腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

エストポリス

2013年09月17日 23時03分05秒 | ニンテンドーDSゲーム感想文
リメイクは、ある意味非常に安易な手段である。
なんたって、「元」がある。ゲーム内容そのものも、ファンの支持も。
元がある以上、一から生みの苦しみを味わう事はない。最悪、現行機並のグラフィックや音楽にするだけでも体裁を整えられる。
そして、ファンの存在。そもそもファンが多いからこそ、リメイクの企画が動いたのだ。「確実に買ってくれる」層がガッチリいる。
製作者は楽で、ファンは待ち望む。美味しいとしか言い様のない形態である。巷がリメイク作で溢れるのも、そりゃ当然の話だわな。

しかしリメイクは、ある意味非常に難しい手段である。それこそ新作を作るよりも。
元がある以上、それを大きく崩すわけにはいかない。そこが支持されてリメイクを望まれてるのに、壊してしまっては本末転倒である。
それでいて当然、何も変えない訳にもいかない。ユーザーは元作品そのものをやりたいのではない。「改善」を望んでいるのだ。
変えるべきことと、残すべきこと。「続編」にもこの永遠の悩みは付き纏うものだが、リメイクの場合はそれがより強固で複雑である。
正解はない。何をやってもやり過ぎに、何をしなくても手抜きに思われる。元に拘りを持つファンはとことん贅沢で、我侭だ。
「じゃあどうせいっちゅうねん!」と製作者は叫びたくなるのではなかろうか。いっそリメイクなんぞしない方が良かった、と。
有りもしない正解を求め、元に縛られるゲーム制作。……想像するだに大変である。はぁ。


まぁそんなわけで、「エストポリス」である。比類なきSFC「エストポリス伝記Ⅱ」のDSリメイク作品である。

このシリーズ、知名度や人気の程がイマイチ分からんのである。当時はネットがなく、販売本数も今ほどハッキリしなかったしなぁ。
まずSFCで今から丁度20年前に「エストポリス伝記」が発売された。メーカーはタイトー。……タイトーのRPGって、何かアレだな。
この作品は、最初から明確に続編を、シリーズ化を念頭に作られていた。これは当時かなり画期的な手法だったと思う。
何せ、物語の流れが2→1 で、1のプロローグが「2の最終決戦」なのである。早い話、2のED近くが1の最初に描かれるのだ。
厳密には続編製作の過程で少々設定やらが変わってしまっているが、概ねスムーズな繋がりである。いやこれは、なかなか凄いよ。
俺はプレーも 2→1 でやったので、この作りは面白いと思ったが、普通に順番にやっていたら、どうだろう。うーん。
ともあれ1は2の存在を確定させ、発売された。……どんだけ売れたんか人気だったのか、謎のままである。

そして「エストポリス伝記2」。あらゆる面で前作を大幅に進化させ、極めて理想的な続編として発売された。
この作品は「傑作」である。SFCと言えばRPG黄金時代だが、その一角を占めたと言える非常に質の高い逸品だった。
グラフィック、音楽、シナリオ、戦闘、謎解き、寄り道、クリア後のオマケ、どれも文句なし。素晴らしい。もちろん非常に面白かった。
……だが不思議な値崩れをしちまったので、俺はそれをハイエナのように購入した。いいじゃん別に。ごめんなさい。はぁ。
1と同様、人気や売上は謎なんだが、こんだけ質が高いんだから少なくとも中堅レベルではあったと思う。思っておこう。
個人的にも強烈に「スーパーファミコン」の匂いがする作品として印象深い。ああ90年代。もう決して帰ってはこない……。

で。エストポリスシリーズは、そもそも三部作を前提に始まった。はず。1の時点でそれは明かされていた。はず。
従って、完結編「エストポリス伝記3」もいずれ発売される予定だったのである。実際PS用としてスケジュールに載り、広告もあった。
……が、結果的に、ポシャった。原因は知らん。タイトーのせいなのか制作会社のせいなのか、公表されん限り分からん。
一応外伝的作品が携帯機で発売されたが、ファンが望んでるのは3でしかない。それが無くなった時点で、シリーズは実質終わってしまった。
かくして一部ファンに、特に2の高品質を強烈に印象付けて、エストポリス伝記は消えていった。今は昔の物語、である……。


……それが21世紀も10年が経過して、突然リメイクが発表された。対象は当然のように2、タイトルは「エストポリス」と改題。
これにはファンの誰もが驚いただろう。完全に終わったと思っていたエストポリスがまさかのリメイク。伝説は続いていたのである。
……しかし、同時に強い不安にも襲われたはずだ。エスト2は傑作だった。断言できる。それをリメイクである。……どこを、弄るのか?
エスト2はあらゆる面で完成度が高く、逆に言えば改善すべき点が見当たらない作品である。ちょっと褒めすぎかもしれんけど。
もちろんグラフィック等はさすがに当時のレベルだから、これを強化することは容易だ。だがそれだけでいいのか? 良くはない。
何を変えるか、変えないか。非常に難しいリメイク作になる。発表と同時に、ファンはそう思ったのではなかろうか。
だが嬉しい事に、リメイクはオリジナルのスタッフが再結集して手がけるという。少なくとも製作面ではこの上ない環境であろう。
タイトーは既にスクウェア・エニックスの傘下に入っていたので、今回はスクエニ発となる。これも少しは製作に影響するかな?
ともあれ2010年2月、生まれ変わったエスト2、エストポリスが、ニンテンドーDSにて、発売された。のであった。
……出荷過剰だったのか、あっちゅうまに値崩れし、俺は1年後に新品980円で購入しましたとさ。
元でもリメイクでもハイエナ。俺はエストファンのつもりです。ごめんなさい。はぁ。


……うーむ。
最初にハッキリ言えるのは、今作が「攻め」のリメイクであることだ。つまり、保守より変革に重きを置いている。
キャラデザ、システム、グラフィック、ストーリー、その他諸々、大幅に変わっている。ユーザーの声を恐れず、よくここまでやったもんだ。
だがもちろん、変化がイコール正しいとは限らない。完成された今作が面白いか、元を理想的にリメイクしているか、それが論点だ。
そんでハッキリ言わせてもらうと、失敗だったなぁ、と。どうしてここまで変えちまったんかなぁ……。

まずひと目で分かるのは、キャラクターデザインの激変だ。元と全然違う。
まぁ元作は古く、もちろんそのまま使えるようなものではない。だが今作のキャラデザは、元の雰囲気を残すことすら考えてないのではないか。
どこか垢抜けない男だった主人公マキシムは、実に今風の赤髪イケメンに。誰やねんお前と。「スクエニらしい」絵とは言えるかもしれんが。
そして直後に登場する仲間の一人・ティアを見てまたビックリ。マキシムに輪をかけて誰やねんお前。マジで元の面影は全くない。
一応セレナ、ガイ、アーティはまぁアリかなと思ったが……残る3人が変わり過ぎで、これはどうなんだと言うしかない。
俺の脳に残るイメージともかけ離れている。一歩目で失敗してるよなぁ。はぁ。

表現方法も、当時オーソドックスだった2D見下ろしから、フルポリゴン3D移動に完全刷新。
今の時代にやるならこれしかないという判断なのだろうか。これについてはまぁ、別に良かったのかもしれんが……物理的問題が、な。
今作はNDSのゲームである。NDSでフルポリゴン。前提が、ハッキリ言って無茶なのだ。少なくとも綺麗なグラフィックは不可能である。
2010年といえばDS終盤で、発売はスクエニ。恐らくグラフィックは相当に頑張った部類なのだろう。でも、ぶっちゃけ、ショボい。
今作は発売を1年遅らせ、せめて3DS向けで出せていれば……と思う。単純にして明快に、ハード性能が足りていない。はぁ。
またフルポリゴンでの製作が大変だったのか、街の数が随分減ってると感じた。元のそれがどれくらいだったか正確には覚えてないけど。
フルポリゴンでも手動画面回転はできないので、ダンジョン等ではイライラすることも多かった。うーん。
唯一、幾つかのイベントで見られた2画面ぶち抜きのムービーは迫力あったかな。あれはDSでないと不可能だもんな。むぅ。


表現方法に合わせたのか、システムも大幅変更。オーソドックスなコマンド選択RPGだった元作から、何とアクションRPGに変貌。
テイルズのように戦闘だけをアクション化したわけではなく、大きな括りではゼルダ風のゲームになった。なってしまった。
これが最大の変化だったかもしれない。アクションだから戦闘には当然テクニックがいるし、また戦えるのは一人だけだ。
パーティ制ではあるが、戦闘キャラは下画面をタッチして切り替えることになる。……こんなんで、いいのか?
通常技、ジャンプ、回避、必殺技、溜め、武器による技の違い……アクションのシステムははちゃんと作ってある。手抜きはない。
俺としてもこれ単体で見るなら面白いと感じたかもしれんが……元作をここまで変えてまでするべきだったとは思えなかった。

画面の小ささ、ポリゴンの粗さもあり、アクションに重みがなく、爽快感が薄い。チマチマした闘いが続き、燃えない。
雑魚戦は単調で、大体が回避→攻撃 で通用する。回避の無敵時間が重要なので、戦闘中はゴロゴロ転がってばかりになる。
また3D表現の為に距離感が判り辛く、空間を攻撃してしまったり足場から落ちたり、無用なイライラが多発してしまう。
ボス戦がこれまた大変で、特に最初のボス・ガデスがアホほど強く、うんざりした。いや強いと言うより、死ぬほど面倒なのだ。
こちらの攻撃が通らない状態が非常に長く、戦闘がダラダラと長引く。せっかくの盛り上げ所なのに醒めさせてどうするんだ。
雑魚戦もボス戦も、「わざわざアクションに変貌させた」意義を感じられなかった。単に変化させただけ、では納得などできない。
かと言って、コマンド戦闘のままでいいのかと言えば、そんなの俺には分からん。それを考え、適切な答えを出してこそリメイクだろうに。

結局、身も蓋もないことを言えば、今作は出すべきじゃなかった。エストポリス伝記2は、弄らない方がよかったのだ。
そもそもエスト2は、傑作ではあったが、「独創的」ではない。ぶっちゃけ他作品の寄せ集め、いいとこ取りな作品だった。
無論単なるパクリではなく、各作品を参考に良い所を拾い、纏め、磨き上げたからこそ傑作となったのだ。製作者の力量である。素晴らしい。
……要するに、エスト2は、完成されていた。究極は言い過ぎかもしれんが、元作でもう十分な出来栄えだったのだ。
グラフィックや音楽以外、何を弄っても改悪となる。そりゃそうだ、完成されているんだから。リメイクとして扱うには最も難しい部類である。
だから、やるべきではなかった。そう思う。実際製作者は困ったことだろう。リメイクするとして、じゃあどうするんだ?
結果として出来上がったのは、殆ど無理矢理に手を加えまくった作品だった。手を入れにくいから、開き直って手を入れまくった。
もちろん、そんな内情は全て俺の想像である。けど「リメイクすべきじゃなかった」は強く思う。
今作の出来に納得した元作ファンはどれくらいいるんだろう。「誰も喜ばなかった」でなきゃいいんだが……。


物語も、随分手を加えられていた。……ここを弄る必要あったんかなぁ。どうにも製作者の感覚が分からん……。
まぁ全体的な流れは変わってないが、街を削って世界をコンパクトにした影響か、色々とチグハグに感じられた。
特に中盤に頻繁に発生する、3つの主な街を回るイベントは面倒で仕方がなかった。もう少しスムーズに繋げられないのか。
イベントでの台詞も何か安っぽくて、正直全然浸れなかった。……これは元もそうだったのかもしれん。思い出補正入ってるかな。
キャラがポリゴン化したのに「演技」をロクにさせないのは、手抜きだと思った。やろうと思えばもっと動かせたはずだろう。
バストショットのキャラ絵が悲しみの場面でいきなり泣き顔になると、寧ろギャグみたいで笑えてしまった。うーむ……。

だが物語での一番の不満は「ティアの扱い」だった。これ、元作を台無しにしてしまっていないか。
ティアは俺にとって元作で最も印象に残っているキャラだ。あんな結末を迎えたキャラは、少なくともゲームでは見たことがなかった。
最初はマキシムに思いを寄せる村娘として登場し、共に冒険し、絆を深めていく。だが途中、真ヒロインのセレナが登場すると、立場は一変。
セレナとマキシムはお互い徐々に惹かれ合い、あるイベントを機会に完全に両想い化。そしてティアは……パーティを離れるのだ。
これは衝撃的だったよ。途中でパーティを抜けるのはともかく、失恋でなんて。俺はティア派だったので、あまりの扱いに愕然とした。
今の時代なら、セレナとマキシムがくっ付いても、「私は諦めないから!」と引き続き同行するかもしれない。それもええな。
だがティアは、離脱後はEDまで登場しない。本当のお別れなのだ。当時は製作者が酷いと思ったが、今思えば優れた演出だったなぁ……。

そんなティアは、もちろん今作でも振られる。マキシムの糞はティアの気持ちにはラノベ主人公を貫き、セレナには一直線。
ティアがマキシムを諦める描写もちゃんとある。そして元作同様、二人は結婚し、子供まで生まれる。ティア失恋から数年後、物語再開。
……フツーに、ティアがパーティにいる。そのままEDまで同行する。なんでやねぇええん!!! 突っ込まずにはいられない。なんでやねん!?
一応再びマキシムに迫ったりはしないから、キッチリ踏ん切りはつけている模様。だがそれならそれで、既に同行理由はないのではないか。
ティアがマキシムを諦めた理由の1つは、マキシムの力は神に対抗できるほど強大で、自分とは世界が違いすぎるから、というものだった。
それは失恋後も何も変わっていない。寧ろマキシムはどんどん強大化していってる。ハッキリ言ってティアに出来ることはもう何もないのだ。
もちろんパーティにいて邪魔だというわけではないが、元作であれだけ強烈だった別離をサクッと削除されたのは、嘆かずにはいられなかった。
ちなみに設定上は当然マキシム化物最強だが、ゲーム的な戦闘能力はティアも全く負けてないどころか、場面によってはマキシムより強い。
途中で「毒無効」という強いスキルを得られることもあり、俺はメインで使う勢いだった。……設定から甚だしく乖離してしまっている。
それとくっ付くほどではないが、ハイデッカとの関係を匂わされたのも気に食わんかったな。ンな余計なことせんでええっての。
「涙」の絡みもなんかおかしくなってたし……容姿の激変も相俟って、ティアの魅力が全く無くなっていた。はぁ……。


元作での特長の1つだった「ダンジョンの謎解き」は、あるにはあるが、薄っぺらくスッカラカンになっちまった感じだ。
数が少なく、難度も低い。……それだけでなく、何かセンスがないと強く感じた。仕掛けの作りに、面白みがないのである。
これも元作の魅力が著しく減退していた。元作は俺の大好物「ゲームの謎解き」を存分に味わえたのに。あれの再来を望んでいたのに。
3D化し、しかも視点回転ができないから、不当な「分かり難さ」によるイラつきも溜まる。3Dの空間把握は特殊能力だよ。ホントに。
ゼルダ的ARPGは基本的に大好きなので、激変の今作でもここは楽しめると思っていたが……実際はプレー中何度もDSを閉じてしまうほどだった。
やってて乗れない。燃えない。アクション部分同様、何か軽いと言うかなぁ。感覚的な話だから上手く説明できんけど。
そういや戦闘と謎解きが同時進行することもあるので、Aボタンで仕掛けを拾っちまうことが多発し、これまたイライラした。
……今作のあちこちで感じる、「ゲーム制作センス」の欠如。正直、本当にオリジナルスタッフが集結して作ったのか疑わしいものがある……。

ちなみに、エスト2の謎解き部分は「ワイルドアームズ」に引き継がれたと個人的に考えてる。WAシリーズの謎解きは大好きだ。
……が、あのシリーズも現状既に終了してるんだよな。最終作「WA5」は非常にレベルの高いJRPGだったと思うのだが……何故だろう。
難解な、と言っても考えれば必ず解ける謎にうんうん唸る、RPG。こういうの、もう古いのかなぁ。
「ゲームの謎解き」自体は色んなジャンルでまだまだ健在だが、RPGにおいては熱い作品が見当たらないように思う。俺の知る範囲で、だけど。
復権を願うのは、無謀かなぁ。WA1の封印図書館の謎を自力で解けた嬉しさは、未だ忘れられん。ああいうのカムバック。むぅ……。


戦闘や謎解きはそれなりにガチなゲームだが、全滅してゲームオーバーになると、「レベルブレイク」なるゆとりシステムが登場する。
これは単純にレベルを5+して再開できるというもので、ペナルティは一切ない。一応、それをしたという印がデータに付くらしいが。
……もうなんちゅーか、萎える。「バランス調整」はゲーム屋の腕の見せ所だろう。こんなんあったらぶち壊しやないか。
今作には全体から誇りも魂も感じられないが、これを見るとそういうのを放棄しているとすら感じる。要するに、やる気が無い。
まぁ現代に合わせたと言えるのかもしれんが、今作はリメイクであり、訴求対象は骨太な元作に惚れた人間であろう。
レベルブレイクを使わなくても、序盤のボスが強すぎだったり逆に終盤は弱すぎだったり、バランスが良いとはとても言えん。
クリアーはしたけど、ハマり度は低かったなぁ。はぁ。

元作での寄り道要素として有名なのが「いにしえの洞窟」だ。まぁ「不思議のダンジョン」のイタダキなのだが、それだけでは終わっていない。
全100階という深さ、絶妙に挑戦したくなるバランス、ここでしか手に入らないお宝、そして当然、死ねば全てパーという厳しいゲーム性……
ゲーム途中で登場するものの、ここにドハマりして本編を疎かにするプレーヤーが当時後を絶たなかったらしい。それほど中毒性が高い。
俺も半端ではあるがここには魅せられ、幾つか強力な武器を持ち帰れた時は非常に興奮したのを覚えている。正に「お宝ゲット!」な感じ。
俺は不思議のダンジョンを全くプレーしてないので、この手のゲームと言えばすぐいにしえの洞窟を思い出してしまうほどだ。
そんないにしえの洞窟は、もちろん今作でも登場する。……色々削られてるだけに、消えてるんじゃないかと心配だったわい。

……でもここも、ダメだったなぁ。まぁこれはシステム改変のせいか。アクションRPGになっていにしえの洞窟は、やるのがしんどい。
またダンジョンの作りも、妙に広い部屋がテキトーに連なるだけで、作りに燃えない。まぁこれは元作でも似たようなもんだったが。
小部屋で戦闘→宝箱(洞窟出たら消滅)回収 の繰り返し。持ち帰れる青宝箱の登場はごくごく稀で、単調さに耐え切れなくなった。
中途セーブ不可なのは当然として、中段セーブくらいはさせろよとも思った。まぁDSだからスリープで代用はできるけど。
元作の評価を一段と上げた素晴らしいオマケ要素だけに、残念だったなぁ。なんちゅーかもう、全てが……。

音楽には、唯一不満を抱かなかった。まぁアレンジの度合いが小さく、オリジナルと似た気持ちで聴けたというのが大きいのだが。
元作は音楽の評価も高く、俺も耳に残るBGMが幾つもある。今作でそれらと再会できてニヤリとする事が何度もあった。リメイクプレーの醍醐味だ。
ジャンルが変わり、エンカウント戦闘じゃなくなったので、「通常戦闘曲」が使い難そうだったが、まぁしゃーないだろう。
元作でのボス戦曲は今作でも燃え燃えで、素晴らしいの一言。エスト2を知らずにSFCのRPGを語るなかれ。ああ90年代。
いにしえの洞窟では、1の戦闘曲アレンジが流れて、これまたグッと来た。嬉しいことしてくれるやん製作者!
音楽については、元作をあまり弄らなかったのが良かったと言える。……非常に皮肉な結果かもしれんが、事実である。はぁ。

一応2周目要素が用意されており、2周目は敵側のスパイキャラ(序盤からずっとパーティに帯同)が、内心何を思っていたかが語られるらしい。
またEDもハッピー気味に変化するという。……だがパラメータ等は弱いままなので、もう一回プレーするのはちょっとしんどい。
クリアーまでそんなに時間がかかるゲームではないので、2周目も悪くないが……どうするか、今チロッと悩み中。まぁ、気分次第で。
ティアと結婚可能だったりしたら5周くらい頑張るんだけどな。しかも容姿が旧ティア化するとか。最高やな。はぁ。

※9月23日追記※
二周目もクリアー。正直やる気なんてなかったんで自分でもビックリ。勝手知ったる二周目はええのう。
一周目クリア後に明かされてた通り、アイリスの心情が所々で語られる。……が、それがもう完全に、マキシムに恋する乙女。
変化した終盤の展開も、完全に恋人の別離。ハッキリ言ってセレナの面目丸潰れ。終盤はセレナも隣に立ってるのにええんかこれ。
ここまでやるなら、それこそティアはキャラごと削除すべきではなかったか。どうせシナリオには思い切り手を入れてるんだし。
めでたしめでたし化したEDはまぁ良いかな。ただガイ家でのパーティはどうなったんだ。何故皆それぞれの故郷に帰ってるんだよ。
下らんツッコミをしつつ終わり。いにしえの洞窟やエッグ集めは……さすがに気力がないな……。



ふぅ。
今作は、「現在のエストポリスにどの程度の需要があるか」を探る為に発売されたのだと思う。
3の凍結後、長く滞留していたエスト待望論。それが本物なのかどうか。当然本物なら、3開発復活の流れも視野に入れていたはずだ。
……結果は、惨敗。販売は芳しくなく、盛大に値崩れ。そしてゲーム内容も……まぁ好評ではなかっただろう。あんま調べてないけど。
俺もここまでグダグダ書いた通り、「そもそもリメイクすべきではなかった」とまで感じた。今作に対しては最悪の雑言かもしれん。
「変えるリメイク」を選ぶのはいい。どの方向のリメイクをするかは、製作者が決めることだ。まして今作はオリジナルスタッフが揃ってるんだから。
だが俺が今作に感じる不満は、変革云々ではなく、根本の熱意、魂の欠如だ。ぶっちゃけ、やる気が感じられないんだよ。このリメイク。
「徹底的に変えてやる」を感じない。「元作を超えてやる」も感じない。「新規ファンも虜にしてやるぜ」も感じない。
ただただ元作の思い出を有するファンに甘えて、あやふやな心意気で一応形にしました、そんな印象が拭えない。言い過ぎかもしれんが……。
そんな極端な糞・ダメゲーではない。普通に遊べるし、投げ売り値で買ったなら尚更損はしない。これが肌に合う人もいるだろう。
しかし「エストポリス伝記2のリメイク」としては、大失敗だったと思う。そしてその結果、エストシリーズは……?

3復活の可能性は、もうこれで完全に消滅しただろう。だがまぁ、それはそれでいいのかもしれないな。今更だ。今はもう2013年だぜ?
仮に3DS辺りで3が力作として発売されても、大きなムーブメントは起こせないだろう。全ては過去のもの。名作は、旧作なのだ。
リメイクというものは、つくづく難しい。作るのはもちろん、プレーするのもだ。
それが元作の思い出を想起・補強してくれるどころか、損なう可能性すらある。そうなれば本末転倒である。そんなんプレーしない方がいい。
どんな素晴らしいゲームも、ハマったゲームも、心の一本も、それはそれと心の引き出しに仕舞い、次なるゲームに目を向ける。
そんなゲームスタイルが一番いい、のかもしれない。……ま、でも、それが出来れば苦労はしないわけで……。

エストの続編は諦めるとして、1と2が未だVC化していないのは不満であり、謎だ。何故だ? 特にやらない理由が思い当たらないのだが。
どちらも実現してくれれば絶対に買うぞ。エスト2には遣り残しもあるしな。「世界最大の謎」パズルは吐くほど考えたけど解けなかったし……。
だが、元作再プレーはリメイク作プレーより更に大きな危険性を孕んでいる。それこそ直接的に、思い出を損ねる可能性が。
ええい、もういい!! 思い出が汚れても、壊れてもいい! それもまた思い出にする! そうまでしても、俺は思い出に縋りたいんだ!!!
……前向きなようで非常に後ろ向きな思いを吐露して終わり。ゲームの世界であっても、前を向くのはしんどい。はぁ……。











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4 コメント

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Unknown (S・R)
2013-09-18 18:45:54
私も中古で買いました。エスト2,1、GBA,DSの順ですね。
まあシナリオ的には結構先進性があったと思います。
アレだけサブヒロインを萌えキャラとして描くRPGは同年代にあまり無かったと思いますし。メインヒロインも地味にマニアックで、魔法人妻という単語を当時生み出すとは恐るべし……
あとIPってつまり武器ごとに固有のリミットブレイクシステムも……なかった気がします。たぶん。まあ知らないだけかもしれませんが。

で、プレイ結果は……GBAとDSの二作はやっぱり酷い。
GBAは無味乾燥すぎ、DSは悪い意味で展開だけネタバレされた面白みの無いアクションゲーだったので……
特にGBAは絵もかなり酷く、当時から酷評されていました。加えて、当時の風潮、『組み合わせ順通りによる水増し』の申し子のごとき仲間モンスターシステムの微妙さ。GBAのほうは何とかエンディングまで見たような機がするのですがまったく思い出せないレベルです。
エスト1の素人がツクールで作ったようなエンカウント率の高さにも耐えてクリアまでやった身からすれば、クソゲといわざるを得ないでしょう。

こうしてみると、とにかく大風呂敷を広げたがった90年代のゲーム事情がしのばれます。オウガとかスーチャイとか……
レナスとレガイア伝説、タクティクスオウガとFFTみたいな関係で復活することを期待しますかねえ……
DASH3はよ
返信する
Unknown (ota)
2013-09-19 01:19:53
おお、GBA版もやってるんですね。俺は1、2と今作だけです。あとGB版もありますね。正直本編以外は眼中にありませんでした。
エストのシナリオは、新しかったですよね。少なくともゲームでああいった恋愛シナリオを扱った作品は当時なかったと思います。
1のエンカウントは確かに極悪でしたがw、それでもシナリオとキャラで楽しめました。ヒロインキャラのヤキモチムキーが最高。
やっぱりエストポリスは1と2、なんですかね。そして幻の3を、妄想の中で育てて……はぁ。

90年代はまだまだゲームの未来が明るかったでしょうから、先を見越した壮大な企画を立てたくなる空気があったのかもしれませんね。
企画に光るものがあるなら、違った形でいつか陽の目を見ることもあるでしょうけど……。
>DASH3はよ
でもこれはもう諦めましょうw
返信する
Unknown (息耐者カール)
2013-09-19 17:53:51
とりあえず
友達が買った
偶然設定が似た別物と思えば
面白い側の作品
らしい。(DS版)

ちなみに
僕のエスト歴は
GBCとGBAですね
GBC版
妙に1の焼き直し感が強いと聞くが
システムが全然違う
9人で陣形組んで戦うため
新鮮でそこそこ面白い
クリアできた
GBA版
開発会社を変更して
そのゴタゴタで不買運動が起きていたころ
その事情をつゆ知らず捨て値で売られていたところを保護
結論から言うと自業自得
最初期の宿屋の料金すら困ったあのバランスは何だよ。
こっちは資金を稼いでる途中で飽きた気がする
返信する
Unknown (ota)
2013-09-20 01:19:44
ふむ……お友達は今作を楽しめましたか。いいなぁ。
>偶然設定が似た別物と思えば
この発想は上手いなぁ。ゲームでも現実でも、視点変更ってのは大事ですねw

おお、携帯機版のみプレーとは、珍しいですね。
エストポリスは豪華に作ってほしいタイプのRPGなので、俺は携帯機ではやる気になりませんでした。
値崩れを見て気持ちが動いたこともありましたが、踏み止まって正解でしたかね。
>最初期の宿屋の料金すら困ったあのバランスは何だよ。
何か笑いましたw それは辛いですねw
返信する

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