!! 当時のテクモ社長といえば、かの「NINJA GAIDEN」の板垣伴信氏と泥沼裁判を繰り広げた人物やないか!
そうか、それで何となく名前に覚えがあったのか。いやー……こんなとこでNINJA GAIDENに繋がるとは。まさに縁か。
あの裁判でどっちに非があったかとか、そんなん他人に分かるわけがない。最終的には和解してるから尚更だ。
けど、古巣に喧嘩売りつつ自信満々に立ち上げた「デビルズサード」が壊滅的失敗に終わった板垣氏のことを思うと……
何か色々考えてしまうな。いやまぁもう言うまい。もう10年以上前の話だ。色々変わった。蒸し返す話ではない。
安田氏が今も家庭用ゲーム業界でモノを作る意欲と立場にあるのなら、それだけでオッケーだ。無条件に肯定する。
ゼータク言ってられる時代じゃないのである。どんなゲームであろうと、和製なら肯定。少なくとも出てくることには。
当然、GOD WARS2(仮)も買わねばならぬだろう。今度は完全版待ちとか眠たいこと言わんよ。縁があるから、応援する。
比類なき豪華な経歴とそれに満足せずギラギラした心を維持し続ける和製クリエイター・安田善巳氏の健闘を願って終わり。
「僕達」の国は未だ健在です。カグヤ達が戦ってくれたおかげです。これからも……はどうなのかな。俺には分かりません。
日本の魅力、か。俺は無論好きなんだけどね。大好きなんだけどね。……うう。ごめんなさい。何故謝る? 何故でしょうね。
はぁ。












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