利己的なオーストラリアとの交渉術

2010-10-04 13:47:18 | 福岡&中野&メルボルン時代
念願の久しぶりの海外、オーストラリア・・・とっても残念な結果に
終わってしまいましたけれど、良かったことは新たに友人を得れたことです。

オーストラリアの”?”な点は、現在のオーストラリア社会が、端的に言うと

「正直者が損をする社会」 「努力をバカにする社会」 「優秀な人ほど損をする社会」

になっているところです。

アメリカにも日本にだって、多少ありますが、”頑張っても頑張らなくても同じ時給なら、頑張るのはバカバカしい”・・・

それが誠実に努力したり、頑張ったりする人を見下す風潮(Hey、Relax!Enjoy Yourlife!)はあります。

歴史あるほかの国々は、景気後退や戦争など、試練を受けて、
「やっぱりそれじゃ社会が上手く行かないだけじゃなく、本人も楽しくないんだな」
となんとなしに、社会が不整合を感じているところがあると思います。 

それをアメリカは少しづつですが学びつつある。挫折が、国も人も強くするのですね。

ところがオーストラリアは、今の時点では、挫折を経験していません。
資源切り売りで中国相手にぼろ儲けできる。これは実は、何の努力も
伴わない成功なのですが、そのために過剰な自信にあふれています。

運良く、「努力なしにタダ乗り」できて結果的にラッキーだった、という過去の
移民ブーム世代が、あらたな搾取対象者になる新移民を後押しして、結果としては、消極的にサボりを助長し、
あらたに「努力なしにタダ乗りしたい」という下心を抱えてやってくる浅ましい人たちを
否定できず(カネさえ払えば移民できる)、世の中の常として、もっと能力がある人は
他国へ向かうため、カネはあるがそこしか行くところのない、という人たちの溜まり場の
ごとくなっています。

これはこの国では優秀な人材は他国へ流れて行っている、という事実が支えています。

ところが現実には、誰かが働かないと社会は回らないわけで、一番”押しの弱い”人から
割を食う社会になっています。その中で現在の移民は一昔前とは比べ物にならない
苦労を強いられています。サボる人数が多い分、背負う重さは重くなります。

一般的に日本人はどんな人も世界レベルでみれば相当な働き者なので、こういう場に
入れば、必ず多くを背負うを背負う羽目になります。

そうなりたくなかったら、自分も”サボる”側に入らなくてはいけません。

そういう究極の二者択一・・・ でも、消極的とはいえ、魂は売ってはいけない、というのが私の結論です。

私は選べるなら安心して努力できる国に行きたいです。


■ 「遅れてきた客には、食事は提供されません」

これはあるサイトからの引用ですが
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日本の労働環境の問題を集約すると、「運よく正社員になった人が、生産性よりも高い給料をもらっていて、そのしわよせとして
採用抑制や非正規社員の不遇を生んでいる」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これをオーストラリアに適用すると

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
オーストラリアの労働環境の問題を集約すると、「運よく”経済成長前に移民してきた”人が、生産性よりも高い給料を
もらっていて、そのしわよせとして”留学生”や”新移民”の不遇を生んでいる」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これを要約すると 「遅れてきた客には、食事は提供されません」

アメリカと違い、問題な点はオーストラリアでは日本のように努力して成功する人を
見下げる部分があることです。学校での授業は、出来の悪い人にあわせられ、
クラス全体が足を引っ張られることになります。 ある意味、個人主義が行き届いていない。

これは国の生い立ち・・・犯罪者の島流し・・・によるのかもしれません。
新天地を目指してきたというよりは、仕方なく来た、という感覚が
負け癖に対して、頑張れ、やればデキる!と素直にいえないメンタリティを
産んでいるのかもしれません。

結果、チャンスの国というより、不正に寛容な国になっています。


■ オーストラリアと学費の返金  公的機関に相談しよう!

最近、また学費の返還のことで、問題が浮上しています。 学校側は、返金のために
クレジットカード情報をよこせと言ってきています。 

うーん、カード情報をネットを介してやり取りするのは、一般的な商慣行なのでしょうか?
いやしかし、そもそも、カードで払っているのですから、情報は既に持っているのではないでしょうか?

そこで、Consumer Affair Victoriaにこの旨、確認すると、返金方法については
両者で納得のいく方法を合意するように、ということでした。

普通そうよねぇ・・・。やっぱり日本のビジネス常識は世界の常識。良かった。

ところが、相手側は「できません」の一点張り、それどころか、「そのほうが早く返金できます」。

”早く返金できる”の根拠が分からないので、再度質問を出していますが返事は来ていません・・・(汗)。


■ 利己的な交渉術? 

オーストラリアで驚いたビジネス交渉術は、どう見ても自分に否があるときに
決して謝罪しない。  

・・・のみならず、その挽回に当たっても、相手に恩を売ろうとすることです。

その方法は研究するに値すると思います。 なぜなら日本人も国際社会では、これくらい
厚顔に生きていかないといけないのかもしれない?からです。

実例で示したほうがわかりやすいと思うので、メールのやり取りを簡単に紹介しましょう。


①自分のミスをごまかす技 (下線部)

 A: How is the refund procedure going? 
    返金は進んでいますか?

 B: We have processed your withdrawal from the course, but please
    fill out the attached form if you wishto apply for a refund.
    入学取り消しの手続きはしていますが、返金が必要であればこの書類に
    記入して送ってください。
 
   ツッコミどころ: Ifって返金が必要ない人がいるでしょうか?
    またこの人とは返金について現地で話し合っています。
    この書類のことはおそらく忘れていたのでしょう。

 B: Please bear in mind that as per our refund policies, strictly speaking once
    you start a course you are not entitled to a refund at all.
    I am doing my best and this is a process that we need to go through.
    一旦講座をスタートしたら返金処理は通常できません(← 講座スタートしていません)
    私はベストを尽くしています。

 A: Thanks, but I must disagree...I know you are a much more capable man.
    You must have forgotten to tell me about this document because
    I asked you and you did not tell me, it is not like you.
    ありがとうございます、しかし、そうではないと思います。
    あなたは優秀な人だからです。この書類のことは忘れていたに違いありません。
    
② 自分がすべきことを相手に押し付ける技

 B:  Please see our website for more details on our refund policy.
     当社の返金についての案内をHPでご確認ください。

   ツッコミどころ: HPではなく、あなたに確認しています。何のためにあなたはいるんだ?

③ 直接回答を避け、相手に恩を売る技

 A: I am afraid what will happen if the money is not refund at all from the card
    company, or stolen by the third party.
    情報を提供したことで、返金されなかったり、第三者の盗難に遭うかもしれないと
    思うのですが?

 B: No need to worry as K is a multibillion dollar company and we would have
    no interest in altering the amount of your refund.
    Asking for the ccv number is standard practice in Australia and the refund
    would actually be quicker this way.
    大会社だから安心です。 このやり方のほうが早く返金できます。

 A: Can I ask how come the refund on credit can be faster? How fast?
    早いのはどうしてですか?どれくらい早いのですか?
 B: ・・・・・・・・


このようなやり取りにおいて、日本人は根負けすることが多いように思います。

しかし、それも自分を押し通すための相手の作戦の一部だったらどうでしょう???

ともかく 理詰めで攻める! これしかありません。

理不尽だと感じる要求をされたら、その理不尽さが共通の理解になるまで、粘るべきです。

上記の例では、カードでの返金以外受け付けない、というのは相手方の事情であり、
それを飲むからには、こちらはそれなりの事情説明を受けるべきです。

大体の傾向としては、オーストラリア人は短気です。粘っていると
相手があきらめないと理解するや否や、すぐやってくれます。

つまり、基本、人のことなめてかかってるんですよね・・・(汗)

彼らの”できません”は”やりたくありません”と理解すべきでしょう。





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